V1 John Renbourn Group In Concert (1991) SHANACHIE RAMBLIN' 8022


V1 John Renbourn Group In Concert

John Renbourn: Guitar,Vocal
Jacqui McShee: Vocal
Tonny Roberts: Flute,Recorder
John Molineux: Dulcimer,Mandolin (3,7), Fiddle (5,12,13)
Keshav Sathe: Tabla 


1. A Maid On The Shore  R12 R16 Q15
2. English Dance *  R13 R14 R17 R19 R20 R25 V2 V5 V7 V8 V9 K1 K3 K5 
3. Lindsay [A. Fisher]  R17 R19 R20 R24 R25 V5 V9 K3
4. Douce Dame Joli [Gullaume De Machaut]  R16 R18
5. The Fair Flower Of Northumberland  R19
6. Farewell Lady Nancy  R19
7. John Dory  R19 
8. The Cruel Mother  R19 R27 V9
9. Breton Dance *  R19
10. a Pavane  R16 R18
   b Tourdion *  R16 R18
11. Ye Mariners All  R19
12. John Barleycorn  R10 R12 R13 R19
13. My Johnny Was A Shoemaker  R6 R10 R12 R27 V9

〔楽譜掲載〕2. K1 K3 G4 G6 G8 F4, 3. K3

6,8はレンボーン不参加
特記ない場合はトラディショナル

        

1981年アメリカ・オハイオ州でのコンサートの実況録音。撮影や録音も満足すべきレベルで、グループの魅力を十分に楽しめる。本作はフランス・ブリュターニュ地方出身のマルチ奏者ジョン・モノリューがメンバーの時期に収録されたもの(欲をいうと美人女性フィドル奏者スー・ドレハイム在籍のほうが良かったな〜)。彼はダルシマー、マンドリン、バイオリン等なんでもこなす人で、特にフィンガースタイルで弾く(!)、ダルシマーは凄い。マルチ・リード奏者トニー・ロバーツは大学教授のような容貌でアカデミックな雰囲気に満ちている。ただ本作ではTシャツというラフな恰好で、何だかアンバランスで面白い。ジャッキー・マクシーはローラ・アシュレイ調のドレスを着て田舎のオバサン風。ケシャヴ・サテは真ん中にデンとすわり黙々とタブラを叩く。そしてジョン・レンボーンはデニムのシャツを着て、もじゃもじゃのあごひげで貫祿十分。使用ギターはお馴染みギルド D55(ただし 1.のみもう 1台の別のギルドを使用している)。

1.「A Maid On The Shore」はジャッキーが目を閉じながら淡々と歌う。トニーのフルートは本当に深みのある演奏だ。ジョンは淡々と弾いている。2.「English Dance」は本作唯一のジョンの単独演奏。ギルド D55によるソロを楽しめるだけでも十分な価値あり。その間黙って聴いているジャッキーが足でリズムをとっており、音楽に対する敬意が感じられて微笑ましい。3.「Lindsay」はジャッキーのハーモニー・ボーカルとマンドリン、フルートが加わり賑やかな演奏。モリニューのマンドリンはラウンド・バックの古風な感じのモデル。4.「Douce Dame Joli」はモリニューのボーカルとフィンガーピッキングによるダルシマーがメインの演奏。トニーはおかしな形をしたカズーのような音の笛やレコーダーを持ち替えて吹く。5.「The Fair Flower Of Northumberland」はふたたびジャッキーのリードボーカルで、トニーの演奏するバグパイプのミニチュアのような楽器が面白い。本作で彼はフルートの他に様々な民族楽器を演奏してくれる。モリニューはフィドルを演奏。6.はモリニューの単独演奏による弾き語り。7.「John Dory」はジョンのリードによる男性3人の輪唱形式で歌われる面白い歌。8.「The Cruel Mother」はジャッキーの無伴奏ソロによるスコットランドのトラッド。9.「Breton Dance」はモリニューのダルシマーがメインとなったブレトン(フランス、ブリュターニュ地方)のダンスで二つのパートからなる。10. a「Pavane」は4人のコーラスによる重厚な演奏で、そのままインストのダンス曲b「Tourdion」に移る。酒飲みの歌という 11.「Ye Mariners All」は4人のアカペラ・コーラス。12.「John Barleycorn」は大変有名な曲なので、観客から起きる拍手も一段と大きい。輪唱形式で素晴らしいハーモニーを聴かせてくれる。途中の間奏はR5の「La Rotta」のメロディーが引用される。最後の曲 13.「My Johnny Was A Shoemaker」はR6、R10でお馴染みの美しいトラッド。トニーのフルートを始めとするグループの演奏能力の高さを見せる。

