その他断片 (2000年代) 


様々な音源、映像などをここで紹介します。なおここで述べられている情報の一部につきましては、間接的なものであり、その真正性につき完全な裏付けはとれていないので、ご注意ください。

Rock And Roll Hall Of Fame Induction 2000 (映像)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Sid McGinnis : E. Guitar
Felicia Collins : A. Guitar
Paul Shaffer : Keyboards
Clifford Carter : Piano
Will Lee : Bass
Anton Fig : Drums

1. Fire And Rain

収録日: 2000年3月6日 Wardof Astoria Hotel, New York

放送日: 2000年3月11日 VH-1


オハイオ州クリーブランドにある「Rock And Roll Hall of Fame and Museum」(ロックの殿堂)は、1983年の設立以来、音楽界に多大なアーティストを選んでいる。Performer, Non-Performer, Early Influence, Sideman の4つのジャンルからなり、2000年に殿堂入りを果たしたパフォーマーは、JTの他にエリック・クラプトン、ボニー・レイット、アース・ウィンド・アンド・ファイア、ラヴィン・スプーンフル、ムーングロウズだった。授賞式はニューヨークのウォルドフ・アストリア・ホテルで行われ、その模様を2時間半に編集した映像が後日VH-1で放送された。

JTはポールマッカトニーの紹介で登場、「Mexico」と「Fire And Rain」の2曲を歌ったという。私は後者を見ることができた。バックを務めるミュージシャンは、レイトショウのハウスバンドであるCBS オーケストラの連中に、クリフォード・カーターがピアノで加わった編成。フェリシア・コリンズはアコギを弾いている。JTは黒ずくめの格好でカッコイイ。


Earth Day 2000 Rally  (音源、映像)

James taylor : Vocal, Guitar
Carole King : Vocal (3), Piano (3)
David Crosby : Vocal (3)

1. You've Got A Frined [Carole King]
2. Carolina In My Mind
3. Country Road
4. Big Yellow Taxi [Joni Mitchell]

2000年4月4日、ワシントン 国会議事堂近くの野外ステージにて収録


「アースデイ (地球の日)」は、アメリカのある学生の呼びかけをきっかけに、1970年4月22日多くの人々が公園や通りに集まり、健康や環境保護のデモを行ったことから始まり、毎年同日を環境問題への関心を示す行動を起こす日として、世界的に広がった運動だ。当初はその活動が過激と見なされたそうだが、その後政府や企業の賛同を集め、現在では環境問題に取り組む姿勢を表明する場として、多くの企業、文化人が参加する一大イベントとなった。

アメリカ・ワシントンにおける2000年のアースデイ・イベントは、米国農業省、農業団体、肥料生産者団体、森林・紙生産者団体などの協賛により行われ、さまざまなイベントが開催された。その中で4月4日午後、議事堂の西にある Independence Ave., Constitution Ave, 3rd St., 4th St.に囲まれた広場に野外ステージを設営、「Earth Day 2000 Rally」と銘打ったコンサートが開催された。コンサートでは、ケブ・モー、クリント・ブラック、デビッド・クロスビー、キャロル・キング、ジェイムス・テイラー、インディゴ・ガールズが演奏し、その模様は政治番組を専門とするケーブルTVネットワーク「C-Span (Cable Satellite Public Affairs Network)」により放送された。

キャロル・キングが「Time Gone By」を歌った後、先に演奏を済ませてステージを降りていたデビッド・クロスビーとギターを持ったJTを呼び出して、1.「You've Got A Frined」を一緒に演奏する。音響が良くないようで、苦労して演奏している様が伺えるが、この手のイベントは参加することに意義があり、音楽的な出来栄えは問わずといったところかな? その後キャロルが「もう一曲」と言って、今回のイベントの趣旨にちなんだ「I Feel The Earth Move」を歌う。その後JTがステージを引継ぎ、「Happy Earth Day !」と挨拶して 2. 「Carolina In My Mind」を始める。通常のコンサートと異なる雰囲気のせいか、イントロ前のギターの爪弾き(サウンドチェック用?)、JTの歌いまわしなど、いつもと異なる感じだ。音質はイマイチで、JTとしては珍しくギター演奏のミスタッチなどもあるが、ユニークなパフォーマンスだ。3.「Country Road」も同様。4.「Big Yellow Taxi」はジョニ・ミッチェルの「Ladies Of The Canyon」(1970)に収録された、恋と環境保護を歌った名曲のカバーで、当該イベントのテーマにちなんだもの。JTファンにとっては貴重な音源だ。ここでのフィンガースタイル・ギターの伴奏は素晴らしい。彼は、歌詞の第4番(ジョニのオリジナルでは
Late last night I heard the screen door slam And a big yellow taxi Took away my old man」と歌っている部分)の歌詞を変えて、「And a big yellow truck came, and took away my island」と歌っている。エンディングで「That's Right Joni !」と語りを入れるあたりはカッコイイ。この曲はおそらく当イベントの直後に開かれた「Joni Mitchell Tribute」(以下参照)のために練習していたものと思われる。


Joni Mitchell Tribute 2000  (映像)

James Taylor : A. Guitar (2), Vocal
Shawn Colvin, Mary Cahpin Carpenter : Vocal (1)
Larry Klein : Bass
Greg Leisz : E. Guitar (1), Pedal Steel Guitar (2)
Dean Parks : E. Guitar
Jaime Muhoberac : Keyboards
Curt Bisquera : Drums
Mark Isham : Trumpet
Kate Markowitz, Windy Wargner, Niki Richards : Back Vocal

1. Chelsea Morning/Big Yellow Taxi [Joni Mitchell]
2. River [Joni Michell]

2000年4月6日、ニューヨーク Hammerstein Ballroom にて収録


ケーブルチャンネルのTNTが4月16日に放送したジョニ・ミッチェルへのトリビュート番組。ハマースタイン・ボールルームは、マンハッタン8th Streetと34丁目にある収容人員2500人のイベントスペースだ。ブライアン・アダムス、ウィノア・ジャッド、ショーン・コルビン、エルトン・ジョン、ダイアナ・クラーク、k d ラング、リチャード・トンプソン、メアリー・チェピン・カーペンター、シンディー・ローパー、カサンドラ・ウィルソン、スウィート・ハネー・イン・ザ・ロック等の実力派アーティストが出演した。

1.「Chelsea Morning/Big Yellow Taxi」はショーン・コルヴィンとメアリー・チェピン・カーペンターのデュエットによるメドレーで演奏される。ショーン・コルヴィンについては、C74を参照。メアリー・チェピン・カーペンター(1958〜 )は主にカントリー音楽界で活躍したシンガーだ。「Big Yellow Taxi」の後半になって、突如JTがステージに登場、一緒に歌う。続いてギターを持って、1971年の名作「Blue」C6 に収められていた2.「River」を演奏する。ジョニの元夫であるベーシストのラリー・クレインを音楽監督とするバンドがバックを担当している。終盤で弱音器を付けたトランペットでクールなソロを展開するマーク・アイシャムは、ウィンダムヒルに代表されるニュー・エイジからジャズ、ブルース、ロックまで大変幅広い音楽性をもつ人で、映画やテレビ番組の音楽も数多く担当、多数のセッションに参加しながら、自己名義の作品も多く残している才人。1.ではバックボーカリストで、お馴染みケイト・マーコウィッツの姿を見つけることができる。ケイトと一緒にバックを勤めるウィンディ・ワーグナーは、バーバラ・ストレイサンド、ベッド・ミドラー、ダイアナ・ロス等の録音に参加、ケイティーの「Map Of The World」 C78にも名前を連ねている。ニッキー・リチャーズはセリーヌ・ディオン、マライア・キャリーなどのセッションに参加しているバック・ボーカリストだ。JTはその後「Christmas Album」のセッションで同曲をスタジオ録音したが、2004年発売のA18には収録されず、そのかわり出来上がったばかりの彼のホームページから、しばらくの間ダウンロードすることができた。そしてこのバージョンは、後に2006年にソニーから全世界発売されることになった「James Taylor At Christmas」に収録された。

当初この記事を書いた際、「スタジオ録音のほうが、トリビュートでのライブ演奏よりもずっと優れている」としたが、先日この番組全体を見ることができ、バックバンドに対する印象が変わったので、書き直すことにした。通して鑑賞して、本番組の質の高さが分かったためだ。ラリー・クレイン率いるバックバンドの素晴らしさは格別で、特にドラムスとベースの重みのあるグルーブ感、二人の名手ギタリストのプレイは最高だ。2.「River」は、上述のとおりクールな演奏であるが、良い音質でじっくり聴くと、各ミュージシャンのプレイの密度の濃さがよく分かる。個人的には、この曲のスタジオ録音版が大変好きなのだが、このライブ演奏バージョンも捨て難いものがある。ローラ・スティグマンが2001年に行ったケイト・マーコウィッツのインタビュー記事で、本作の模様が語られていた。それによると、ケイトは音楽監督のラリー・クレインから、バンドのリハーサルのためのスタンドイン歌手として雇われたという。多忙な大物歌手が交代で歌うため、事前に顔を合わせることが難しく、代役シンガーの役割を勤めたわけだ。そしてこのセッションがk d ラングのバックを担当するきっかけになったという。

各アーティストの演奏、および強者揃いのバックバンド、そして何よりもジョニのペンによる曲そのものの素晴らしさが相まって、この手のトリビュート番組としては出色の出来であると断言できる内容だ。各アーティストの持ち曲に対する愛着が伝わってくるのが感動的で、「Carey」を歌うシンディ・ローパーを凄いと思ったのもつかの間、もっと素晴らしいパフォーマンスがこれでもかと登場する。特に、天翔けるごとく「Help Me」を歌ったk.d. ラングや、ピアノで弾き語り尽くしたダイアナ・クラークの「Case Of You」、アフリカの色に染め上げたスウィート・ハニー・イン・ザ・ロックの「Circle Game」の素晴らしさは筆舌に尽くし難い。繰り返し鑑賞する価値のある映像だと思う。



Rock In Rio (Sting) 2001   (映像)

Sting : Bass, Vocal
James Taylor : Vocal
Dominic Miller : E. Guitar
Russ David Irwin : E. Guitar, Back Vocal
Kipper : Keyboards, Back Vocal
Jason Rebello : Piano, Back Vocal
Manu Katche : Drums
Chris Botti : Percussion

1. Fill Her Up [Sting]

録音: 2001年1月21日 ブラジル Rock In Rio


1985年、1991年に続く3回目のロック・イン・リオにおけるスティングのコンサートにゲスト出演したもの。JTバンドは初日の1月12日に出演し、その模様の映像が出回っている。スティングについても同じテレビ番組で放送された映像があり、1.「Fill Her Up」でJTがゲスト参加している。もともと1999年のスティングのアルバム「Brand New Day」C69で共演していた曲をステージで再現したものだ。JTは演奏の途中で突然現れ、成金の田舎者の役の部分を歌い退場する。その際スティングは歌いながら「Thank you James Taylor」とお礼を述べ、そのまま演奏が続いてゆく。バックバンドは1999年〜2001年の「Brand New Day」ツアーの面々で、強兵揃いだ。いつもはトランペットを吹いているクリス・ボッティは、ここではタンバリンを叩いている。


