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完全リタイア ESPECIAL!

全リタイア予定の来年の6月まであと10カ月。50年、生きるために働いてきました。いつ頃どのコーナーに書いたか忘れてしまいましたが、ある人の勧めというか、約束で、68歳まで続けてみようと、数年前から決めていました。大学1年の6月(18歳)から始め、卒業後2年間のサラリーマン生活をしましたが、その間も副業として塾をしていました。結局、会社にバレて、24歳の時に塾を専業にして今日に至りました。
 現在、週3日働いていますが、数年前から多くの時間を持てるようになり、時間の流れがゆったり過ぎているように感じています。老後の出費があとどれだけ必要なのか心配はしていますが、考えても答えの出るものではありませんし、深く考えたからといってその通りになるとは限りません。世界情勢、日本経済、自然災害なども、いつ何時起こるかもわかりません。そうであるなら、起こった時に的確に対応できる心構えのが大切だと考えています。
 そして、一番考えたくないことですが、これまで大病をしたことのない身体でも、加齢とともにこの先どんな疾病が待ち伏せているかもしれません。いつ急激に体力の衰退が始まるかもわかりません。一年後にはベットの上だけが生活の場になっているかもしれません。毎日の生活がまだ煩悩、欲望の塊で、達観までは決して辿りつけないことは重々承知していますが、命の燃え尽きる時が近づいてきた時、人生に「ありがとう」と言えるような心境でありたいと願っています。
 これからは世界情勢から自分の健康まで負のことをあれこれ苦慮しても、残り少ない人生を詰まらなくさせるだけです。他人に迷惑のかからない最大限の範囲の中で、したいことをしたいと考えています。仕事の量を減らし始めてから気付いたのですが、仕事、健康、お金のことを考えない生活が、どれほど人生にゆとりを与え、豊かで楽しいものであるかということを実感しています。若い頃もしたいことはしてきましたが…。
 したいことができるという老後は、それまでの心・知・体の充実した生活が、当然基盤になってきます。還暦以降の余生を楽しい日々にするためには、生まれてから55歳までの2万日の生活の積み重ね次第です。体力(筋力)、趣味、友人(仲間)などは若い頃からの蓄積財産になります。他にも、億劫がらない性格、興味や関心を持ち続ける意思、ある程度の遊楽費も必要になります。
 人生哲学をコアにして、これからの余生を暮らしていきたいと考えています。これは聖人君子の生き方を意味しているのではありません。むしろ煩悩に満ちた俗っぽい、人間臭い生活ということです。これまでと同様「畜生」にならないために、それなりの「律する生活」をしていきますが、「人生を楽しむために生まれてきた」という根本方針は変えるつもりはありません。
 動物として、人間として生まれてきたのに、何もしないで生きていくことは罪と考えています。これからも「晴耕雨読」の精神で生きていきます。「新聞、書物、ネット記事を読んだり、NHKスペシャル、アーカイブスを見て、感性と知識を吸収していきます。晴れている日はgardening、walking、golfingなどの野外活動をします。体力維持に努めます。そして、できたら年に2、3回は旅に出られたら「最高だな」と考えています。
 穏やかな日々が一番ですが、そうもいきません。遊び呆けてばかりいてもいけません。人間として、最低限の社会の動向くらいは知っておく必要があります。老人になっても、ある程度は社会の動きに敏感な人間でありたいと思っています。嫌いな人間、悲惨な事件、見苦しい政治などは、なるべく「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿で生きていったほうが楽なのですが、これは確かに賢い処世術、社交術かもしれませんが、私のような人間には狡猾な態度に思えてできないでしょう。
 このHPもいつまで続くかわかりませんが、卒業生の多くの人が10年あるいは20年後に迎えるであろう老後のことを、これからは意識的に多く書くようにしたいと考えています。人生も「終わり良ければ、全て良し」です。60歳を過ぎた頃から考えていることを、的確に伝わるような文章を書く技術を天が瞬間的にでも与えてくれるならば、少しはこれからのあなた方に役立つのではないかと思っています。社会の義憤の記事は、穏やかな日常生活を蝕むので書かないようにします。文才がないので数日かけて書く文章もありますが、そんな時むかむかしてくるような文章は、精神衛生の面からも身体的にもよくないみたいです。
 今この時間、私の机の上には、「人間の分際」(エッセイ・曽野綾子)、「体幹を鍛えるとなぜいいのか?」(トレーニング本・木場克己)、「心に太陽を持て」(児童書・山本有三)の3冊の本があります。平行読みしています。近頃、小説ジャンルを読むことは少なくなりました。今では人から推薦されたものを読むくらいです。読んでよかった本をわざわざ持ってきてくれる人が数人います。きっと読み終わったときに私のことが頭に浮かんでくれているのでしょう。嬉しいことです。だから必ず完読します。これからは老後を充実させてくれそうな本や、人生を総括するような本を読みたいと思っています。
 理想の老後はできる限り死の間際まで、自立、自活していられることです。健康体を維持する生活をこれからも心掛けていきます。この歳になってはっきりわかったことですが、99.9%以上の人(大部分の人)は、宝くじやTOTOに当たるなどの僥倖にめぐり合うとか、親に多額の遺産を残してもらったとか、億単位の破格の年収が10年以上続いたとかしない限り、80年の人生のうち50年前後は地道に働かなくてはいけないようにできています。卒業生の多くの方は今、人生の踊り場(40歳代前半)あたりにいます。これから老後への勝負処を迎えます。命の燃え尽きる時が近づいてきた時、人生に「ありがとう」と言えるように、お互い自分らしい生き方をしていきましょう。

追伸: MPSを完全廃業した時、あるいはこのHPの更新を停止した時、この50年間の感謝の気持をこのHPに書くつもりでおりますが、この頃、卒業生が元気に幸せに暮らしてくれているかなと考えることがよくあります。懐かしい人、会いたい人もたくさんいます。時間があってその気になりましたら、メールで近況をお知らせください。お待ちしています。

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