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平成四半世紀重大ニュース・私のTOP10 (selector 三宅 亘)

TOP 1  東京電力福島第一原発事故 (2011 人災・エネルギー政策の重過失)
 原発は絶対に安全だと国民に信じ込ませ、原発を推進していた自民党は1970年に原子力発電による電気の供給を電力会社に認可した。東日本大震災直前には、全体の1/3を原子力発電に依存するまでになり、この40年間で日本の電力供給量は約3倍に増えているが、その増加した供給分は原発とLNG(液化天然ガス)が補充してきた構図になる。
 メルトダウンによって脆くも神話が崩れてしまった今、クリーンエネルギーへの転換の物議が過熱してきている。あれから3年過ぎた今でも、がれき撤去と汚染水の問題は続いている。国民はこれから50年いやそれ以上の歳月、原発事故の後遺症のニュースを見聞きしながら生活することになるが、「熱しやすく冷めやすい」日本国民は、いつかそれに慣らされてしまうのだろうか。また、電気による便利な生活をこの40年間で刷り込まれてしまった国民は、今より不便な生活に耐えられるだろうか。仮に100歩譲って耐えられたにしても、大量電力消費者(社)である生産業をはじめとする多くの業種は減産に追い込まれ、当然日本の経済は縮小してしまう。
 一方で考えておかなければいけないことは、「核のゴミ」処理である。国内にはすでに17000トンもの核のゴミがあるという現実である。高レベル放射性廃棄物を高速増殖炉で再利用するという話もあったが、「もんじゅ」は事故を起こしてもう20年近く止まったままで、動いても採算がとれるか疑問視され始めている。そこで、地下深くに使用済み燃料を埋めようということになっているが(スウェーデン「オンカロ」では地下400m)、これにもいくつかの危険が指摘されている。特に他国との戦争で標的になった時と、地下マグマの通り道(火道)がニョキニョキと使用済み燃料の最終処分場に伸びてきた時である。優秀な地質学者と検討して場所選定しているのだろうが、人体に影響を与えなくなるまでの10万年の間には何があるか分からない。「何もない」と断言するほうに無理がある。
TOP 2  東日本大震災 (2001 天災)
 あの日の、あの時間のことはよく覚えている。晴れていて風も強くなく穏やかな日であった。15時頃の気温も15℃以上あったように思う。地震の発生したまさにその時間、私は陽に当てていたバラの鉢を片付けていた。ちょうどひとつの鉢を元の場所に戻そうとしたとき、一瞬軽く揺れを感じた。年老いて平衡感覚もなくなり「気のせいか?」と思ったが、次第に揺れは大きくなっていった。塾玄関口の40Cm四方の太い柱にもたれて収まるのを待ったが、揺れは長く続き、今までに体感したことのない大きなうねるような感覚が背中から伝わってきたことを鮮明に覚えている。
 この揺れはどこか遠く離れた所で大きな地震があったにちがいないと直感し、すぐに2階に上がりTVをつけた。上空からのリアルタイムの映像は地獄絵図のようであった。地上の全てのものを飲み込んで真っ黒になった10mを超える大津波が人家や田畑に次から次へと覆いかぶさっていく映像は、とりわけ印象に残っている。結果的に死者・行方不明者の数は18,500名超。戦後最大の大惨事となった。
 しかし、どんな大きな天変地異も地球上の生物は甘受するしかない。特に人類は母なる地球の恩恵を何百万年に亘って享受してきた。どの生き物よりも脳を進化させた人類は地球上の王様として君臨してきた。特にこの100年、母なる地球との調和・共生を忘れ、一部の人間が征服・破壊を始めた。これを見て、先人たちは「天罰だ」と言っているかもしれないが、現代でも多くの人々は「地球は母親だ」と、ちゃんと認識している。被災者たちは、家族を亡くし、仕事を奪われ、大切なものを失って、悲しみに打ちひしがれても、誰一人地球に文句を言うものはいなかった。