Orpheum Theatre, Boston (Mark Kopfler) 2001   (音源)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Mark Knopfler : E. Guitar, Vocal (2)
Richard Bennett : Guitar
Mike Henderson : Guitar
Guy Fletcher : Keyboard
Geraint Watkins : Keyboard
Glenn Worf : Bass
Cad Cromwell : Drums

1. Raised Up Family [James Taylor]
2. Sailing To Philadelphia [Mark Kopfler]

録音: 2001年4月23日 ボストン Orpheum Theatre


マーク・ノップラーが新作「Sailing To Philadelphia」のプロモーションのため、9年ぶりに米国ツアーを行った。その初日ボストンでのコンサートに地元のJTがゲスト参加、 2曲歌った際のオーディエンス録音だ。

1.「Raised Up Family」はJTの新曲。「October Road」は2002年発売なので、コンサート当時は未発表だった。JTはステージで「この曲を人前で演奏するのは初めて」と説明している。マークのバックバンドの伴奏なので、いつもとアレンジが異なり大変面白いサウンドだ。ブルージーな曲調がバンドのカラーに合っており、マークの必殺ギタープレイが要所を絞めまくっている。バンドの連中は、昔からマークに縁の深い人たちで、主にカントリー音楽界で活躍する腕利きのセッション・ミユージシャンだ。 2.「Sailing To Philadelphia」は一転して淡々とした演奏で、後半はゆったりしたサウンドのなかで、2台のギターが悠々とソロを取る。観客は大喜びだ。



Today Show 2001   (音源)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Bob Mann : Electric Guitar
Clifford Carter : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass 
Russ Kunkel : Drums
Luis Conti : Percussion
Walt Fowler : Trumpet, Synthesizer
Lou Marini : Sax
Arnold McCuller, David Lasley, Valerie Carter, Kate Markowitz : Back Vocal

1. On The 4th Of July


2001年5月31日 放送


「October Road」の発売が2002年8月で、ここでのパフォーマンスはそれよりも1年以上前のものなので、Recent Compositionと紹介されての演奏。朝の7時、ニューヨークのロックフェラー・プラザでの生中継によるライブからなる「Today Show」は、テレビカメラが観客を映し出すと、音楽に関係なく「ワー」という歓声が起きる趣向があり、本音源でもそれらがしっかり聴こえる。ここでのバンドのアレンジは、正式録音されたものと若干異なるのが大変面白く、裏拍のギター、サビのところで入るクラウス・オーガマンのアレンジを思わせるシンセサイザー、ウォルト・ファウアーと思われるトラペットのソロ、すべてが新鮮に聴こえる。

本来はテレビ映像なんだけど、私は音のみ聞くことができたので、バンドメンバーは確認できなかったが、デビッド・ラズレーのホームページの記事より特定することができた。当日JTはこの曲の他に、「Copperline」、「How Sweet It Is」を演奏したとのこと。



Today Show 2001   (TV映像)

James Taylor : Vocal
Larry Goldings : Piano
Clifford Carter : Keyboards
John Pizzarelli : E. Guitar
Jimmy Johnson : Bass
Steve Gadd : Drums

1. Have Yourself A Merry Little Christmas [Ralph Blane, Hugh Martin]

2001年12月放送


2001年9月11日、私は欧州にいた。あのシーンをテレビで見たときの衝撃は一生忘れることができないだろう。その時から世の中が変わってしまったように思える。その年のクリスマスは、言いようのない虚脱感、無力感に満ちたものであったと記憶している。そういう重苦しいムードのなかでJTは、この曲を録音してラジオ局に配給した。これはNBCテレビのニュース番組「Today」に出演した際の映像である。1.「Have Yourself A Merry Little Christmas」は、1944年のミュージカル映画「Meet Me In St. Luis」(ヴィンセント・ミネリ監督、日本未公開)でジュディ・ガーランドが歌っていた曲で、その後無数の人々によってカバーされるクリスマス・スタンダード曲となった。淡々とした伴奏、歌唱のなかで、「In a year our troubles will be miles away」、「Until then we'll just have to muddle through somehow」という一節のなかにJTの万感の思いが込められていて、今の困難を乗り切ろうというメッセージに心が震える。雪の結晶をデザインしたデコレーションや赤・緑・青のカラフルな照明が大変美しく、番組スタッフの祈りの気持ちが伝わってくる。

当時は「October Road」 A17の録音中で、スタジオの時間が余ったため、この曲を録音したそうだ。クリスマス・シーズンに流れた、この曲の評判は上々で、多くの人々の要望により翌年8月に発売されたアルバムにも収録されることになった。さらに2004年にクリスマス・アルバムが製作されるきっかけにもなった。


Rainforest Foudation Concert 2002  (音源)

Sting : Vocal
James Taylor : Vocal
Sir Elton John: Vocal
Unknown : Back Band

1. Give Me Love (Give Me Peace On Earth) [George Harrison]


録音: 2002年4月13日 Carnegie Hall, New York


スティングと奥さんが主催するレインフォレスト・ファウンデイション・コンサートの第11回目は、2002年4月13日ニューヨークのカーネギー・ホールで行われた。第一部は、2001年11月29日に亡くなったジョージ・ハリソンに捧げる内容となった。冒頭スティングが、1973年のヒット曲 1. 「Give Me Love (Give Me Peace On Earth)」(全米1位)を歌いだす。そしてセカンドヴァースをJTが、サードヴァースをエルトン・ジョンが歌う。ジョージへの尊敬と敬愛の念にあふれる歌唱だ。

その他私は未聴であるが、第1部で、JTはソロで「If I Needed Someone」、エルトンが「Something」、スティングがジェフ・ベックのリードギターで、「While My Guitar Gently Weeps」を歌ったそうだ。第2部では、パティ・ラベルが上記3人とレベッカ・デル・リオをバックに「Dance To The Music」を、上記3人をバックコーラスにスモーキー・ロビンソンが、「My Gal」、「Ooo Baby Baby」、「Shop Around」、「You really Gotta Hold On Me」を歌ったそうだ。JTはソロで「On Broadway」、弾き語りで「Workin' In A Coal Mine」を歌ったという。



Johnny Mercier Award (Carole King) 2002  (映像)

Carole King : Vocal, Piano
James Taylor : Vocal, Guitar

1. You've Got A Friend [Carole King]

2002年6月13日 Sheraton New York Hotel & Towers にて収録


1969年に設立された The National Academy of Popular Musicは、大いなる功績を残した作詞・作曲家を毎年表彰している。そのセレモニーは近年ショーアップ化され、2002年授賞式のディナー・チケットは1人750ドル(収益は同協会の教育プログラムのための資金に充当されたとのこと)、そしてその模様は10月、ケーブルTV・ネットワークのBravoにより放送された。当日表彰された人は、アシュフォード・アンド・シンプソン、バリー・マニロウ、スティング、スティーヴィー・ワンダー、ガース・ブルックス、マイケル・ジャクソン(彼は当夜欠席)等だった。

キャロル・キングは、その中でも最も栄誉あるジョニー・メルシエ・アワードを受賞、セレモニーの最後に登場した。まず2001年発売の最新アルバム「Love Make The World」から「You Can Do Anything」を歌い、次にスクリーンに衛星放送によるJTの映像が現れ、「さあやってみようぜ!」と言って1.「You've Got A Friend」を始め、途中からキャロルのピアノが加わる。JTの「君の番だよ」の掛け声に続いてセカンドヴァースはキャロルが歌い、バンドが加わる。メンバーはわからないが、映像からマイケル・ランドウ(E. ギター)、バシリ・ジョンソン(パーカッション)等の顔が見える。彼女が「Call Out My Name Loud」と歌う一節では、JTがすかさず「Carole !」と返して、観客の笑いを誘う。ブリッジのJTとキャロルの掛け合いの後、最後は会場全員によるシンガロングになる。ここでJTの映像は消え、キャロルはピアノから離れ、当夜のゲストがステージに上がり、フィナーレだ。エンディングの「You've Got A Friend」のリフではスティーヴィー・ワンダーの声が目立ち、そしてヴァレリー・シンプソンがキャロルと肩を組んで歌い、お終いとなる。

衛星放送による遠隔地共演という、人工的ながらも面白いアイデアによるパフォーマンスであるが、それなりに雰囲気があり、何度観ても飽きない。それは、何よりもキャロル・キングという1人の人間の魅力に負うものが大きいと思う。


October Road TV Commercial 2002  (映像)

1. October Road (断片 CDの演奏と同じ)



「October Road」発売のプロモーションのために放映されてテレビ・コマーシャルで、これがまことに洒落たものだった。

何の変哲もないギターショップの日常風景。客はなく、店番の若い男女はひまそうで、男はギターを抱えて下手くそな「Fire And Rain」を何となく演奏している。そこに中年男が入って来て、いきなり「これ弾いていい?」と言う。男女が「うん」とうなずいて顔を上げると、何とそこにはJTがいるではないか!店員の驚きの表情を尻目にJTはギター(やはりオルソンなんだよな〜)を抱えてストールに腰掛け、イントロなしで「October Road」を歌う。これに聴き入る二人の若者の目は輝きだす。最後にアルバムのジャケット写真のインフォメーションが表示されてエンド。

という筋書きで、たった1分足らずのシーンに物語が込められているすぐれも
の。



The Early Show (CBS TV) 2002    (映像)

James Taylor : A. Guitar, Vocal

1. On The 4th Of July
2. Something In The Way She Moves

2002年8月20日 ニューヨークにて収録


「October Road」発売のプロモーションのためにテレビ出演したもの。CBS放送の「The Early News」 はマンハッタンを舞台に、月曜から金曜の7:00〜9:00に全米放送される代表的な朝番組だ。この番組で16年間ホストを務めたMark McEwen(2002年秋に降板)の司会で、JTが紹介される。インタビューでは、新作のこと、歌詞などの歌の構想を書いたノートがホテルで盗まれた事件などが語られる。

この番組におけるJTの演奏は特別だ。新作からの曲として披露される1.「On The 4th Of July」は、彼一人のギター伴奏による演奏なのだ!ブラジル音楽の香り高いリズムとコード進行は弾き語りには難しいはずなんだけど、椅子にすわり、少しテンポを落として飄々と歌う。時々カメラに目線を合わせるなど余裕たっぷりだ。2コーラス終わったところで、2フレット目のカポに手を伸ばして、4フレットに引き上げてキー・チェンジを行うが、あまりに巧みなので普通の人なら気が付かないだろう。間奏のソロは彼自身による口笛だ。バンド演奏とは全く雰囲気が異なる貴重な映像となった。

