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ウォーキング その2

年も370万歩歩いた。年間365万歩歩くことを意識するようになって今年で4年目になる。昨年までの3年間で歩いた距離は1100万歩。1歩幅を約70Cmとして計算すると7700Kmになり、青森から下関まで日本海伝いに2往復半したことになる。ウォーキングを通して日々の積み重ねの大きさを知る。
 内臓疾患からではないと思うが、年毎に身体のあちこちにガタがきていることに悲哀を感じている。朝起きると、原因不明の関節や筋肉の痛みを感じることが多くなった。前日ゴルフをしたり、2万歩歩いたりしても痛みを感じないときもあるし、何もしないで寝そべっての一日や、デスクワークで座っているだけの一日でも、翌日突然背骨が痛くなったり、膝が曲がらなくなったりする。
 寒さ、湿気などの気象条件に影響されやすい身体になってしまっているのだろう。ひどいときには整体師の斉藤君に相談する。「先生、一回診ましょう。近いうちに来てください。」と言われるのであるが、2〜3日すると治ってしまう。長くても1週間も放って置くと痛みがとれる。自己治癒力がまだ働いていることは嬉しいが、部位も頻度も多くなり、痛みも増している。
 こんなときは肉体活動が億劫になる。できる限り日常活動の中で1日1万歩に達するように生活しているのであるが、身体活動の少ない日は1日2〜3000歩にしかならない。家庭が仕事場である人間は往々にそうなりがちである。ウォーキングのほかに、筋力維持やストレッチのエクササイズも生活のなかに取り入れようかと考えている。仕事、趣味、買い物などの日常生活の中から健康を維持することが理想と考えているが、歳をとると身体が言うことを聞かなくなり、なかなかそうもいかなくなっている。
 定期的に何かスポーツ、特に球技のような持久力、瞬発力、平衡感覚を必要とするスポーツをしていると、体力の減退をしみじみ知らされる。ドライバーも年々飛ばなくなっている。55歳くらいまでは芯に当たると250ヤードくらいは飛んでいたのに、今は230ヤードがやっと。20〜30mの谷底にボールを曲げると、フェアウェーに戻ってきたときが大変。「ハー、ハー、ハー」息が切れて、正常の呼吸数に戻るまでかなりの時間がかかる。そんな中、体力の減退が歳を追い越さないようにすることが健康維持の第一歩と考え、楽に済ませたい心に負けないように日々老体にムチ打っている。
 神奈川新聞に、全国で一番よく歩いているのは神奈川県の男性(20歳以上)であるという記事が載っていた。女性も全国第3位である。肥満者の割合も男性(20〜69歳)、女性(40歳〜69歳)ともに全国平均を大幅に下回っている。記事を読んで意外に感じたことであるが、全国的に都市部のほうが地方部より一日の歩数が多く、肥満者も少ない傾向にあるという。都市部では通勤などの移動に電車を利用し、自宅から最寄の駅まで、あるいは駅から会社まで思いの外歩いているのだそうだ。それに対して地方部では車の利用が多く、マイカー出勤者は自宅から会社までほとんど歩かなくて済むからだという。買い物にしても1Km圏内にスーパーや量販店があれば、散策がてら歩いて行こうということになる。確かに北海道などを見ても、札幌のような大都市を除くと公共交通機関が廃止され、自家用車を持っていないと広大すぎる大地では生活できない。人口がそこそこ多くて緑の多い新興都市は、歩くことを習慣化している人には健康に適した生活環境になっているのかもしれない。
 このように考えてみると、横浜市青葉区(※塾の行事でオリエンテーリングをした「こどもの国」、クイズバス旅行のチェックポイントだった「江田(荏田)」・「たまプラーザ」辺り)が男性の平均寿命日本一の長寿地域であることが納得できる。横浜市北部は今でも人口の増加が続き、鉄道網も整備されている。東名高速道路で通過するだけで、ここ何年も訪れたことはないが、10年、20年前には緑も多かった。長寿だけでなく健康な人も多い街であるなら、おそらく電車通勤のサラリーマンが多く、生活の利便性が高く、ここ彼処に自然が残り空気もおいしい街なのだろうと想像する。
 自宅から小田原に行くとき、東海道線沿いに国道1号から青橋に抜ける300mのトンネルが掘られ近道ができたが、どうもトンネル内の排気ガスや騒音が気になり好きになれないでいる。急いでいないときは、山を越えたり、城址公園内を抜けたり、敢えて海沿いの道を選んだり、緑の多い道を歩くようにしている。ウォーキングは健康維持のためだけでなく、四季折々の景色とおいしい空気が何よりもの楽しみである。
 ウォーキングに限らずphysical exercise(身体を動かすこと)はecology economy両面ばかりでなく、最高の健康維持活動と考える。ほんの数百mを移動するのに車を使う人、家の中でごろごろ寝そべってTVばかり見ている人が多くいるが、このような人が購入する車やTVに政府はeco-point をつけている。経済活性化の上での必要性は十分わかるが、どこか違う気がする。このような不摂生な人間は病気になる確率も高く、逆にego-point を科すべきである。病院に行かない健康な人こそエコ人間であり、自動車保険が無事故を続けると保険料が年々減額されるように、健康保険も病院に行かない人には減額したりeco-point を給付したりすべきである。
 ヨーロッパの国々では健康維持のためwalking jogging cycling の環境整備が盛んに進められている。郊外だけでなく街中でも、車道・サイクルロード・車道の区分までなされている都市がある。そのため自転車通勤がかなり増加しているらしい。病気になった後のことばかり考えず、病気にならない環境整備と啓蒙が必要と考えての政策なのであろう。医療費の増加抑制にもこのような逆転の発想が必要であると思う。狂い始めている日本人でも、人生で一番大切なものは何かと尋ねられたら、ほぼ全員が「健康」と答えているのだから。

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