CDで発売されたR18 とほぼ同時期の録画のため、かなりの曲が重複しているが、同グループのパフォーマンスを映像でじっくり楽しめる本作は、やはりファンにとって貴重品だ。


V2 John Renbourn And Stefan Grossman In Concert (1991) SHANACHIE RAMBLIN' 805


V2 J. Renbourn & S. Grossman In Concert





John Renbourn: Guitar (Solo 3〜6)
Stefan Grossman: Guitar

1. Loopers Corner * [Grossman]  R11 R20 V4
2. The Shoes Of The Fisherman's Wife Are Some Jive Ass Slippers *[C.Mingus] R11 R20
3. a Judy * [Renbourn]  R1 R3 R20 K1 K2
  b Angie * [D. Graham]  R1 R13 R20 K2
4. White House Blues  R7 V7 K2
5. Trotto *  R6 V7 K5
6. The English Dance *  R13 R14 R17 R19 R20 R25 V1 V5 V7 V7 V8 V9 K1 K3 K5
7. Goodbye Pork Pie Hat * [C.Mingus]  R20 T1 T3 T17
8. Candy Man  R1 R3 R13 R20
9. Spirit Levels * [Renbourn, Grossman]  R11 R20 Q15 Q16 V3 V4
10. Take A Whiff On Me

〔楽譜掲載〕1. G7, 3.a K1 K2 G2 G3 F1, 3.b K2 ,4. G1 K2, 5. G2 G3 G8 K5
      6. K1 K3 G4 G6 G8 F4, 8 G1

特記ない場合はトラディショナル


写真上: オリジナル・ビデオ
写真下: 再発DVD


シャナーキーのランブリン・シリーズのひとつとして発売された本作は、1982年オハイオ大学におけるライブ録音。グロスマンはお馴染みのユーノフォン(シカゴのラーソン兄弟の製作によるヴィンテージ)を通常のマイクで、レンボーンは日本のアリア製のエレコード FE-6 (レンボーンによるとチープなギターと言っているので、特別製ではなく当時の安価な普通のモデルを使っていると思われる)を使用し、ピエゾ・ピックアップと通常のマイクの両方で音を拾っているようだ。

1.「Loopers Corner」、2.「The Shoes Of The Fisherman's Wife.....」は比較的さっぱりした演奏。2曲終わった後にレンボーンが退席、グロスマンが3曲(「Struttin' Rag」「The Assassination Of John Fahey」「Tightrope」) ソロで演奏する。次にレンボーンのソロ。いすに座り右足を左足の上に組んで、あぐらをかいているかの様な独特の姿勢で、目を閉じ時どき首を振りながら一心不乱にピッキングする。 3.「Judy/Angie」 はデイヴィー・グラハムのスタイルによるメドレー。4.「White House Blues」はアメリカのマッキンレー大統領暗殺を歌ったバラッドで、動きの速いスリー・フィンガーと淡々としたボーカルに味がある。 5.「Trotto」は「The Lady And Unicorn」R6 のオリジナルよりもずっとアグレッシブでテンポの速い演奏。ほぼ切れ目なくお得意の 6.「The English Dance」の演奏に写ってゆく。

ここでグロスマンが再び加わり演奏が続く。7.「Goodbye Pork Pie Hat」はバート・ヤンシュとのデュエット演奏 T1で名高いスタンダードだが、グロスマンの頑張りでオリジナルに勝るとも劣らない出来。ビデオのジャケットに曲の表示がない 8.「Candy Man」を演奏する際、グロスマンが「いまからビージーズの真似をします。私がバリー・ギブの役をするんですよ」と言ってお客を笑わせる。ギターはレンボーンがカポ 5フレット、グロスマンがカポなしのフラット・ピッキング。ボーカルはレンボーンが男性役、グロスマンが先程の冗談通り素晴らしい(??)ファルセット・ヴォイスで女役を担当する。本曲は両人とも過去のソロアルバムでの録音があり、そういう意味で両者のルーツの接点の位置付けをなすものと言えよう。二人ともとても楽しそうに演奏している。 9.「Spirit Levels」は同曲の他のバージョンと全く異なるレンボーンのソロが聞け、完全なインプロヴィゼイションであることを物語っている。グロスマンのフラット・ピッキングのリズムもバージョンごとに微妙なニュアンスの違いがあり聞いていて面白い。レンボーンはリード・ソロをとりながら、ボディサイド上部にあるボリュームつまみに手をやり、神経質そうに音量の調節をするところがカッコイイのだ。最初と最後のグロスマンのテーマもロック調のピッキングでなかなか決まっている。最後の曲 10.「Take A Whiff On Me」はグロスマンの愛奏曲でレンボーンの演奏は初めて。グロスマンが観客にサビの部分を一緒に歌う様アナウンス。フラット・ピッキングで歌うグロスマンの歌はガッツがありとても良い出来。歌詞の第2番はレンボーンがリード・ボーカルを担当。間奏ではレンボーンのリードソロがばっちり決まり、グロスマンがブルーグラス・ギター調のソロを披露する、なかなか乗りのよい演奏。