 震度6〜7の巨大地震。津波・液状化現象・余震などの2次災害。福島県では原発事故被害。日本国民のほとんどの人が、これらの恐怖体験に遭われた被災者の生活と心情を我が身に置き換えた。天災の恐ろしさ、怖さ、その準備と覚悟の必要性を感じた。
 補足:阪神淡路大震災はなるべく広い分野からの選択を心掛けたので、東日本大震災と同じnews source ということでTOP10から敢えて除外した。TOP10に入れた他の出来事よりも、日本人にとってはbig news であったことは言うまでもない。
TOP 3  国の借金1000兆円超 (2013 金融政策の重過失)
 国の借金が今どんなにすごい状態にあるのか、家計を例にとって解説している記事を目にすることがよくある。財務省自らも作っている。経済学は不得手の分野のひとつであるが、ネットなので知り得た知識で2014年度(平成26年度)の数字で説明してみると、次のようになる。(金融関係就職者あるいは経済学に詳しい卒業生で、誤認識に気付いた方は教えてください)
 ある家庭の額面総収入は500万円。その家庭にはローン元利払いが230万円あり、日本の平均的納税負担率(税金、保険料等)は25%で、120万円は国、自治体に持って行かれ、手元に残るお金はたった150万になってしまう。これでは親子4人が1年間暮らしていけない。今年の場合は420万円の借金をして食い繋いでいく。このようなことを20年間続けてきたら、知らない間にローン残高が大台の1億円になってしまったという話である。
 よほどの資産家、不動産所有者でなければ、一般家庭では破滅の一途をたどる。否、ローン残高が1億円を超えても金融機関から20年間にわたって借りることができているということは、その家庭はそれなりの担保所有者と考えるべきであり、日本国は何を担保にして借金を続けられているのか。この点が国民の無知に付け込んだ霞が関官僚のトリックである。
 デフレ時に「円高」であったことをおかしいと考えたことはなかっただろうか。景気は一向に良くならず、雇用は減り、リストラや契約社員は増加し、東日本大震災という未曽有の天災の半年後には、円高は75円台まで高騰した。どうして外国投資家は「円」を信用するのか。それは世界一の債権国を20年以上も続け、現在約300兆円の対外純資産を保有しているからだ。さらに個人金融資産が1400兆円、そのうち預貯金の総額は700兆円あるからだ。
 そのような日本では、政府発行の国債(借金)のほとんどは日本の銀行、保険会社、年金機構が保有している。金融機関は国民から集めた700兆円ものお金をデフレや不景気で一般企業などに融資して利子を得ることが厳しく、また株などの運用も期待できないので、国債を買っているという仕組みである。バブル期から続いてきた政府と金融機関のもたれ合いは、形を変えながら今日まで続いているのである。だから、「日本の借金」が1000兆円というのではなく、「政府の借金が」という感覚で捉えた方がよい。
 このように述べてくると、1000兆円の政府の借金は安全なのかということになるが、そうはいかない。景気回復の有効手段も見つからない少子高齢化の社会が続けば、預貯金の減少は進むはずだし、政府の借金が2000年(13年前)は500兆円であったことを考えると、2025年前後には2000兆円なる可能性もある。
 何よりも政府、日銀が財政健全化への道筋を示して着実に実行していくことが極めて重要となる。政府や自治体がよく口にする「人道的立場」からも次世代に借金を残してはならない。多額の借金を抱えながら「大丈夫だ」と子どもに言い残して死んでいく親がどこにいよう。一時凌ぎのトリックを駆使して、このまま先延ばしで借金を繰り返していくと、いつか日本国民の預貯金が減り始めた時に、大地震や原発事故同様の「想定外」の金融恐慌が起こるかもしれない。
