三宅学習塾OB会 > トップ > 狂育原論 > これから・・・大学は 


これから・・・大学は

子化や不景気により、定員を満たす受験生を集められない大学が多くなっている。2007年度、4年生私立大学の4割、短大の6割が定員割れになった。大学の多くは無試験や、あの手この手の推薦を用意し、就職並みの「青田買い」を激化させている。
 私立学校への国の助成金分配や経営相談などをしている日本私立学校振興・共済事業団によると、私立大(短大を含む)の20法人以上の経営状態について「教育研究活動のキャッシュフロー(現金収支)が赤字で、外部負債も拡大し、このままでは破綻につながる可能性もある」と判定している。経営困難な大学の中には、教員・事務員の給料を2〜3ヶ月滞納しているところもあるという。
 島野清志著「危ない大学・消える大学」によると、これから徐々に偏差値の低い大学から順次消えていくようだ。新入生充足率の低い大学。借金が多い大学。資金運用に失敗した大学。最近では、学費が高い大学、退学率が高い大学も危ないという。早い話が、昔からある老舗の就職のよい大学は安全だということである。
 地方の国公立大学も、GHQ指導下で行われた「一県一国立大学化」の学制改革によって誕生した無個性の「駅弁大学」は、就職に不利なこと、下宿代を含む生活費(自宅通学より年間平均80万円)が上乗せさせられること、そして学費が私立大とそれほど変わらなくなってきたことから、首都圏や大都市からの志願者離れが進んで、地元の学生だけの受け皿になっているところも多い。(そのような大学は国立から県立にして、自治体管理にすべきと思うのだが)
 現在では、入学金においては国立も私立もほぼ同じ(約28万円)である。授業料に関しては医療系においてその開きは相変わらず大きいが、文科系では国立約54万円に対して、私立では60万〜80万円の大学が多く、昔ほどの開きがなくなっている。しかし、私立には訳のわからない「施設費」というのがあり、これが曲者で大学によって大きな開きがる。10万円台〜多いところでは40万円近く支払わされる。私立の医学部は難関校ほど学費が安く、底辺校ほど学費が高くなると言われてきたが、医療系以外の学部では、設備費の高い大学ほど「危ない大学・消える大学」と判断できるかもしれない。
 2010年度の進学率は56.8%、4年制大学だけに限れば50.9%、さらに短大、専門学校を含めた高校卒業生の学校進学の割合は79.7%にもなり、なんと高卒で就職する人は5人に1人しかいない。来春3月の18歳人口は約120万人、うち大学進学希望者(浪人生含む)は約70万人と推測されている。
 ちなみに、2010年度の志願者数が一番多かった大学は明治大学で、1割近く増加し、全国から115700人もの受験生を集めた。ほとんどの大学で志願者減少の中、法政、日本、東洋、立教などが数を伸ばしている。参考までに全国の大学数は約750校。そのうち関東には1/3の240校あり、私立大学は206校である。
 それでは、島野清志氏の「危ない大学・消える大学」の中から関東にある私立大学だけを選んで、そのグループ分けを参考までに掲載する。

【消える大学・危ない大学 関東版】 島野清志著
 偏差値は代ゼミ全国模試を基準にしていると書かれているが、このグループ分けは各予備校の発表している合格難易度の分類と酷似している
 大学の内情のどの部分をどのように分析し、どのように偏差値に加味されたかははっきりしていない
 それ故、内容的には「生き残れる大学」という色合いが強く、合格偏差値の分類とさほど変わっていない
 医学の単科大学は除かれている

【SAグループ】 偏差値62以上
 〜私学四天王(知名度・実績ともに文句なし)〜
 慶應義塾 早稲田 上智 国際基督教
大学進学希望者人口の上位5%まで、同年齢全人口の上位2.5%まで

【A1グループ】 58以上62未満
 〜一流大学(名門、ほぼどんな企業でもエントリー可能)〜
 明治 中央 立教 学習院 青山学院 東京理科 津田塾
大学進学希望者人口の上位10%まで、同年齢全人口の上位5%まで

【A2グループ】 同55以上58未満
 〜準一流上位(A1との差は僅か)〜
 成蹊 成城 法政 明治学院 東京女子 日本女子 学習院女子
大学進学希望者人口の上位15%まで、同年齢全人口の上位7.5%まで

【Bグループ】 同52以上55未満
 〜準一流(それなりの名門、個性豊かな大学が揃う)〜
 獨協 國學院 専修 芝浦工業 東京農業 神田外語 聖心女子
 清泉女子 フェリス女学院 白百合女子
大学進学希望者人口の上位20%まで、同年齢全人口の上位10%まで

【Cグループ】 同49以上52未満
 〜中堅上位〜(各地方の基幹となるマンモス大学が目立つ)
 日本 東洋 駒澤 創価 玉川 文教 神奈川 武蔵野 共立女子
 昭和女子
大学進学希望者人口の上位25%まで、同年齢全人口の上位12.5%まで

【Dグループ】 同47以上49未満
 〜中堅〜(中堅、有名大も多いが、聞き慣れない新設校も)
 東海 亜細亜 桜美林 立正 大東文化 駿河台 東京経済 東京電機
 東京工科 文京学院 大妻女子 実践女子 東京家政
大学進学希望者の上位35%まで、同年齢全人口の上位17.5%まで 

【Eグループ】 同44以上47未満〜
 中堅下位(出来ればこのクラスまでに入ってもらいたい)〜
 国士舘 大正 拓殖 帝京 城西 東京都市 東京国際 産業能率
 関東学院 多摩 和光 二松学舎 常磐 白鴎 高千穂 杏林
 工学院 東京電機 東京工芸 神奈川工科 千葉工業 桐蔭横浜
 駒沢女子 淑徳 東京家政学院 麗澤 
大学進学希望者の上位50%まで、同年齢全人口の上位25%まで

【Fグループ以下】 同44未満 学校名省略
 大学進学希望者の上位90%まで、同年齢全人口の上位45%まで

 すなわち、Eグループまでの中にない大学が「危ない、消えていく私立大学」ということになるようだ。

 昨年の10月ごろから、合格難易度だけでなく、財務状況、志願者数、就職状況、研究力・教育力、入試形態など、各分野の資料を分析、判断して、独自に各大学を検証し、関東の私立大学・大学別格付けの作業を進めている。早ければ来月に、遅くても4月には完成させたいと思っている。乞うご期待。国公立大学を外したのは、たとえば経常収益は申請した予算を国(自治体)からもらえて、やるべきことをやっていれば赤字になることはないし、合格難易度もセンター試験の受験科目数の違いが大きいことや、大学によっては8月から数回の入試を行なうところがあったり、国公立のために行なわれるようになったセンター試験を受験しなくても入学者の半数以上がAOや推薦で合格したりしている大学もある。このように各校がバラバラで比較しにくいからある。

住 所
〒250-0034 小田原市板橋647番地 三宅学習塾OB会事務局
事務局への投稿などはこちらへ
三宅先生への連絡などはこちらへ