全体的な印象として、本作の観客が比較的冷静なため、ライブとしてのエキサイティングな臨場感にちょっと欠けている感じがする。でも録音や演奏は良いので、まあしょうがないか。


V3 More Hot Fingerpicking Guitar Solo (1994) RITTO MUSIC RITTOR-16


V3 More Hot Fingerpicking Guitar Solo
[Stefan Grossman]

John Renbourn: Guitar
Stefan Grossman: Guitar (3)

1. Sweet Potato
2. Abide By Me
   Great Dream From Heaven
3. Spirit Levels (間奏のみ抜粋)

Recoeded By RAI TV, Itally


[Stefan Grossman, John Renbourn, Bruce Cockburn Live 1984]

John Renbourn: Guitar
Stefan Grossman: Guitar(bcde)
Bruce Cockburn: Guitar,Vocal(e)

a. Abide By Me  R22 R24 Q32 V5 V8 V9 K2
  Great Dream From Heaven  R17 R18 R20 R22 R24 R27 R29 Q32 V5 V8 V9 K2
b. Sweet Potatos     R5 R11 R20 R24 V5 V7 K1 K2
c. Spirit Levels (完全版)  R11 R20 Q15 Q16 V2 V4
d. Mississippi Blues No.3  R15 R20
e. Won't Somebody Tell Me (仮題)

〔楽譜掲載〕 a K2, b K1 K2, c G7


イタリア北部のリムニで、数千人の聴衆を前に、現地の国営放送 RAIにより1984年に収録されたテレビ番組。市販バージョンではグロスマンの教則ビデオ(教材曲「Tightrope」) のレッスンの合間の模範曲として収録された。そのため各曲がばらばらに収められている。一方別ソースによる映像を観ることができたが、画質は劣るものの以下の点で市販版に勝っている。

1. 市販版と異なり、バラバラでなく切れ目のない収録。

2. 市販版では収録されていない曲 (d,e) あるいは完奏版 (c) を見ることがきる。特に「Won't Somebody Tell Me」(仮題= 正確な曲名は不明)は、いかにも即席という感じの、非常にラフなセッションであるが、グロスマン、レンボーンとブルース・コバーンとの共演という非常に珍しい取り合わが楽しめる。

3. 曲の合間でグロスマンによる流暢なイタリア語の司会を耳にすることができる。(彼は以前イタリアに住んでいたことがあるため、特に不思議はないけど。聴衆は大受け!)

面白いのは観客の熱狂的反応で、手拍子やリズムに合わせて身体を揺すったり、その大変アグレッシブな反応はいかにもイタリア人らしい。それに触発されたレンボーンの演奏も通常に増して素晴らしい乗りを見せる。なおレンボーンの使用ギターは日本製のアリア・エレコード。


V4 A Retrospective 1971-1988 (1996) TAB TAMT-00011

V4 A Retrospective 1971-1988





[Stefan Grossman]

Stefan Grossman : Guitar
John Renbourn : Guitar

1. Spirit Levels [Renbourn, Grossman]  R11 R20 Q15 Q16 V2 V3
2. Looper's Coner [Grossman]  R11 R20 V2

Recorded At Sweden, 1988

〔楽譜掲載〕2. G7


写真上: オリジナル・ビデオ
写真下: 再発DVD
ステファン・グロスマンのオムニバス・ビデオ。ジョンの「Rare Performance」1996 V7 と同時に発売された。1971〜1988年までの映像が収められていて、グロスマンとレンボーンのデュエットは 1988年スウェーデンにおける収録。この映像は「Rare Performance」V7収録の「'Round Midnight」と同じコンサートでの収録。1988年というと、ふたりの演奏では後期に属するため、かなり手馴れたプレイが楽しめる。1.は伴奏とソロが交互に入れかわる構成の曲だが、他のバージョンよりもフリーな感じ。グロスマンはフランクリンのジャンボ・カッタウェイ、レンボーンは同じくフランクリンのOMモデルを使用。