TOP 4  コンピュータのハード面とソフト面の進化 (1995〜 技術科学)
 コンピュータやロボットの進化には目を見張るものがある。1968年にスタンリー・キューブリック監督のSF映画「2001年宇宙の旅」をライブで観たとき(当時20歳)、本当にそんな時代が数十年したら来るのか半信半疑であった。宇宙ステーションこそ、あそこまで大規模な基地にはなっていないが、コンピュータとロボットに関しては、近いところまで来ている。
 私はどちらかと言うと、血の通うアナログ派でデジタルな生活はなるべく避けているのだが、そんなド素人目にもインテル社のCPU・Pentium 、マイクロソフト社の Windows、そしてアップル社のiPhone 、iPad の功績がITの進化に大きく貢献したことはわかる。その進化を仕事に応用、活用できないかと、各業界、各企業は血眼になって各種ソフトウェアを商魂逞しく開発してきた。その利便性追求したものが、検索エンジン、SNS(LINE, Twitter, Facebook)、電子メール、World wide web などである。

 多くの卒業生はITによる明るい未来を期待しているのであろうが、私はご存じのように「天の邪鬼」なので、不安なこと、負の部分のことを書くことにする。犯罪多発、情報の氾濫、プライバシーの侵害、有害サイト、家事放棄、モラルの低下、人間性の劣化、怠惰人間の助長、格差社会への誘因、今頭に浮かんだだけでもこれだけ危惧することがある。
 いい温泉に浸かれるところには、地震や火山がある。技術の進化にどっぷり浸かっていると、大きな地震や大噴火が忘れた頃にやってくるように、たとえば大停電とかサイバーテロのような、社会が大パニックになるような事故や事件が起こるかもしれない。何かを手に入れた時、必ず何かを失っている。何かに夢中になっている時、必ず何かを忘れてしまっている。これが歴史である。
TOP 5  バブル経済崩壊 (1991頃 日本経済)
 実体を伴わないインフレは怖い。中国もそろそろバブル崩壊が近いと言われている。日本も1991年のバブル崩壊(バブルの崩壊を経済学的現象ではなく深刻な社会問題ととらえるときの目安となる時期は1993年頃)からの20余年を「失われた20年」「空白の20年」と言われているが、1980年代後半から、日本の経済に何があったかを50歳未満の世代は、金融・経済を職業としている以外の人は詳しく知らない。それは政府、投資家、金融、一部大手企業によってつくられた虚構経済であった。マネーゲームの世界であった。(そのトリックを知るために「空白の20年」関連の記事をネットで見つけて、読むことを勧めます)
 10億円の美術品が100億になったり、10万円のゴルフ会員権が300万になったりした。株価もそれほど業績のない企業でも、2倍、3倍になった。これは私の親しい友人から聞いた実話であるが、地価がそれまで坪20〜30万の相場だった彼の自宅の土地を、200万で売ってくれないかと言ってきた業者がいたという。私自身も80年代は、バブルのおこぼれを頂戴してよく海外旅行に行かせてもらった。専業主婦までヘソクリで株をやり、朝早くから夜遅くまで齷齪働いている亭主の収入より多額の利益を得たという話はいくらもあった。何しろ1989年の大納会(12月29日)では最高値38,915円87銭を付けたが、1992年2月に20,000円を割ってからは、今日まで一度も20,000円台を回復したことはない。