JTはマークの質問に応えて、良く聴く音楽として、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ランディ・ニューマン、ライ・クーダーの他、ジョアン・ジルベルト、ジョビン、ハンク・ウィリアムスを挙げる。特にレイ・チャールズのボックスセットの話につい夢中になってしまい、ふと我に返って「何で人のCDの宣伝をしとるんや!自分のをしなくちゃいけんのに」とのたまうあたり、軽妙洒脱やな〜。続く2.はソロ演奏としてはお馴染みのレパートリーだ。



The View (A&E TV) 2002    (映像)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Bashili Johnson : Percussion
Larry Goldings : Keyboards
Owen Young (Probably) : Cello


1. On The 4th Of July
2. Sweet Baby James


2002年8月13日 放映


A&Eネットワークの番組に出演。女性司会者の説明で「今日が新作CDの発売日」とあり、本番組が2002年8月13日放送だったことがわかる。女性キャストの一人から「同じ曲を何度も繰り返し演奏するとうんざりしませんか?」と質問されて、「時には曲の入れ替えは必要です。でも歌っているとお客さんの反応などから、一度過ぎ去った曲が戻って来るのです」と答えている。また1.につき「これは愛国的な歌ではなく、単なるラブソングです。独立記念日の7月4日の花火を見にゆく男女の歌です」と紹介し、「これは貴方と奥様の事を歌っているんですか?」という質問に、「フィクションではあるが、Emotionaly にはイエスです」と答えている。ここでは絵画が展示された茶色系の落ち着いたムードのセットの中で、椅子に座って歌う。バックは最小限で、バシリ・ジョンソンがすぐ後ろに位置しているので目立っている。彼は「October Road」後にルイス・コンテに代わって一時期JTのバックを担当したパーカッション奏者で、ニューヨークのブルックリン出身。マイルス・デイビスなどのバックを担当したムトーメに師事し、ウィットニー・ヒューストン、マドンナ、セリーヌ・ディオン、ドナルド・フェイゲン、グロリア・エステファン、エリック・クラプトン等無数のセッションに参加している売れっ子若手ミュージシャンだ。曲が終わったところで、ほんの僅かであるがラリー・ゴールディングの姿が映る。

チェロ奏者については、演奏している人物は一瞬しか写らないのでよくわからないが、以前発売されたJTのビデオ「Live At The Beacon Theatre」と同じ人のように見えるので、奥
様の関係で縁のあるボストン交響楽団のソリスト、オーウェン・ヤングと推定される。


NBC News Today 2002     (映像)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Danny Kootch : E. Guitar
Larry Goldings : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass
Steve Gadd : Drums
Bashili Johnson : Percussion
Unkown : Trumpet, Sax
Dorian Holley, Kate Markowitz : Back Vocal  


1. Mexico
2. Whenever You're Ready
3. Hound Dog [Jerry Leiber, Mike Stoller]

4. Raised Up Family

2002年8月16日 ニューヨーク、ロックフェラー・プラザで収録 


NBC放送の朝番組「News Today」のサマー・コンサート・シリーズのひとつに出演、同シーズンにはスティングやジミーバフェットなどの大物アーティストが出たようだ。5番街の中心にあるロックフェラーセンターにある小さな広場、ロックフェラー・プラザに設営した舞台でのライブで、背景となった5番街は通常通り車が行き来している。右下の表示で朝8時30分〜9時までに行われた生放送である事がわかる。観客は予め応募した人たちのようで、プラカードを持っている人もいて、皆JTの熱心なファンに見える。屋外ライブのため、安全確保が大変と思われるが、警官の姿は目に付かない(おそらく私服警官がいっぱいいるのだろう)。

冒頭の女性司会者による紹介中に、JTが自宅付近で家族とリラックスしているシーンが挿入される。ローラースケートに興じたり、双子に水浴びをさせたりするシーンが微笑ましい。新作「October Road」のレコーディングシーンも見せてくれる。1「Mexico」の演奏が始まるが、多くの人々に囲まれた狭い野外ステージでの生出演ということで、やりにくいと思われるが、さすがは名手揃いで、固さや緊張感は感じられない。ギタリストがダニー・クーチであることに気づくのに、しばらく時間がかかってしまった。白い色が混じった髪を短くし、顔に刻まれた皺が時の移ろいを感じさせる。ライブでのダニーとの共演は、私が知っている限りでは久しぶりのはずだ。エンディングはサルサ調リズムになる。2.4.は抑え気味の演奏が巧みで、ラリー・ゴールディングのオルガンとダニーのエレキギターとの掛け合いが聞かせる。

本番組での目玉は3.「Hound Dog」で、司会者にエルヴィスの事を聞かれ、「彼が自分の作品「Steamroller Blues」を録音した時は、驚き喜んだものです」と答え、エルヴィスのマネージャーだったトム・パーカー大佐のハットを被り、歌いだす。この曲は1953年にブルースシンガーのママ・ソーントンが歌ったものを、1956年エルヴィスがカバー、11週間ナンバーワンをキープするというエルヴィス最大のヒットとなった曲だ。JTのバージョンは、ロックンロール的なエルヴィスのバージョンとは異なり、よりオーソドックスなソーントンのブルースのスタイルで演奏されている。間奏でJTがブルースハープを披露する。彼の演奏は初めて耳にするが、意外に上手いのに驚いた(注: 正しくは、1998年の「Live At The Beacon Theatre」の「Steamroller Blues」が初披露。JGさん、ご指摘有難うございました)。 いままでに多くの曲をカバーしてきたJTが、エルヴィスの有名曲を取り上げるのはこれが初めてだ。



Late Show With David Letterman (CBS TV) 2002    (映像)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Sid McGinnis : E. Guitar
Paul Shaffer : Keyboards
Will Lee : Bass
Anton Fig : Drums
Felicia Collins : Percussion
Tom Malone : Trombone
Al Cheznovitz : Trumpet
Bruce Kapler : Sax
Dorian Holley, Kate Markowitz : Back Vocal  

1. Whenever You're Ready

David Letterman : Host

2002年8月20日 ニューヨークにて収録


デビッド・レターメンによる夜のトークショウに出演。同番組のハウスバンドであるCBS Orchestraをバックに1.「Whenever You're Ready」を演奏する。このバンドは本番組以外に、ロックンロール・ホール・オブ・フェイムやコンサート・フォ−・ニューヨーク・シティーなどのサポートバンドとしても活躍している。キーボードのポール・シェファー、ベースのウィル・リーなどこれまた名手のバンドなので、頻繁に行われるゲストミュージシャンとのセッションも、譜面と簡単なリハーサルだけで、さっと出来ちゃうんだろうな〜。JTのバンドとは一風異なるサウンドが楽しめる。


KCRW Sessions 2002   (音源)

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Bashili Johnson : Percussion
Larry Goldings : Keyboards

1. Baby Baffalo
2. It's Growing [William Robinson, Warren Moore]

2002年9月14日放送、 KCRW Santa Monica, California



KCRWはカリフォルニア州サンタ・モニカのサンタ・モニカ・カレッジ内を本拠地とする若者向けのラジオ放送曲だ。ここでJTのニューアルバムのプロモーションのために、2002年6月19日に収録された演奏(「その他映像」の部 「AOL@Sessions」2002参照)にインタビューを加えて放送されたものと推測される。最初は前者はリハーサルで、9月14日の放送当日に同じメンバーで演奏したものかと思っていたが、 1.「Baby Baffalo」を聴く限り、同じ演奏に思えるためだ。

放送で流れた曲は、「On The 4th Of July」、「Country Road」、「Baby Baffalo」、「It's Growing」、「Secret O' Life」で、2. 「It's Growing」のみ「AOL@Sessions」に含まれなかった。この曲はスモーキー・ロビンソン作による、ザ・テンプテイションズ1965年初期のヒット(18位)で、JTがプロデューサーとなり演奏にも参加した妹ケイトのソロアルバム「Kate Taylor」 1978 C31にも収録されていた曲で、ファンにはうれしいプレゼントだ。R&Bのスタンダードをオルガン、アコギ、パーカッションのみの編成でカバーするなんてイカシテいるな〜!



Parkinson 2002   (映像)
James Taylor : A. Guitar, Vocal
Danny Kootch : E. Guitar
Larry Goldings : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass
Steve Gadd : Drums


1. Whenever You're Ready

2002年10月5日 BBC TV One にて放送 


サー・マイケル・パーキンソン(1935〜 )は、イギリスのテレビ司会者、ジャーナリスト、作家。彼は1972年〜1982年、1998年〜2007年の間、BBCテレビで自分の名を冠した「Parkinson」というインタビュー番組を持っており、JTは2002年10月5日の放送に出演した。彼は同年9月4日〜18日まで、バックコーラス抜きのレギュラー・バンドを率いて、イギリス、オランダ、ドイツ、イタリアの各地を巡るヨーロッパ・ツアーを行っており、そして10月1日にはニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンでのイベントに参加した記録がある。そのため本映像は、おそらく彼とバンドがヨーロッパ滞在中の9月に収録されたものと推測することができる。1.「Whenever You're Ready」は、テレビ・ラジオ出演の際に演奏されるお馴染みの曲であるが、ここではバックコーラスなして一人で歌っているにがユニーク。またイントロ・間奏などで聴かれるハーモニカのような音が、ラリー・ゴールディングが吹くピアニカであることがわかるのも面白い映像だ。

生放送でないためか、いつになくリラックスした演奏。



Charlie Rose October 14, 2002 (PBS TV)   (映像)

James Taylor : A. Guitar, Vocal, Talkl
Charkie Rose : Interviewer

1. Carolina In My Mind

2002年10月14日 PBSテレビにて放送



2002年10月14日、PBSテレビ番組「Charlie Rose」に出演。1時間番組で、他の出演者は元FBIの交渉人、テロリスト対策専門家で、ワシントンDCでの狙撃事件の話をしたクリントン R. ヴァン・ザントと、ニュージャージー州知事のジェームス・マックグリーヴェイ(その後2004年にゲイである事実を告白して辞任)だった。チャーリー・ローズは1942年ノースキャロライナ生まれで、アメリカを代表するインタビューアー。彼は1987年に「CBS News Nightwatch」でシャロンテート事件の主犯チャールズ・マンソンとのインタビューでエミー賞を受賞。「60 Minutes II」などの司会を務めた後、現在はPBSテレビで自己の名前を冠した番組を受け持っている。

