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老いる

も昨年の誕生日で高齢者の仲間入りをしました。「ジジ―」になったということです。高齢者を65歳以上と定義付けたのは、人口調査等で国際比較ができるようにと国連が決めたようです。近年、身体能力の高い高齢者も増えており、高齢者の再定義が浮上していますが、個人的には何歳以上だろうと関係ないと思っています。心の中では「俺はもうジジ―なんだ」と認知しながら(それのが気楽ですから)、対人的には「50、60歳のヤツにはまだ負けない」という気概を持ち続けたいと思っています。
 グリーン放言のタイトル写真も変えてみました。昨年の夏に撮った実年齢65そのものの写真です。昨年まで使用していた写真はおそらく57〜8歳の頃のものだと思います。当時はまだ250〜60yards(1ヤードとは約90センチ)くらいのドライバーの飛距離があったのですが、この頃は230yards くらいしか飛ばなくなってしまいました。ゴルフの飛距離は55才くらいから年ごとに何ヤードずつか飛ばなくなると聞いていましたが、身をもってそれを体験してきました。すなわちゴルフを通して「歳を取った」という現実を思い知らされてきたということです。
 2010年の秋にバラの栽培を始め、ゴルフコースに通う回数もグッと減り、3年前、2年前は年間20回に満たないラウンド数まで減りました。昨年は30回程度になり月2〜3回のペースに戻りましたが、身体面では筋力が少なくなり、可動域が小さくなり、芝目の読みが悪くなり、精神面では諦めが早くなり、学習してもすぐ忘れ、頑張りも利かなくなり、諸行無常を感じています。
 飛ばなくなると、飛ばそうとするのが人情です。しかし、それがミスを生みます。ゴルフはミスをいかになくしてラウンドするかの競技ですから、当然ミスが多ければスコアも悪くなります。ゴルフに馴染みのない人に説明しておきますと、男子プロのトーナメントは平均7000yards、男子シニア(50歳以上)は平均6700yards、女子プロのトーナメントでは平均6400yards の距離(yardage)をいかに18ホール、72回でラウンドするかという、スポーツにしては珍しく男女・年齢によって競技する基準が異なっています。
 今までは決まったクラブでグリーンを狙えるはずだったホールが、正確性が低くなる長いクラブを使わなくては届かなくなってきました。歳を取って1割程度飛距離ダウンしたことを忘れ、根が馬鹿ですからブンブン振り回して対処しようとしていました(これはゴルフでは墓穴を掘ることになります)。そんな愚かな私もようやくそのことに気付き、自分の飛距離に合ったyardage でゴルフを楽しむことにしました。前述しました18ホールの合計距離を5%削減して、6200〜300yards前後でプレーするようにしました。すると70台も時々出るようになるのです。そうすると人間とは単純なもので嬉しくなり、回数も増えてきたのではないかと思っています。体力、筋力維持のため、もうしばらく年相応のゴルフを楽しめそうです。
 一般的に、「老化」とは身体の成熟が終了した後におこる生理機能の衰退を意味し、外界からの様々なストレスに適応する能力の低下として認識されています。時の流れるスピードはすべての人に同じであり、同じ日に生まれた人は同じスピードで加齢し、常に暦年齢は同じです。しかし、成長のスピードに個人差があるように老化のスピードにも個人差があり、また組織や細胞の種類によって老化のスピードは異なってきます。
 遺伝も大きな要素になるのでしょうが、幼い頃の親の背中や教育、日常生活の過ごし方、本人の性格・思考、あるいは友人や居住などの環境が、それ以上に老いを早める原因になります。その人の生活のリズムや態度によって年齢を重ねることに、y=ax ではなくy=ax2 で「若さ」と「老い」の境目は変わってくると常々考えています。50歳を過ぎた頃から、自分より10歳年下の人が自分より老けて見えたり、逆に10歳年上の人が自分より若々しく見えたりすることはよくあります。
 新年を迎えると、「今年こそ日記をつける」「勉強頑張るぞ」「○○に挑戦する」と、若い頃はそんな健気さを待っていました。三日坊主で終わってしまうことが多くありましたが、それでもそんな心になることが貴重だったと思っています。歳を重ねてくると、身体が思うように動かず、思考は固まり、行動することが億劫になり、そこから老化が始まります。
 このHPにアクセスしてくれている卒業生の皆さん、いくつになりましたか? 多くの人が40を超えているでしょう。私と一回りしか違わない人たちは疾うに50を過ぎています。これからの人生、老化のスピードを遅くするにはどのような生活をしたらよいのかを考えてみてください。
 Anti-aging 対策はシワ・シミ・タルミ、白髪・薄毛などを気にすることではなく、心・知・体の総合的ケアーを気にすることです。ストレスを少なくし病気しないで元気に明るく暮らすことが一番のAnti-aging対策です。「灯台下暗し」で、あなたにとっての楽しいこと、安らぐこと、潤いは身の回りにたくさん転がっています。興味、気力、行動を維持しないと、心も、身体も、頭脳も固まってしまいます。これが老化の一番の敵です。
 みなさん、今年は「老いない生活」をこの一年心がけてみてはどうでしょうか。ここで新年のご挨拶をひとつ。「元気なまま亡くなることをピンピンころり。病気を繰り返し死んで行くのはネンネンころり」

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