 現代では日本国の経済の活性化(景気動向)を見るには、株価よりも地価を気にしたほうがよいように思う。人口減少の中、当然土地価格は一般的には下落する。もう、土地の狂乱高騰はないと考える。企業が土地を購入する場合、小売業のような日銭を稼ぐ企業は徹底的なマーケッティング・リサーチをするし、製造業や運輸業は利便性や労働力、ライフラインの完備を調べる。購入した価格で利潤を生み出せるかを第一義に考えて企業は土地購入するので、設備投資は景気の動向をシビアに知ることができる。個人的には土地価格が現状維持であるならば、人口減少の分を差し引いて、悪くない景気動向と考えることにしている。(この記事は、2013.06.21の「グリーン放言」に掲載した「これからの日本は」〜前編〜 の一部を転用・修正した)
TOP 6  山中伸弥氏らによるiPS細胞作製に成功 (2006年 生命科学)
 明るい話題の少ない日本国にあって、この四半世紀の最も明るいニュースのひとつと言ってよい。iPS細胞については多くを語る必要はないと思うが、簡単に言えば「万能細胞」と称されているように、ヒトの神経、心筋、血液など様々な組織や臓器を構成するあらゆる細胞になり得るわけで、臓器が作れるようになれば臓器提供者不足も解消できるし、今まで治療困難だった病気の新薬開発にも応用できる。研究が順調に進展すれば、未来に大きな希望を抱かせる。難病に苦しんでいる人々の前途に一条の光明を差し込む大発見である。この功績によって、山中氏は2010年にノーベル生物学・医学賞を受賞した。
 「生命」という倫理について、このシリーズの#1のselector「今でしょ」君と同じ感懐を私も抱いていた。ソイレントグリーン(1973年上映、主演チャールトン・ヘストン)という映画があった。個人的には今でもB級映画の傑作であると思っているが、25歳の時に観たその映画を思い出した。
 映画のスリーリーは、人口4000万に膨れ上がった2022年のニューヨーク。地球上の全ての土地と同様、ニューヨークは人口過剰と慢性食料不足にあえいでいて、ごく一部の裕福な人を除き、4000万市民の大部分は週1回配給される食品を食べて細々と生きている。この食料はソイレント会社が、海のプランクトンから作っていたが、すでにそのプランクトンさえ激減していた。そこで、同社は「ソイレントグリーン」という新製品を発表したが、やはり品不足から配給が思うようにいかず、仕事も家もない市民の不平不満は一発触発の暴動の危機をはらんでいた。そんな中、ソイレント会社の幹部の1人ウィリアム・サイモン(ジョセフ・コットン…この俳優はオールドムーヴィー・ファンには有名)が自宅で惨殺された。実は「ソイレントグリーン」の食材は…、ここから先の話が面白いのであるが、300円のネット配信で観る人もいるかもしれないので、あらすじはここで止めておく。
 命は始まりがあって終りがある。有限だからこそ、みんな努力をし、我慢をし、喜び、楽しみを抱いて生きている。誕生して青春 朱夏 白秋 玄冬と移りゆく人生を経験して死を迎え、次の命(世代)へ継ないでいく。これが命であると思って生きてきたが、不死の命になったら…、私にはわからない。ただ、言えることは何となく「ソイレントグリーン」が描く社会になるのではないかということである。
 山中伸弥氏は好きな科学者の一人であるが、最後に彼の「生の倫理観」が素晴らしく、頭に残っているので、この言葉で締めくくりたいと思う。「人間は全てを使い尽くして死を迎えることは素晴らしいことだと思います。しかし、若くして臓器や組織のある一部だけが不全で死を迎えたり、障害を抱えたりして生きている人は不幸なことです。このような人たちに役立ちたい気持ちで研究を続けています。生の倫理は、政治家や研究者などの一部の人たちの考えではなく、国民全体のconsensus で決めてもらえたらと思っています」 独立行政法人という名の下で税金の無駄遣いと揶揄されている「理化学研究所」の似非科学者達とはずいぶん違う。
TOP 7  自民党大敗による政権交代 (2009年 国内政治)