JTは番組の後半に出演、まずは22分にわたるインタビューの粗筋を列挙する。最初に新作CD「October Road」の紹介から。この作品が今までの中で最高の出来であること。歌を創作するプロセス。雷に打たれるようなインスピレーションと、それら断片を時間をかけてまとめる過程の両方であるという。「October Road」では先に簡単な伴奏トラックを録音し、その後で歌詞をはめ込んでいったこと。当時歌詞のアイデアや曲作りの構想を書き留めた茶色の手帳をニューヨークのホテルに置き忘れて紛失した事件。「September Grass」の作者ジョン・シェルドンは幼馴染で、共通点が多いこと。地元で人気があった彼の音楽が好きで、彼の曲をカバーしたかったことが語られる。プロデューサーのラス・タイトルマンの話から、ライ・クーダーの話題になる。彼はJTの音楽ヒーローであり、ライのアコギプレイはパワフルで力強い。彼からとても多くの大事な事を学んだとのこと(「October Road」ではライが1曲参加している)。「4th Of July」は事実ではないが、私的なラブソングであること、最近生まれた双子と、シンガーになったサリーとベンのこと。故人となった父のアイザックと兄のアレックスの話となり、放浪癖をテーマとした「My Traveling Star」、「Baby Buffalo」や「Carry Me On My Way」は二人をイメージしたものとのこと。ここでチャーリーが若い頃医学を志し、JTの父親に習ったことがあるというエピソードが語られる。「私が君のお父さんのもとで一生懸命勉強していた頃、君はビートルズに熱中していたんだね。」幸運に感謝して好きな音楽を続けること、音楽以外は何もできないと言う。さらにデビュー前のロンドンへの渡航と、ピーター・アッシャーとの出会い、そしてアップル・レコードとの契約の話。彼にとって最も意味がある歌として「Carolina In My Mind」と「Fire And Rain」があげられる。そしてセプテンバー・イレブンの後に「Fire And Rain」を演奏する際の思いなど。

最後に1.「Carolina In My Mind」を弾き語りで歌う。真っ暗な背景、黒いス−ツ、暗めの照明という落ち着いた感じの撮影で、いつもと異なるアコギのイントロから始まる。ここでのギターの録音が生音に近く、そのことが却って彼のギタープレイの上手さを引き立てている。またボーカルのサウンドもとても自然で、JTがプライベートで歌っているような雰囲気があり、数あるこの曲のバージョンのなかでもベストスリーに入る1曲であると思う。


The Kennedy Center Honors 2002  音源

James Taylor : Vocal, Acoustic Guitar (1)
Alison Krauss : Vocal (1)
John Mellencamp : Vocal (2)
Alysia Keys : Vocal (2)
Dixie Humminbirds : Chorus (2)
Unknown : Other Instruments

1. Boxer [Paul Simon]
2. Loves Me Like A Rock [Paul Simon]


収録:2002年12月8日 Washington DC, The J. F. Knnedy Center Of Performing Arts


The J. F. Knnedy Center Of Performing Artsは1971年に設立され、ワシントンのポトマック河畔に建てられたコンサートホールを本拠地としてあらゆるジャンルのパフォーミング・アーツの振興を目的として活動している。そのハイライトとして、1978年より毎年12月に「The Kennedy Center Honors」として、5〜6人のアーティストを表彰するセレモニーを実施。近年は派手で大掛かりなショーとなりCBSテレビの2時間のスペシャル番組として放送されている。

2002年は、女優のエリザベス・テイラー、俳優のジェイムス・アール・ジョーンズ、ミュージカル女優のチタ・リベラ、指揮者のジェイムス・レヴァインとともに、ポール・サイモンが表彰された。本当はポール・マッカートニーの予定だったが、その日が彼の娘の結婚式とだぶってしまったために、次回候補だったポールになったというエピソードがある。司会はコメディアンのスティーブ・マーチン。彼のスピーチが傑作で、ポールが電話して来て「47 Ways To Leave Your Lover」という曲ができたという。スティーブが「きりが良い50 Ways にしたら」とアドバイスすると、「どうしてもあと3つが思いつかない」と言うので、スティーブが教えてあげたと言い、ジョージ・ブッシュ大統領からバーバラ・ストレイサンドのレコードを買うよう頼まれ、「彼女の音楽を愛しているけど、レコードを買うのを見られたくないから」(会場に大統領がいて、バーバラが熱烈な民主党支持者であることをネタにしたもの)という強烈なジョークで会場は大笑い。大統領も苦笑いで、アメリカ人のジョークに対する度量の広さに感心する次第。

JTはC79で共演したアリソン・クラウスと一緒にサイモン・アンド・ガーファンクル1969年の名曲「The Boxer」を歌っている。オリジナルとほぼ同じハーモニーで歌詞の1,2番を歌ってゆくが、3,4番が省略され最後の5番となったため、演奏時間が2分ちょっとという、短めでさらっとしたものとなっている。それでも30年以上前の当時、驚きと畏敬の気持ちをもって聞いていた歌を、JTが歌うのを聴くだけで感慨深いものがある。バックのミュージシャンは、パーカッションのバシリ・ジョンソンを除き、誰か不明。その他ではアリシア・キーズが「Bridge Over Troubled Water」、ジョン・メレンキャンプが「Graceland」を歌ったという。最後の曲で、オリジナルでコーラスを担当したディキシー・ハミングバーズが登場し、JTを含む他のゲストと一緒に「Loves Me Like A Rock」を歌う。ファーストヴァースはジョンが、セコンドヴァースをジェイムスが歌う。後半はアリシアとディキシー・ハミングバーズの掛け合いとなり盛り上がる。その模様を見つめるポールは、あまり感情を出さず抑え目にしているように感じられ、その横にはエリザベス・テイラーの姿が見える。

[2012年10月]
映像を観ることができました! 幸せですね..........ので、書き直しました。



NBC Today 2002   映像

James Taylor : Vocal
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldings : Piano
Jimmy Johnson : Electric Bass
Steve Gadd : Drums

1. Santa Claus Is Coming To Town [J. Fred Coots, Haven Gillespie]

放送:2002年12月16日


NCBの朝のニュース番組に登場。JTがクリスマスアルバムを製作する前の時期であるが、当時コンサートなどでシーズン中に演奏していたようだ。極めてジャズっぽいアレンジで、バンドのスウィング感覚はさすがに凄い。ラリー・ゴールディングスのピアノソロが光っている。後のクリスマス・アルバム、およびそれに関するプロモーション映像での演奏では、デイブ・グルーシンがピアノを弾いているので、両者のプレイの違いが分かり、大変興味深い。マイケル・ランドウは、フェンダー・テレキャスターでリズムを弾いている。


 
October Road Promotion 2002   映像
 
James Taylor : Vocal
Rus Titleman : Producer

1. Whenever You're Ready (部分)
2. October Road  (部分) 
3. On The 4th Of July
 (部分)
 

2002年8月に発売された「October Road」A17のレコーディング風景を撮影した宣伝用映像。JTによるボーカルトラックの録音風景で、ミキサーの前にはプロデューサーのラス・タイトルマンがいる。ヘッドフォンを付けたJTが、スタジオのマイクに向かって上記3曲を歌う様をじっくり観ることができる。JTが、2.「October Road」でライ・クーダーのスライドギターを入れたのは、彼に敬意を表したものとコメントしているのが興味深い。


The 45th Grammy Awards 2003  映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar
Yo-Yo Ma : Cello

1. Sweet Baby James


収録 : 2003年2月23日 Madison Square Garden, New York


2003年2月23日の第45回グラミ−賞授与式は、初アルバム「Come Away With Me」でブレイクしたノラ・ジョーンズが賞を総ナメにした年であった。セレモニー中の「異色の取り合わせコーナー」で、JTはクラシック界のスーパースター、ヨーヨー・マと共演した。JTとヨーヨー・マは、奥様キャロラインがボストン・シンフォニーのマネージメント・スタッフだった関係で知り合ったと思われ、2人の共演は、1997年の「Hourglass」A16から始まり、2000年にはマーク・オコナー、エドガー・メイヤーとの「Appalachian Journey」で、そして2001年2月18日のJTとキャロラインの結婚式披露宴では、彼がゲストで演奏したという。ここではJTのクラシック 1.「Sweet Baby James」を二人で演奏している。いつもながら、ヨーヨー・マのチェロの音の深さ、豊かさは聴く人の心を根底から揺さぶるもので、数ある「Sweet Baby James」のパフォーマンスの中でも、ワン・オブ・ザ・ベストだ。


Olympia, Paris  2003  音源

Sting : Vocal, Guitar
James Taylor : Harmony Vocal

1. You Can Close Your Eyes

収録:2003年4月4日 Olympia, Paris


2003年4月4日、パリのオランピア劇場で行われたJTのコンサートのセカンド・アンコールにスティングが登場、JTと一緒に 1. 「You Can Close Your Eyes」を歌ったもので、観客は大喜びだ。そういえばスティングは「A Musicares Person Of The Year Tribute Honoring James Taylor」 2004 E13でもこの曲の弾き語りを披露しており、彼のレパートリーだったのだろう。JTがハーモニー・ボーカルを担当しているのも珍しい。


How's The World Treating You Promo  2003  映像

James Taylor, Alison Krauss: Vocal

1. How's The World Treating You [Chet Atkins, Boudleaux Bryant]


C79で紹介した 1940〜1950年代に活躍したカントリー界の男性デュオ、ローヴィン・ブラザーズのトリビュートCD収録曲のプロモビデオ。 ここでは二人が一緒に歌う姿は全く写らず、モーテルと思しき古びた部屋のなかで、失恋の痛手に悩む二人の姿が交互に映し出される。二人が同時にスクリーンに現れる部分もあるが、画面を左右にセパレートしたカット割での映像であり、別離の心情を表現しているとはいえ、通常は二人の愛を高らかに歌い上げる事が多い男女のデュエット・ソングとしては、異例な内容だ。

緑色を基調としたダークな色彩、二人のムーディーな表情が何とも言えぬ雰囲気を出している。ちなみに本曲は、2003年度グラミー賞ベスト・カントリー・デュエット賞を受賞した。



Olympia, Paris  2004  音源

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Michael Landou : E. Guitar
Larry Goldings : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass
Harvey Mason : Drums

Andrea Zonn : Violin (3,4) Back Vocal (1)

1. Sunny Skies
2. You Don't Know Me [Cindy Walker, Eddie Arnold]
3. Water Is Wide [Traditional]
4. Andrea Zonn Violin Solo


収録:2004年7月3日 Olympia, Paris

注: 4.はJT非参加


2004年7月3日〜7月25日のヨーロッパツアーの初日は、パリのオランピア劇場でのコンサートだった。1888年建立の古い劇場は、エディット・ピアフやジャック・ブレルなどの伝説的コンサートで有名な場所で、現在も多くの一流アーティストが公演する名門会場だ。本音源の特徴は、バックバンドのユニークさにある。まずドラムスが、セッション・ミュージシャンとして超一流のハーヴィー・メイソンが担当していること。彼の演奏で一番有名なものは、ハービ・ハンコックがファンクに挑戦した1973年の作品「Headhunters」における名曲「Chameleon」だろう。目まぐるしく変化するリズムの洪水の中で彼の演奏は、この曲を聴いてからかなりの年月が経過した後も、いまだに耳に残っている。ただし現在聴くことができる音源の曲では、ドラムスの関与度は地味なため、その演奏の良否については何とも言えない。またツアーバンドのラインアップで、バックコーラス担当が1名のみの場合は、アーノルド・マックラーが同行するケースが普通なので、今回のようにバイオリンも弾くアンドレア・ゾーンが起用されたのも珍しい。彼女は、音楽教授の父、オボーエ、ピアノ奏者の母という音楽一家に生まれ、10歳の頃からカントリー音楽を志す。本場ナッシュビルを活動拠点として、ヴィンス・ギルやアリソン・クラウスのバックを務めるセッション・ミュージシャンとして名を成した。また自身シンガー、フィドル・プレイヤーとしてソロアルバム「Life Goes On」 (2003)を発表している。