V5 John Renbourn In Concert (1992) S .Grossman's Guitar Workshop GW816








John Renbourn: Guitar, Vocal

1. Sweet Potato * [Bokker T.Jones]  R5 R12 R20 R24 V3 V7 K1 K2
2. a Abide With Me *  R22 R24 Q32 V3 V8 V9 K2
  b Great Dreams From Heaven  R17 R18 R20 R22 R24 R27 R29 Q32 V3 V5 V8 K2
3. Lord Franklin  R24 T5 T10 V7 K2
4. Little Niles * [R. Weston]  R24 R25 R27 R28 Q25 V7 K4
5. Lindsay [A. Fisher]  R17 R19 R20 R24 R25 V1 V9 K3
6. From Sandwood Down To Kyle [D. Goulder]  R23 R24 V9 K3
7.  a The South Wind *  R23 R24 R25 R26 R27 V8 V9 K3
   b The Blarney Pilgrim *  R15 R24 R25 R27 V8 K3
8. Kokomo Blues  R7 R12 R13 R27 V9
9.  a Lament For Owen Roe O'Neill *  R9 R13 R20 R24 R27 V7 K3
   b Mist Covered Mountain Of Home *  R14 R17 R20 R24 V7 K1 K2 K3
   c The Orphan *  R13 R14 R17 R24 K1 K2 K3
10.  a Bunion's Hymn *  R25 R26 V8 V9 K3
    b I Saw Three Ships *  R25 R26 Q20 V8 V9 K3
    c The English Dance *  R13 R14 R17 R19 R20 R25 V1 V2 V7 V8 V9 K1 K3 K5
11. Cherry * [D. Brand]  R22 V7 K3 K4

〔楽譜掲載〕1. K1 K2, 2. K2, 3. G1 K2 ,4. K4 F7,5. K3, 6. K3, 7. K3 F7, 9.a G4 F5
      9.bc K1 K3 G6 F4, 10.ab K3, 10.c K1 K3 G4 G6 G8 F4, 11 K4 F7


写真上: オリジナル・ビデオ
写真下: 再発DVD



1990年カナダのトロントにおけるコンサートの録画で、約75分にわたりレンボーンのソロをたっぷりと味わうことができる。使用ギターはフランクリンの OMモデルで、サウンドホールにマイクを取り付けているが、コードはサウンドホールから外に出してつないでいる。そして別途普通のマイクでも音をひろい、ミックスしているようだ。1.「Sweet Potato」は右手をフルに動かして、自由なインプロヴィゼイションを展開、盛り上がった所で「イェー」と声を挙げて自己を鼓舞、初めの曲で早くも汗ビッショリ。 2.「Abide With Me Great Dreams From Heaven」でも目を閉じ、指板を全く見ずに思い入れの表情を浮かべながら弾きまくる。賛美歌のアレンジであるが、途中いかにもレンボーンらしいブルージーなアドリブがちょっと入る。3.「Lord Franklin」は高音ドローン弦が効果的なイントロから始まる弾き語り。

4.「Little Niles」は南アフリカのジャズ・ピアニスト、ダラー・ブランドによるランディ・ウェストンの曲を編曲したもので、はじめはとっつきにくいが聴けば聴くほど味わいの深いもの。テーマの部分でタッピング・ハーモニクスがちょっとだけ出てくる。途中はインプロヴィゼイションのパートもあり、自由な演奏が楽しめる。5.「Lindsay」はカイザー製のカポを4フレットにつけての演奏。ちょっと崩して演奏したり、途中のアドリブの部分等、かなり自由奔放な演奏。6.「From Sandwood Down To Kyle」はフェイズ・シフターをかけたサウンドで、これも途中の長いインプロヴィゼイションが凄く、音によりピッキングのニュアンスを微妙に変えて変化をつけている。7.「The South Wind The Blarney Pilgrim」はアイリッシュ・テューンのメドレーで、演奏中にアンプのボリュームを調節したり、余裕の感じられる演奏。途中少しとちって「イェッ〜」と苦笑い。8.「Kokomo Blues」は「Faro Annie」1971 R7 とほぼ同じギターパートでアップテンポによる面白いサウンドのブルース。今まで楽譜になったことはなかったが、ファンのリクエストにより生前の彼のホームページにTAB譜が掲載された。

レンボーンの声は年をとってずいぶん太くなったなぁ。

ここでカットが入り、9. のメドレーが演奏される。「Lament For Owen Roe O'Neill」はフェイザーがかかったサウンド。「Mist Covered Mountain Of Home」からは生音に戻って演奏。もう汗ビッショリで、したたり落ちている。ちなみに当時のレンボーンは髪を比較的短く切っている。最後の曲ですと言って、10. のメドレーを演奏するが、かなりリラックスして難しい曲を易々と弾いている。いったん退場の後にアンコールで11.「Cherry」を披露。途中のインプロヴィゼイションのパートでは、バンジョーのフレイリング奏法のようなサウンドを出している。自由なインプロヴィゼイションを気持ち良さそうに弾き、思わず「イェッ〜」と掛け声まで飛びだしている。

ギターの音が少しエレアコっぽいが、それなりに録音は良く、カメラワークも変化があり丁寧。指板のクローズアップもしっかりあり、ファンにとって十分に楽しめる作品であろう。