 1955年(私が7歳の時)から与党の自民党と野党の社会党という構図が1990年前後まで続いた。それ以降急激に社会党は議席を減らし、自民党は細川護煕の連合内閣(なんと8党の無理やり連合内閣・1993年)発足で野に下ることになるのだが、それまでの自民、社会の政党システムを「55年体制」と呼んでいる。しかし、その細川政権は1年も持たずに、総辞職。また自民党政権に戻り、やっと2009年に民主党が悲願であった政権交代を実現する。
 2009年の総選挙は、国民の多くが「停滞した日本を何とかしてくれ」という思いであった。日本の選挙史上で過去最高の数字をいくつか記録した圧勝であった。それなのに、あの体たらく。酷すぎた。元凶は鳩山由紀夫と小沢一郎。滑り出しから悪かった。詳しいことを書きたくもない。虫唾が走る。案の定、次の総選挙では国民から総すかんを食らってあの惨敗。
 自民党政権になったら、また箱モノ、コンクリートの政治が始まり、大企業、官僚べったり、バラまき、トリックの政治に逆戻り。安倍晋三(阿部慎之助ではない!)は祖父になる岸信介、その弟佐藤栄作が総理大臣をしていた50年前の政治を復活させようと躍起になっている。傲慢な強い日本を目指している。しかし、人口ピラミッドは基礎体力のある形をしていない。そして何よりも、70〜80年代のように底辺で日本を支えた団塊世代の労働力を、精神的にも肉体的にも現代の若者に求める時代ではなくなっている。
TOP 8  東欧諸国での社会(共産)主義体制崩壊 (1989年 国家)
 40歳以上の卒業生が、中学、高校で地理、公民、政治経済を勉強していた頃、おそらく社会主義国はソ連(現ロシア)を筆頭にアフリカなどのあまり知られていない国々まで数えると、50カ国前後あったのではないか。そもそも社会主義国の定義自体が曖昧で、共産党が政権を握っていても、それだけでは社会主義国には入らない。その国の憲法に社会主義を謳っているとか、一党独裁体制であるなどの条件で区別することが多い。現在では中国、北朝鮮、ベトナム、ラオス、インド、キューバ、そして内戦の続いているシリアの7カ国しかない。
 このような国々も、そのほとんどが経済的には政府統制の自由主義政策、あるいは資本主義政策を取っている。社会主義国の中にロシアがなくて、インドがあることに驚いた人もいるだろう。インドは社会主義国でありながら、20年以上も前に経済の自由化をいち早く取り入れたので自由主義国と考えられがちだが、特定の政党による「指導」を言明していないが、社会主義国であることは憲法にしっかりと明記されている。
 社会主義体制の崩壊は、まずポーランド、ハンガリーの民主化、自由選挙運動に始まる。翌年の1990年に、東西ドイツ統一。91年には社会主義国総本山のソ連も崩壊。ここにコメコンやワルシャワ条約機構の下でのソ連圏社会主義国家は全て終焉した。この東欧諸国の社会(共産)主義体制が数珠つなぎに崩壊するきっかけになったポーランド、ハンガリーの民主化運動を「東欧革命」と呼んでいる。
 なぜ崩壊したのか。簡単に言えば、独裁政治をやり続け、規制、服従を強いて国民の自由を奪い、経済が行き詰まり、国民を貧困に追いつめたことが原因である。現代国家の政治の全ては、直線上の両端を「自由と平等」、「資本と共産」、「個人と社会」という対立する二点を究極点とした直線上に、環境、経済、産業、福祉、外交、税負担などの諸問題を、このどこかに点を打って政策を施している。だから、○○主義国というのは便宜上の分類にすぎない。
TOP 9  オウムによる地下鉄サリン事件 (1995年 社会)
 狂気教団、極悪人非団体、冷血集団、…辞書に載っている悪人につける全ての言葉を並べても事足らない。アメリカなどではオカルト教団内での集団自殺とか、リンチ事件とかのニュースを何度か耳にしたことはあったが、ボアという名目のもとで敵対視する一般市民を殺害するという恐るべき邪義を実践した。