1.「Sunny Skies」は、バンドの伴奏が大きくフィーチャーされており、特にマイケル・ランドウのエレキギターのオブリガードが目立っている。 アンドレアが控えめなバックボーカル付けている。 2.「You Don't Know Me」は、レイチャールズ1962年のヒット(全米2位)のカバーで、JTにとって、このコンサートは彼の病没(6月10日)以降初めてであり、弔意を表しての演奏だろう。カントリーとR&Bを融合させたスタイルの曲を、JTのギターとラリー・ゴールディングスのキーボード(前半はピアノ、後半はオルガン)を中心とした演奏で、見事に歌い上げている。聴衆は大喜びだ。イントロのアンドレアのバイオリンが心に響く 3.「Water Is Wide」も、後半はバンドがしっかり寄り添う演奏。 4.「Andrea Zonn Violin Solo」はJT非参加で、アンドレアがドラムスをバックに急速調のフィドルチューンを弾きまくる。ドライブのかかった見事な演奏で、非凡な才能を披露してく
れる。


BBC Radio2 2004   音源

James Taylor: Vocal, A. Guitar

1. Never Die Young

放送:2004年7月21日 London


当時JTはヨーロッパツアー中で、7月3日のパリがスタート、本音源の前日の20日はリバプール、翌日22日はロンドン、そして25日のエディンバラでお終いというスケジュールだった。そのロンドン滞在時にBBCラジオに出演したもの。ここでJTは、当時としては珍しい試みを披露している。最近はバンド演奏を想定して作曲することが多いが、ソロでやってみたい気持ちがあり、試してみたとのこと。「Hight Ground Hurricane Relief Benefit Concert」 B33での演奏が2005年9月なので、それよりも1年前の音源だ。エコーを抑えた自然な音で、プライベートで演奏しているかのようだ。バンド演奏バージョンにおけるエレキギターのイントロがアコギ1本で再現され、JTのギターの上手さが際立っている。B33との相違点は、本音源では間奏部分でJTが口笛を吹いていることだ。

後に実現する One Man Band Tour構想の萌芽といえるパフォーマンスだ。



MLB World Series 2004   音源

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. National Anthem (Star Spangled Banner)

収録: 2004年10月24日 Boston Fenway Park


アメリカでは、フットボールや野球の試合開始前の国歌斉唱をプロ歌手が先導して行うことが多いようだ。特にビッグゲームではアメリカ、地元を代表するアーティストが登場するのが恒例行事となっている。日本で「君が代」を同じように演ったらどうかな? (私は「君が代」否定論者ではありません....念のため。) これはボストンのフェンウェイ・パークで行われたMLB (Major League Baseball)の第2戦(日曜日)におけるもの。地元ボストンということもあり、観客の大歓声に迎えられてJTが登場、ホームベース付近で、ギターの弾き語りで歌う。国歌といういかめしい演奏のイメージと異なり、歌いまわしやリズムが自由な感じで、その分JTの個性がしっかり出ていて面白いパフォーマンスだった。試合は地元ボストン・レッドソックスが6対2でセントルイス・カージナルスに快勝。同年のワールドシリーズはレッドソックスが圧倒的な強さを発揮して4戦全勝。一度もカージナルスにリードを許すことなく全米制覇を達成した。昔経営難のためにベーブ・ルースをニューヨーク・ヤンキースに放出して以来、一度もワールドシリーズの覇者になることができず、「バンビーノの呪い」と言われていたジンクスがおよそ84年ぶりに解消しただけあって、地元ボストンのファンの喜びは格別のものがあった。


The West Wing 2004   音源 & 映像

James Taylor : Vocal, E. Guitar
(Probably) Larry Goldings : Organ

1. A Change Is Gonna Come [Sam Cooke]


放送: 2004年12月1日


ウエストウィングは、アメリカ大統領官邸であるホワイトハウス内のエリアの名称で、大統領および側近の執務室がある所だ。そこを舞台に彼等の活動をテレビドラマに脚色したのが「The West Wing (邦題 ホワイトハウス)」で、1999〜2006年の期間にわたり放送された。民主党の架空の大統領ジョシア・バートレットを演じるのはマーチン・シーン(「地獄の黙示録」 1979年が代表作)。もし日本で同じようなドラマを製作すると「永田町」というタイトルになるのかな?それにしても、日本の政治家の場合は、失言や不祥事などのチマチマしたエピソードばかりになりそうで、このような世界を娯楽作品の題材にするなんて、アメリカ人の政治に対する考え方の次元の違いを思い知らされる。

JTは、第6シーズンの2004年12月1日放送 「A Change Is Gonna Come」(曲と同じタイトル)に出演した。台湾独立運動旗についての取り扱いミスによるトラブルのために、中国でのサミット開催を控え、その対処に苦慮するエピソードで、JTはドラマの最後に本人として登場。奥さんのキムが演じる女流彫刻家の名誉を讃えるイベントで、1.「A Change Is Gonna Come」を歌う。壇上でJTはエレキギター(フェンダー・テレキャスター)の弾き語りで歌う(といっても時折オルガンの音が入る)。その正面にはメダルをかけたキムが座り、彼女の横には大統領夫妻が座っている。JTの歌の間、頻繁に場面が切り替わり、スタッフの一人が次期大統領選挙に出馬する意思を固めた元副大統領に支援を頼まれるシーンや、イベント席でJTの歌を聴きながら交わす大統領夫妻の会話が挿入される。

「A Change Is Gonna Come」は、サム・クックがボブ・ディランの「Blowin' In The Wind」を聴いて書いたという。根強い人種差別に悩んでいた彼の思いを込めた曲で、1963年に録音、1964年のアルバム「Ain't That Good News」に収録された。彼は1965年にロスアンジェルスのホテルで非業かつミステリアスな死を遂げたため、この曲がシングルカットされ全米31位を記録したのは、彼の死後となった。後に、この曲は1960年代の公民権運動を象徴する歌として名声を確立、現在ではアメリカンポップスの歴史におけるベスト曲の常連となっている。本ドラマで使用されることにより、大統領の任期満了を控えて、状況に変化が起きつつあることを暗示する効果をあげている。

JTは、オルガンと自身のエレキギターによるアルペジオをバックに、しみじみと歌っている。テレビでは登場人物のダイアログが挿入されていたが、それとは別にJTの公式サイトにおいて、しばらくの間音楽だけのバージョンをストリーミングによって聞くことができた。ということは彼自身にとっても満足できる出来だったと思われる。

[2009年7月追記]
映像を観ることができたので、内容を変更しました。



NBC News Today 2005   映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Electric Guitar (2), Vocal
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldings : Accordion (1), Keyboards
Jimmy Johnson : Bass  
Steve Gadd : Drums
Luis Conti : Percussion
Walt Fowler : Trumpet (2)
Lou Marini : Sax (2)
Arnold McCuller : Back Vocal (2,3)
Kate Markowitz : Back Vocal (2,3)
Andrea Zonn : Back Vocal (2,3), Violin (1)


1. Sweet Baby James
2. Summertime Blues [Jerry Capehart, Eddie Cochran]
3. Shower The People

収録放送: 2005年6月21日 ニューヨーク、ロックフェラー・プラザ


2002年に続き、NBC放送の朝番組「News Today」のサマー・コンサート・シリーズに出演。5番街の中心にあるロックフェラーセンターにある小さな広場、ロックフェラー・プラザに設営した舞台でのライブ(詳細は2002年8月16日の記事を参照してください)。JTはカウボーイハットをかぶって演奏する。バックバンドはいつもの連中で、時期的に6月17日のコネチカット州ハートフォードのコンサートから始まる「Summer's Here Tour」のプロモーションのための出演であることがわかる。

インタビューの後に始まる 1.「Sweet Baby James」はバックの伴奏付きで、ラリー・ゴールディングスがアコーディオン、アンドレア・ゾーンがバイオリンを弾き、マイケル・ランドウはペダル・スティールのような音を出している。屋外のストリートライブなので、5番街を走る車の音が聞こえる。 エディ・コクランのスタンダード 2.「
Summertime Blues」では、JTはサンバーストのテレキャスターに持ち替える。1979年のコンサート映像(E1)があるように、かなり以前から演奏している曲で、その分こなれた感じの演奏だ。特にバックコーラスのハマリ具合が素晴らしく、エディー・コクランのオリジナル、ハードロックにアレンジしたザ・フーのバージョンとも異なる、オリジナリティーに溢れた懐の深いパフォーマンスとなっている。 3.「Shower The People」は少しテンポを落として演奏される。放送時間の関係か、アーノルド・マックラーがソロをとるエンディングの途中でカットされてしまうのが残念。


The Early Show 2005   映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Larry Goldings : Piano
Jimmy Johnson : Bass
Luis Conti : Percussion

1. Secret O' Life
2. Something In The Way She Moves
3. Never Die Young


収録 : 2005年6月21日 CBS Boradcast Center, New York
放送2005年7月6日


上記の「NBC News Today」と同じ日に収録され、後日7月6日にCBSテレビで放送されたもの。100〜200人位のオーディエンスを招いたスタジオライブ。ここではピアノ、ベースとパーカッションのみというシンプルなバックで演奏している。資料によるとJTは「Up On The Roof」も演奏したというが、番組を通して観ていないので、この曲が放映されたか否かは不明。

3曲ともJTの弾き語りで始まり、途中からバックが加わる構成。 3.「Never Die Young」での間奏は、いつもはエレキギターが担当するが、ここではラリーがピアノで演奏している。



US Tennis Open 2005   映像

Ben Taylor : Vocal
James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. America The Beautiful [Katharine Lee Bates, Samuel A. Ward]

収録 : 2005年9月11日 The USTA National Tennis Centre


US テニスオープンは、オーストラリアン・オープン、フレンチ・オープン、ウィンブルドンとともにグランドスラムの一角を成し、うち最後に行われる大会である。競技会場はニューヨーク・クィーンズ地区のフラッシング・メドウ・パークにあるThe USTA National Tennis Centre。JTと息子のベン・テイラーは9月11日、フェデラーとアガシによる男子シングルス決勝戦の前にコートに登場し、1.「America The Beautiful」を歌った。最初はJTのギター伴奏でベンが一人で歌い、最後にJTの歌が加わる。


