平成最後の酒会始めの儀

2019年１月５日17時、第40回ＭＰＳ-ＯＢ会「酒会始めの儀」がMルームで滞りなく開催された。還暦リターンライダー（以下ライダーと称する）も自家発電ママチャリを駆けること３５分で定刻５分前に到着した。２年ぶりの参加となるが、前日Mルームは大人16人を余裕で飲み込む板橋アリーナへと変貌を遂げ、そこにはホワイトボードなど存在していなかった。もはやノツト教室バット宴会場である。息があがり汗が滴るライダーはハンカチ王子となり幹事N氏（以下幹事と称する）の音頭により、とりあえずビールで乾杯し極力スロ−ペースで飲むことに努めた。



　そのうち酒の猛者Ｉ氏（以下モサと称する）が遂に登場した。モサはライダーの斜め前に陣取った。「何飲むの？」「ウーン」とりあえずビールの後、程なくしてモサは「而今」（じこん・クリアでフルーティな飲み口の純米吟醸酒で大人気らしい）にターゲットを定めた模様。モサは基本的にエキシペンシィブな酒を狙い撃ちにする習性がある。ライダーがグラス２〜３分に注ぎ奉ると試飲を始めたモサは美味しそうにグイと喉もとに流し込み「ウーン」と目を皿にし嗚咽をあげた。満面の笑みで本当にニコニコしている。言うまでもなく「而今」は、ノツト参加者全員バットモサのマイボトルとなり傍らにしっかり添えられている。日本酒は口にしないライダーも試しにちょっとやってみた。なるほどキャッチフレーズどうりの飲み味でイタリアンとも相性がいいらしい。杯を重ねたモサの頬は紅富士色！何とも新春にふさわしい。



　そんな光景をライダーの目の前の席で目撃していた幹事は風邪をひき前日のMルーム模様替えの儀に参加できなかった。本日も最初からノンアルコールで控えめでいたが、「私も少し頂きます」と言うと、なんと遂に「而今」に手を染めたのだ。香りをかぎ神妙な顔付きの幹事が試飲を終え寡黙に頷いた。後日聞いた話によると「而今」で高級アルコール消毒をした幹事は翌日には風邪を完治させた。幹事は語っていたらしい「酒は百薬の長である」と。恐るべし「而今」！
　各スポットで談笑し盛り上がっている宴もたけなわの折、三宅先生が5歳のお孫さん大馳君（以下大馳と称する）と「トランプやるぞー神経衰弱！」と言った。腐敗した脳細胞を有するミドルエイジの大人達が、超若きフレッシュな脳細胞にはたして太刀打ちできるのか？ 結果が目に見えている様な気がする。宴会場のかつてのMルームは立錐の余地もなく、戦場は先生の居間（かつてのＰルーム）になった。興味をそそられたライダーは早速決戦の地Ｐルームに向かった。札は普通のトランプではなく色鮮やかな昆虫シリーズのカ―ドである。トンボ・カマキリ・てんとう虫などが描かれていて、さすがに嫌われ者の代表ゴキブリの姿は無かった。選ばれし計４人による決戦が始まった。大馳はカードをめくるのに迷いが無い。実にスパスパと気持ちよいほどのテンポでめくっていく。
　ミドルエイジOB、OGを相手に初戦から大馳は難なく優勝した。彼の戦いぶりを見ていて、ライダーの心中は「絶対やりたくない。対戦相手に指名されたくない。負け戦はゴルフだけでたくさんだ」状態。何回か対戦が行われ大馳は悪くても準優勝を成し遂げていく。「まだやってない奴いるかー？」ヤバイ!! ついにライダー・モサ・Ｈ氏が指名された。



　しかも今回から、ツーペアカード合体ではなくa three pack eachによる神経衰弱だ。そのカードには、は虫類・ほ乳類の動物が描かれ（カメレオン・牛・ラクダ・タヌキ・リス他）頭部・胴体部・でん部の各部位により構成されている。いよいよ対戦が始まった。暫くしてもなかなかスリーパックをゲットする者がいない。色が似ている茶系の動物は皆同じに見えてくる。何回も同じ所をめくって間違える始末である。大馳は身をのりだし遠くのカードをめくるので、せっかく覚えたカードの位置が隠されて、一瞬にしてわからなくなる。実に困ったものである。なかなか取れない。半ば諦めモードのプレイが続く。結局、時間のかかり過ぎで、本来のツーペアカード合体に戻った。
　入れ替わり立ち替わり、「酒会始めの儀」出席者の半数近くが宴会場から戦場へグラスを片手に移動し観戦してしまい、宴会場の人数のが少なくなってしまう珍現象の時間帯もあった。残りカードが10枚未満になり、運を味方に全てをさらってしまい、棚ボタ優勝してしまった不逞な輩もいた。「大人げないことをしてしまった」との本人の弁。また、別の試合ではメンバーであったライダーは、最後に仮眠を取り記憶力が回復したH氏が３組取り、それまでトップのライダーは逆点されてしまった。記憶装置を「而今」のよって破壊されてしまったモサは最下位に甘んじた。有難う「而今」！ そして、総合優勝大馳！ おめでとう。優勝記念に会から頂いた「お年玉」、大事に使えよ。
　前回「中秋酒会の儀」は毒舌を武器に暴走する者が突如出現し、秋万部落長が苦言を呈する程の一種異様な空気が流れた。今回「酒会始めの儀」は新年にふさわしい実に楽しい和みの会で、秋万部落長もご満悦であった。近年では一番盛り上がりをみせたOB会であった。さあーぼちぼちママチャリで帰るぞー、グッドバイ！またナ !!

（リターンライダー・アゲイン）