 教団最初の事件は1989年の男性信者殺害。その後の殺害事件を時間軸で並べていくと、弁護士一家殺害事件、男性信者逆さ吊り死亡事件、薬剤師リンチ殺人事件、松本サリン事件、男性信者リンチ殺人事件、会社員VXガス殺害事件、公証人役場事務長監禁致死事件、あのそして地下鉄サリン事件。
 その2ヵ月後に麻原彰晃こと松本智津夫が山梨県上九一色村教団施設内で逮捕された。逮捕された時のあの教祖の品のないオッサン顔が忘れられない。
TOP 10 米国での同時多発テロ (2001年 イデオロギー)
 イスラム諸国(特にアルカイーダ)から米国がなぜ憎悪と復讐の対象となっているのか。世界史を遡って考えてみると、対立が激化したのはスペインがイスラム勢力によって支配され、そのイスラム勢力を追い出して再びキリスト教国にしようとする運動に始まる。それはなんと約800年続き1492年まで続く(レコンキスタ)。その間の1071年〜1272年にわたって、中学の教科書にも載っていた、聖地エルサレムをイスラム諸国から奪環する十字軍の遠征があった。近世になってからは、イスラム圏の全てはアングロサクソン族の植民地として支配され、石油資源を奪われた。そして1991年の湾岸戦争の怨念である。イスラム教の聖地メッカ、メジナのあるサウジアラビアに米軍が土足で侵入駐留し、アラブの民間人多数が犠牲になった。しかし、これはイラク軍が隣国クウェートに軍事侵攻したからであり、国連が多国籍軍としての派遣を決定したからであるが…。
 何よりもの最大の原因は、第2次世界大戦後にユダヤ人がイスラエル建国を宣言し、米国がずっとそれを支援し続けたパレスチナ紛争にある。そして中東イスラム圏は、米国が軍事的に経済的に世界をリードし我が物顔で世界中をのし歩いているのが面白くない。そうなるとイスラム狂信者はテロしかないという発想なのであろうか。
 現実的には、イスラム圏で反米を公然と掲げているのは、イラン、シリア、レバノン(のイスラム勢力)くらいで、これらの国はアメリカがイスラエルを支援しているという理由で、宗教的な理由ではないようだ。エジプト、ヨルダンはアメリカと距離を取っているが、それほどの反米ではない。サウジアラビアは親米であり、中東イスラム圏が反米ではあっても反欧でないことを考慮すると、必ずしもキリスト教 vs イスラム教という構図にはならず、米国が中東に何かとしゃしゃり出てくることが面白くないということで対立しているというのが的を射ているようだ。
TOP 次 JR宝塚線脱線事故 (2005年 事故・企業経営の重過失)
 半世紀近く(1963年以降)国内では100名を超える死者数の鉄道事故はなかった。日本の鉄道は世界一安全な乗り物と言われてきた。新幹線による死亡者0も続いている(本当は三島駅での高校生引きずり死亡事故とか数件の自殺もあったようだが…)。JR側の言い分は、普通に乗っていれば「走行中の死亡事故は0ですよ」ということである。
 東日本大震災の時も、福島県から岩手県にかけて10本の新幹線が走行していて、そのうち5本は時速270kmであったのだが、全てが緊急停車し、脱線や転覆事故は1件起こらなかった。新幹線には自動列車制御装置、列車運行集中制御装置、地震警報システム、振動制御など、いたるところに最先端の科学技術が駆使されている。
 それなのに、どうして一方では宝塚線脱線事故のような痛ましい事故が起こるのか。国営から民営化による営利優先(私鉄との競合)、過密ダイヤ、国鉄時代から綿々と続いている体質や労使のいがみ合いが原因と言われている。JR北海道に至っては昨年の暮れから次から次へと保安点検の隠蔽、改ざんが露呈して、ついには国の管理下に置かれる始末である。
 儲かる路線には安全対策するという経営陣の安直な発想。運転手や保安員をはじめとする従業員の安全意識の希薄さ。「命を預かっている」という倫理意識の低レベル企業が生んだ人的事故といえる。

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