Duets (Video With Tony Bennett) 2006   映像

Tony Bennett : Vocal
James Taylor : Vocal
Lee Musiker : Piano
Paul Langosch : Bass
Harold Jones : Drums
Gray Sargent : Guitar

Jorge Calandrelli : Orchestration And Conductor
Phil Ramone : Producer

1. Put On A Happy Face [Charles Strouse, Lee Adams]



トニーベネットの80歳誕生日を記念して、空前の豪華ゲストを迎えて製作されたデュエット・アルバムの第1作目(C84参照)。各アーティストとの共演の模様を撮影した映像が、限定盤にボーナスディスクとして添付された他に、プロモーションとしてインターネットで観ることができた。

トニーのインタビューにあった通り、二人は、スタジオのなかでバンドの演奏をバックに一発録りで歌っている。子供のようにはしゃぐJTと、それを温かく見守るトニーの姿が微笑ましい。演奏中に、二人のインタビューやコメントが挿入されるため、音楽を聴きたい人はCDを購入すべきでしょう。



One Man Band Tour (Melbourne FL.) 2006   音源

James Taylor : Vocal, A. Guitar (2,5,6), E. Guitar (3)
Larry Goldings : Keyboards

1. Mean Old Man
2. My Traveling Star
3. Steamroller
4. Slap Leather
5. Copperline
6. Shower The People

(録音) Maxwell C. King Center, Melbourne Florida, March 10, 2006


2006年のツアーの一部は、「ワンマンバンド・ツアー」と銘打って、自身のギターとキーボード奏者のみという小編成で行った。これはフロリダ州にあるメルボルンという都市で行ったコンサートのオーディエンス録音だ。時々マイクが擦れる音が入るが、クリアーで臨場感あふれる録音だ。今回共演のラリー・ゴールディングスは、現在注目を浴びている若手オルガン奏者だ。ジャズオルガンの名手ジミー・スミスに感化されて、ジョン・ヘンドリックス、ジョン・スコフィールド、デビッド・サンボーン、マセオ・パーカーなどのジャズ、ソウルの音楽家と共演、自身も10枚以上のソロアルバムを出している。JTの作品へは、2002年の「October Road」から参加している。得意なオルガンのみならず、ピアノ、シンセサイザーも器用にこなす。JT音楽に必要なキーボード奏者は、ジャズ、R&B、ロック、フォークいずれも適用できる幅広い音楽性とテクニックが要求され、そういう意味でドン・グロルニックに匹敵する人を見つけるのは難しいと思われたが、無事いい人がみつかったようだ。

1.はラリーのピアノの伴奏だけで歌う。「October Road」におけるオリジナル録音自体、彼が弾いていたので、伴奏・ソロともにお手のものだ。歌の伴奏、間奏のソロといえどもその演奏には個性が感じられ、聴き応え十分だ。歌詞の最後の「いけ好かない年寄り男が、(恋のおかげで)ゴールデン・リトリバーの子犬になってしまう」くだりでは、聴衆は大笑いだ。2.は、予め録音されたボストン、タングルウッドの合唱団によるコーラスとの共演。JTはかなり昔からテープレコーダーとの共演をステージで演ってきたが、最近はかなり洗練されてきたようだ。「Another Shameless Highway Song」と言って歌いだすが、彼に続く混声コーラスの厚み、深みには心を浄化する静謐さに満ちていて、大いに癒される。3.は珍しくエレキギターに持ち替えて、ラリーのオルガンとソウル音楽風に渡り合う。ベースの音が聞こえるので、これはラリーのフットペダルによるもの(オルガン奏者は、足元に置いたフットペダルでベースを演奏する人が多い)かな?エンディングのおなじみのJTのボーカルアドリブjは余裕たっぷりで、ユーモラスな歌いまわしも聴衆は腹を抱えて笑っている。4.はラリーのオルガンのみで歌う、意表を突く曲の起用、アレンジだ。オルガンを巧みに操るラリーがいてこそ可能な音楽だ。5.ではJTのアコギがメインで、ラリーは控えめなピアノを付ける。少しテンポを落とした、とても丁寧な演奏。6.も事前に録音されコーラス隊との共演、これまでに数多くのバージョンを何回も聴いたが、重厚なコーラス隊とラリーのピアノ伴奏がとても新鮮に聞こえる。



Fenway Sessions 2006   映像

James Taylor : Vocal, E. Guitar
Unknown : E. Guitar
Unknown : E. Guitar
Unknown : Harmonica
Unknown : Organ
Unknown : Bass
Unknown : Drums

1. Steamroller Blues

(録音) Fenway Park, Boston, July 13, 2006


Boston Redsoxのジェネラル・マネジャーのテオ・エプスタインと、Blookline Public School Systemのソーシャルワーカーであるポール・エプスタインの双子の兄弟が設立した、地元の恵まれない子供達を支援する基金 「The Foundation To Be Named Later」への基金集めとして、毎年夏にボストンのフェンウェイパークでチャリティー・コンサートが開かれる。2006年のコンサートは悪天候のためいろいろ苦労があったようだが、JTは当日出演した若手のミュージシャンによるオールスターバンドをバックに1曲演奏した。1.「Steamroller Blues」で、JTはワンマンバンド・ツアーで使用したテレキャスターを持ち、いつもと異なるロックのサウンドをバックに歌う。間奏は元気一杯のオルガンとハーモニカで、ステージを歩き回るJTをカメラが追いかけると、背景に一瞬奥様のキムの姿が見える。

映像・録音。演奏いずれも荒っぽいが、若手ミュージシャンとのセッションが楽しめる。


AOL Christmas Session 2006   映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Michael Landou : Electric Guitar
Dave Grusin : Piano (1,5)
Larry Goldings : Organ (1,3), Piano (2,4)
Jimmy Johnson : Electric Bass, Wood Bass (4,5)
Greg Bissonette : Drums, Percussion
Arnold McCuller : Back Vocal (1,3)
David Lasley : Back Vocal (1,3)
Kate Markowitz : Back Vocal (1,3)

1. Go Tell It On The Mountain [Traditional]
2. Have Yourself A Merry Christmas [Hugh Martin, Ralph Blane]
3. Jingle Bells [Traditional]
4. River [Joni Mitchell]
5. Santa Claus Is Coming To Town [J. Fred Coots, Haven Gillespie]


同年発売された「James Taylor At Christmas」 A19のプロモーションのため、12月5日からAOLのインターネットページで公開された映像。赤いクリスマスカラーのカーテンのバックと、多くのロウソクが灯されたスタジオセットのなか、JTバンドが演奏する。1.「Go Tell It On The Mountain」は、画面上に「Rehearsal」の表示があり、JTとバンドの連中はラフな格好で登場している。ピアノを弾く白髪の男は、クリスマスアルバムに参加したデイブ・グルーシン。ドラムスはセッション・ミュージシャンのグレッグ・ビショネットだ。彼は1959年デトロイトに生まれで、弟のマットもベーシストとして有名。音楽一家に育ち、早くから頭角を現して、ヴァン・ヘイレンから独立したデビッド・リー・ロスのバンドに加入、その後はフランク・キャンバレ、ジョー・サトリアーニ、ラリー・カールトン、スティーブ・ルカサー、スティーブ・ヴァイ、ドン・ヘンリー、デュラン・デュラン、サンタナなど幅広いジャンルの作品に参加しているオールラウンドのプレイヤーだ。レギュラーのスティーブ・ガッドが何だかの事情により、当該セッションに参加出来なかったための代役と思われる。やり手のセッション・プレイヤーらしく手堅いプレイで、楽しそうに演奏している。ドラム奏者のリズムの乗りは、バンド全体のサウンドに大きな影響を与えるもので、そういう意味でこの映像はユニークな存在となった。

マイケル・ランドウはギブソンSGを持ち、伴奏としては結構目立つプレイをし、エンディングではスライドギターを披露している。コーラス隊は、アンドレア・ゾーンを除くいつもの3人組だ。2.「Have Yourself A Merry Christmas」では、黒い服を着たJTはギターを置いて歌に専念する。ジャズシンガーとして、JT独自の新たなスタイルを確立したと言えるような素晴らしい歌唱だ。スタジオ録音ではジョン・ピザレリがギターを担当していたが、ここでのマイケル・ランドウのジャズ・ギターも悪くない。本当に何でも上手い人だな〜。

3.「Jingle Bells」は、CDと同じR&B風アレンジで、JTとバンドはのびのびとプレイする。ラリー・ゴールディングスのオルガンとマイケル・ランドウのギターが、ここぞとばかり頑張っている。マイケル・ランドウのギターソロがスタジオ録音版とまったく異なるのはさすがだ。4.「River」では、グレッグはシェイカーを振っている。ここではジミー・ジョンソンがウッドベースを弾いているのが珍しい。JTのアコギが楽しめる。バンドが奏でる雰囲気がスタジオ版とは異なっていて、こちらのほうが普通っぽい演奏だ。ジャジーな 5.「Santa Claus Is Coming To Town」では、デイブ・グルーシンが再登場、マイケルランドウは白いボディーのグレッチを使用して、4ビートのリズムギターをバッチリ決めている。「James Taylor At Christmas」 A19に係る一連のプロモーション映像では、彼は多くのギターを取替えて使用しており、ギター好きにとってはそれらの映像と音色を愛でる楽しみがある。視ここでのデイブのピアノソロもCDとは異なる内容で、スリリングだ。バンドの上手さは明らかだが、なんと言ってもアドリブ、フェイクを効かせたJTの自由でしなやかなボーカルが最高!


NBC Today 2006   映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldings : Piano (1), Organ (2)
Jimmy Johnson : Electric Bass (1), Wood Bass (2)
Steve Gadd : Drums
Arnold McCuller : Back Vocal (1)
David Lasley : Back Vocal (1)
Kate Markowitz : Back Vocal (1)

1. Jingle Bells [Traditional]
2. River [Joni Mitchell]

放送 : 2006年12月1日


NBCの朝のニュース番組「Today」に出演。ここでのドラムスはいつものメンバーであるスティーブ・ガッドだ。暗めのスタジオで、赤、青、緑のライトに照らされてバンドが演奏する。1.「Jingle Bells」におけるマイケル・ランドウのギタープレイ(ここではあずき色のグレッチを使用)の妙技が聴きもの。


Early Show (CBS TV)  2006   映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldings : Piano
Jimmy Johnson : Electric Bass
Steve Gadd : Drums
Arnold McCuller : Back Vocal (1)
David Lasley : Back Vocal (1)
Kate Markowitz : Back Vocal (1)


1. Go Tell It On The Mountain [Traditional]
2. Have Yourself A Merry Christmas [Hugh Martin, Ralph Blane]


放送 : 2006年12月8日


CBSの朝のニュース番組「7 a.m.」に出演。ここでのドラムスはスティーブ・ガッド。スタジオは明るい照明で、スノウフレイクスの白、ポインセチアの赤、クリスマス・ツリーの緑がムードを盛り立てている。2.「Have Yourself A Merry Christmas」では、JTはイスに座って淡々と歌う。マイケル・ランドウは1日と同じグレッチを使用(AOLでの同曲ではギブソンの ES-335を使っていた)。視覚面では、アーノルドが帽子を被っているのが面白い。


'New York Times' Arts And Leisure Weekend 2007   映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar


1. On The 4th Of July
2. Sweet Baby James

Stephen Holden : Interviewer

収録日: 2007年1月5日、Proshansky Auditorium, New York


ニュヨーク市立大学にある Education Centerは、全米屈指の大学院で多くの優秀な学者を輩出しているが、一般大衆向けに文化・教養振興のための活動も行っており、ニューヨークタイムズとの共同企画によるArts And Leisure Weekend は、その一環として2001年に始まったもの。その中でマンハッタン5番街の34丁目と35丁目の間にある Proshansky Auditorium (収容人員400人)において1月5〜7日の3日間にわたる公開インタビューは、様々な分野のアーティストを招き、じっくりと話を聞くプログラムだ。2007年は、シンガー・アンド・ソングライターとしてJTが登場した他に、俳優のフォレスト・ウィッテカー、舞踏家のミクハイル・バリシニコフなどが登場したらしい。インタビュアーは作家・批評家のステファン・ホールデンで、1970年代にローリングストーン誌への寄稿で有名となり、現在はニューヨーク・タイムズで批評を長年にわたり担当している。

インタビューは、家族の話題から始まりテイラー・ファミリー(兄弟)の現況を語る。途中ネクタイに付けた小型マイクの調子がおかしくなり、声が途切れ途切れになってしまうところでは、当惑してマイクをセットしなおすJTの仕草に観客が笑う。作曲過程についての話で、多くの歌は自分の視点で書いたが「I Will Not Lie」や「Steamroller」は、自分ではないキャラクターで書いたものだと答えている。日頃ヴォイスレコーダーを持ち歩き、思いついたフレーズを録音、ばらばらの断片を繋げて曲にする事もあると言い、その例としてキムとの出会いを歌った 1.「On The 4th Of July」をあげる。ギターを弾きながら、ハミングでメロディーを歌うが、いつもと異なる演奏なのでギターパートを頻繁に間違え、苦笑して「ここはカットね!」と言って観客を笑わせる。途中から歌詞を歌いだすと調子が出てきて、自由なテンポと歌いまわしのくだけた感じが通常のパフォーマンスにない新鮮な感じで、それなりに素晴らしく面白い。自分は特定のテーマで歌を書こうと意識して作業することはなく、ミュージカルのために書いた「Millworker」は例外と言う。「So, do you do a lot of polising? (作品の磨き上げをしますか)」というステファンの質問に対し、下を向いて靴を見つめるJTの反応は軽妙だ。

音楽的に影響を受けた人として、レイ・チャールスを筆頭に、トム・ラッシュ、ジム・クエスキン・ジャグ・バンド、ソニー・テリーとブラウニー・マッギー、ハンク・ウィリアス、デイブ・ヴァン・ロンク、エリック・フォン・シュミットをあげる。自分の中の南部的要素は父から、北部は母から受け継いだと語る。カントリー音楽への愛着として、交流のある人々としてアリソン・クラウス、エイミー・グラント、ヴィンス・ギル、リッキー・スキャッグス、ジェリー・ダグラス、エドガー・メイヤー、マーク・オコナー、エミールー・ハリス、タミー・ウィネット、ジョージ・ジョーンズをあげ、そのアイリッシュ、スコティッシュ、アフリカン音楽の融合が好きだと説明する。ギター・サウンドの話では、ギターを持ちハンマリング奏法を効かせた「Counrty Road」や「Traveling Star」のイントロを弾く。さらにスリーフィンガー奏法に加えて、親指のベースラインが独立して動くことによりピアノのようなサウンドを出すこと、8度の音を入れるのが特徴。そしてメイジャー 7thやサスベンド 4thをよく使うといい、ボブ・ディランの「Don't Think Twice」の1節を歌ってみせる。ディランについて、「Slap Leather」は彼の「Subterranean Homesick Blues」から、「Carolina In My Mind」は「Mr. Tambourine Man」を思いながら書いたという。ロンドンでのアップルの契約の話に続き、アルバム「Sweet Baby James」は、僅か8000ドルの予算で2週間で作られたエピソードから、ロックビジネスの巨大化についての話になる。

2.「Sweet Baby James」での話では、この曲のに韻の踏み方をJTが演奏しながら解説する。歌いながら韻を合わせている場所を指摘し、時にはその解説を字余り風に歌い、その楽しさのために観客は笑いと拍手で応えている。JTがSBJを演奏する音源・映像は数多く存在するが、ここでのバージョンは珍品といえるものだ。

このインタビューの模様は、収録日当日にインターネットにより、全世界に配信された。


The Canadian Song Writers Hall Of Fame 2007  音源

James Taylor : Vocal, A. Guitar
Unknown : Guitar
Unknown : Keyboards
Unknown : Bass
Unknown : Drums
Unknown : Percussion
Unknown : Violin
Unknown : Strings


1. Woodstock [Joni Mitchell]


収録日 : 2007年1月29日、Toronto Convention Centre, Canada


カナダ人のシンガーアンドソングライターを表彰するセレモニーに出演、名曲「Woodstock」を歌ったもの。その模様はCBCラジオで放送された。同年3月5日にCBCテレビで放送されたという記録があるが、私が入手できたのは音源のみだ。JTによる「Woodstock」のパフォーマンスというと、1997年5月のラジオトーク番組ハワード・スターン・ショウでの演奏がある。その際のJTの弾き語りは自由かつ強烈なもので、彼が持つダークな側面の魅力がフルに出たものだった。ここではバンドをバックにきっちり歌っており、この演奏も悪くない。楽器演奏はJTのアコースティック・ギターを中心にオルガン、バイオリン、ギターがぴったりと寄り添う。サウンド的には彼のハウスバンドのような気もするが、通常この手のセレモニーでは出演するゲストに対し、同じミュージシャンがバックを務めるのが普通であり、この曲のみJTバンドというのもないかな?インターネットで調べてみたが、バックバンドについての資料がなかったので不明とした。

その他ゲストとしてチャカ・カーンが「Help Me」を歌ったそうだ。



The 79th Academy Awards 2007   映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar
Randy Newman : Piano
Unknown : Bass
Unknown : Drums
Unknown : Strings

1. Our Town [Randy Newman]

収録日(放送日): 2007年2月25日、Kodak Theater, Hollywood


第79回アカデミー賞の「Best Original Song」に「Cars」の「Our Town」 B28がノミネートされ、ハリウッドのコダックシアターにおける授賞式での演奏映像。ステージの背景には、「Cars」お馴染みのロゴのセットが配され、ランディ・ニューマンとJTの二人がスポットライトを浴び、リズムセクションやストリングスはセットの裏で演奏している。

おそらくサウンドのヒアリングに問題があったのではないかと思われ、その分いつもの表現力・説得力に欠けているように思え、居心地が悪そうに見える。とは言え、ランディと一緒にこの曲を演奏するシーンを観れることで満足すべきだろう。頑張って演奏したにもかかわらず、結局アカデミー賞は彼らの後に演奏した競争相手のメリッサ・エスリッジにさらわれてしまい、かわいそうだった。

ちなみに2007年2月20日収録で、JTがこの曲を演奏しているという音源が別途存在する。資料ではロスアンゼルスのWiltern Theaterとあるが、JTのコンサート記録によると、その日の会場は同じロスアンゼルスの Wilshire Theaterとある。どちらも実在する会場であるが、ここでの場所は後者のほうが正しいように思える。とすると 当該コンサートは、One Man Band ツアーのひとつで、ピアノとアコギのみの伴奏でもあるため、この音源のピアノ伴奏はラリー・ゴールディングとなる。25日のアカデミー授与式における演奏のためのリハーサルとして演奏してみたのかな?


BBC Radio 2 2007   ラジオ音源

James Taylor : Vocal, A. Guitar


1. Another Day
2. London Town
3. Secret O' Life
4. Sweet Baby James

Johnny Walker : Host

放送日: 2007年4月8日、BBC Radio2


2007年4月にラリー・ゴールディングとのワンマンバンド・ツアーのために渡英したJTがプロモーションのためにBBC Radio2に出演した。ホストは日曜日4:30-6:30をうけもつジョニー・ウォーカー。冒頭「Live In Rio」 B14 収録の「How Sweet It Is」のライブ音源から始まる。ギターは何台持っているという質問に対し、「1ダース位かな。これ以上だと弾けなくなってしまうから」。ワンマンバンドはラリー・ゴールディングのことで、自分一人ではないこと、コンサートで登場するドラムマシーンの話の後、1.「Another Day」を演奏する。エコー処理のないまま歌うので、いつもよりも生々しい。この曲の弾き語り演奏を聞くのは初めてだ。1985年の「Live In Rio」の経験で、30万人のオーディエンスを前に演奏した高揚感が、自分の不幸を嘆いていた従来の生き方の転機になったことが語られ、冒頭に「How Sweet It Is」が流れたこと、そしてその演奏のテンションが異常に高かった理由がわかる。アーティストとして生きることの難しさから、イギリスのアップル・レコードからのデビューの思い出になり、自分にとってイギリス、ロンドンに「帰る」ことが、素晴らしい事であると言う。ここで 2.「London Town」が歌われる。レコード以外では始めて聴く演奏で、明らかに歌い慣れていなくて、ぎこちないけど、歌には万感の思いが込められていて心に迫るものがある。

「よく歌詞を覚えているね」とホストが感心するのに対し、JTは「よく歌詞の1番、2番とか順番を間違えるんだ」と答える。今回のイギリスツアーの話題のあと披露される 3.「Secret O' Life」になると、JTはかなりリラックスした雰囲気になっている。曲作りの話で、浮かんだフレーズを記録させるため、ヴォイス・レコーダーを持って歩くこと。「Slap Leather」、「Steamroller」のように突然すっと出来た曲もあれば、「Mean Old Man」のようにじっくり時間をかけたものもあると言う。ポール・サイモンの授賞式に参加して「Slip Slidin' Away」を歌う予定があることに続き、「Sweet Baby James」作曲のエピソードが語られ、4. が演奏される。メロディーやテンポを崩し、いつもとかなり異なる感じの演奏で、まるで自宅で、くつろぎながら歌っているかのようだ。最後にUKツアーのスケジュールがアナウンスされ、番組が終了する。



MLB World Series 2007   音源映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. National Anthem (Star Spangled Banner)


収録: 2007年10月25日 Boston Fenway Park


2004年に続き、2007年のワールドシリーズ第2戦で、アメリカ国歌「Srar Spangled Banner」を歌った。この曲の由来は、1814年に詩人・弁護士のフランシス・スコット・キーが英米戦争で、ボルチモア港のマクヘンリー砦の戦いで、星条旗を目にした体験をもとに合衆国の勝利を祝って書いた詩「The Defence Of For M'Henry」の一節を、1780年ジョン・スタフォード・スミスが書いた酒飲み歌「Anacreon In Heaven」のメロディーに乗せたもので、1931年にアメリカ国歌に正式採用された。

JTはホームプレート前に立ち、ギターを弾きながら歌う。球場の音響効果には問題があるようで、JTはインタビューで、「You have to focus on what you're singing and not on what you're hearing back because it comes back to you about five seconds removed」と語っている。レッド・ソックスについて、「As New Englanders, we identify ourselves by a number of things: maple sugar, lobsters, the leaves turning, the Boston Tea Party and the Sox. It's part of our blood」と答えている。

試合は2対1でレッドソックスが勝ち、岡島が途中6〜8回の中継ぎで登板し、ロッキーズの反撃をしっかり抑えた。シリーズは第3戦での松坂の活躍もあり、2004年と同様4戦全勝でチャンピオンとなった。


Bakersfield CA 2007   映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. Act Naturally [Star Spangled Banner)


収録: 2007年11月12日 Rabobank Arena, Bakersfield, CA


アマチュアによる映像は、手振れがひどく音質も悪いので鑑賞に耐えないものが多く、通常は本HPには載せないんだけど、本映像のように珍しいものまで排除する事はないですね、ということで掲載します。JTが「Sweet Baby James」についてのお馴染みの曲解説をした後に、いつものギターのイントロが始まるが、彼が歌いだしたのは 1.「Act Naturally」だった! オーディエンスは大喜びだ。カリフォルニア州ベイカーズフィールドは農業と石油産業で発展した町で、1950年代の後半ナッシュビルに対抗して生まれたカントリー音楽の発祥地となった。そのロックンロール音楽を取り入れたスタイルは「Bakerfield Sound」と呼ばれ、マール・ハガード、バック・オウエンス等を輩出した。「Act Naturally」は、バック・オウエンス1963年のヒットで、1965年にビートルズがリンゴ・スターのボーカルで録音し、アルバム「Help」に収録され世界的に有名になった曲だ。個人的にはシングル盤「Yesterday」のB面として思い出深く、またザ・ビートルズ東京公演のステージでリンゴが歌った曲として、日本人にもなじみが深い曲だ。さらっと歌い終わった後に、メドレーで「Sweet Baby James」になるが、映像は残念ながら、その途中で切れてしまう。

地元へ敬意を表するために、冗談でご当地ソングを口ずさんだもので、被写体が小さく手振れもあるので画質は良くないが、音質はまあまあで、とても面白く鑑賞できる。


Ellen DeGeneres Show 2007   映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. Carolina In My Mind (部分)

Ellen Lee DeGeneres : Host

放送 : 2007年11月15日


エレン・デジェネレス(1958〜 )は、コメディアン、女優、そしてトークショーのホストとしてアメリカでは大変な人気がある人だ。最初はスタンドアップ・コメディーと呼ばれる舞台上のコメディー・トークで売り出し、1990年代には彼女は何本かの映画に主演したが、成功したのは「Ellen Show」というコメディーTVシリーズだった。現在は2003年以降続いているトークショウの司会で頑張っている。

JTは「One Man Band」のプロモーションのため 11月15日のエピソードに出演。インタビュー中で、最初にヒットした曲として「Carolina In My Mind」の話となり、「ちょっと弾いてくれる?」という彼女にリクエストに応えて、ギターを手にとるがカポがなく、代わりに横に座っているエレンが右手の人差指でフレットを押さえて演奏を始める。力足らずでボソボソとミュートされた音で演奏しているのが面白い。1節歌った後にスタッフがカポを見つけたので、一件落着するが、エレンは押さえた指が痛そう。本格的に歌いだすが、歌詞の1番でストップする。その後に、この曲を書いた当時の様子、アップルでのレコード製作の思い出が語られる。

演奏としては不完全であり、実質的にトークショーにおけるインタビュー番組であるが、カポのハプニングが面白い一品。



Troubadour 50th Anniversary 2007   映像

James Taylor: Acoustic Guitar
Carole King: Piano
Danny Kootch: Electric Guitar 
Lee Sklar: Bass
Russ Kunkel: Drums


1. Blossom (部分)
2. Up On The Roof [Carole King, Gerry Goffin]  (部分)
3. You've Got A Friends [Carole King]  (部分)
3. Sweet Baby James  (部分)

2007年11月28〜30日 Trobadour, West Hollywoodにて収録


トゥルバドール(「吟遊詩人」の意味)は、ウエストハリウッドのサンタモニカ・ブルーバードにあり、1957年の設立以来現在に至るまで、多くのアーティストのライブ演奏を行ってきた。特に70年代は、ジェイムス・テイラー、ジョニ・ミッチェル、キャロル・キング、エルトン・ジョン、キャット・スティーブンス、トム・ウェイツ等が、大スターになる直前の売り出し中にコンサートを行ったことで有名。個人的にはキャロル・キングが1971年5月に行ったライブの模様を収めた海賊版「Fit For A King」が大好きで、音質は悪かったがそれなりの臨場感と素晴らしい演奏で、何度も聴いたものだった。

この場所が50周年記念イベントとして、特に縁の深いJTとキャロル・キングが、リユニオンコンサートを行うことが発表された時、ファンの間では騒然となった。11月28〜30日の3日間、2回づつ計6回のコンサートとなったが、チケットの争奪戦は凄かっただろう。新聞記事によると観客席には、JTやキャロルの家族に加えて、ジェリー・ゴフィン(キャロルの元夫で、ヒットメイカー時代の共作者)、バリー・マンとシンシア・ウェイル夫妻(作曲家仲間)、キャロル・ベイヤー・セイガー(近年キャロルと親交厚い作詞家)、ジョニ・ミッチェル、スティーブン・スピルバーグ他、多くの音楽仲間やセレブリティーの顔が見られたという。コンサートの模様は撮影・録音されたというが、今のところ観ることができたのはテレビ・ニュースにおけるリハーサルやコンサートの断片、インタビューと、オーディエンス・ショットによる断片のみだ。曲の一部分のみなので、演奏にいて何とも言えないが、3.「Sweet Baby James」においては、バンドの伴奏が入っていて、コーラスのパートではキャロルがハーモニーを付けているのがユニークだ。


注) 通常は断片については、本ディスコグラフィーの対象外としますが、本映像についてはヒストリック・パフォーマンスとしてあえて掲載しました。

[2010年追記]

上記の音源および映像は2010年に公式発売されました。めでたし、めでたし。


BBC2 With Clive Anderson 2007  ラジオ音源

James Taylor : A. Guitar
Clive Anderson : Host

放送: 2007年 12月 7日


クライブ・アンダーソン(1952〜 )は元弁護士で、コメディー作家として成功、現在はテレビやラジオの司会でも活躍している。この約30分のラジオ番組では、CD 「One Man Band」からの曲が使用され、JTによるライブ演奏はない。しかしスタジオにギターを持ち込んだようで、時折ギターを爪弾きながら質問に答えている。「Carolina In My Mind」や「Fire And Rain」のイントロなどの他、彼が手癖にしているクリシェフを聴くことができ、音質も良いので、それなりに魅力的。

インタビューの内容は、新作「One Man Band」の事、アップルレコードとの契約、「Sweet Baby James」の成功、「Frozen Man」、「Fire And Rain」のエピソード、キャロル・キングとのトルバドゥールでの再会ライブ、マサーチューセッツでの暮らし、昔バイク事故で腕の骨を折った事、自身によるギターレッスンの企画.......等で、特に目新しい内容はなかった。興味深かったのは、彼の収入はコンサートの売り上げによるものが大きく、レコードやCDの販売はあまりお金になっていないと答えている点だった。本当かな〜?


BBC The One Show 2007 TV映像

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Gyles Brandreth : Host

1. Traffic Jam (部分)

放送: 2007年 12月 10日


BBC Oneが午後7時に放送するニュース・ヴァラエティー番組「The One Show」にゲスト出演したもの。ホストは作家、司会者のジャイルズ・ブランドレスがインタビューを行い、JTはそれに応えた後に 1.「Traffic Jam」を歌う。通常この曲は、はリズムセクションとコーラスをバックに演奏するのだが、ここではギターの弾き語り(自身の爪によるコードストローク奏法)み歌う様は、珍品といえる。ちょっとだけで止めてしまうが、それでも十分面白い。


Later With Joolz Holland (BBC TV) 2008  TV映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar
Larry Goldings : Keyboards

1. Sweet Baby James
2. Copperline
3. School Days [Larry Goldings]
4. Sweet Baby James

Jools Holland : Host

注) 3.はJT非参加

放送: 2008年 4月 1日


JTは、3月末〜4月にワンマンバンドのツアーのために渡欧、プロモーションのためジュールズ・ホランドがホストを勤める「Later」に出演した。本番組については、「その他断片 1990年代」の部 1997年12月の記事を参照のこと。

注) 番組を通して観ていないので、以下の進行に関する記述については推測が入っています。

JTがラリー・ゴールディングスをバックに1. 「Sweet Baby James」を歌う。ラリーはピアノの他に、机の上に置いた携帯式オルガンを弾いている。アコーディオンのような蛇腹が動いているのが見えるが、両手は鍵盤を押さえているので、足元のペダルか、電動式で動いているのだろう。インタビューでは、ワンマンバンドの「Back To The Basic」というコンセプトから、ノースキャロライナでの自分のルーツ、カリフォルニアでのキャロル・キング等との活動が語られる。その間、1971年のBBC放送における「You've Got A Friend」のクリップが流れる。次に演奏する「Copperline」について語った後、アートショップでたくさん買い物をする癖についての話になり、「抑え目にしているが、最近は金物屋でキラキラ光るものを買ってしまう」と答えている。2.「Copperline」の後に、ラリーのピアノソロによる3.「School Days」が演奏され、ほぼ切れ目なく 4.「Sweet Baby James」になる。番組中に同じ曲を2回演奏するのは不思議な感じがするが、カメラアングルなど明らかに異なるものだ。



BBC Hardtalk 2008  TV映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. Fire And Rain (Incomplete)

Stephen Sackur : Interviewer

放送: 2008年 4月 8日


「BBC Hardtalk」は、毎週月〜木の週4回、BBC World、BBC News 24から放送されるインタビュー番組。各界の著名人、特に各国の大物大臣・首相クラスの人が出演することが多く、ボーイ・ジョージからパキスタンのムシャラフ大統領まで多彩な顔ぶれである。ホストのステファン・サッカー(1964〜 )は、BBC専属のジャーナリストで、東ヨーロッパの民主化、ドイツの壁崩壊、湾岸戦争、中東問題のニュースを取り扱い、後にワシントン特派員としてクリントン大統領のルインスキー・スキャンダルや、ジョージ・ブッシュ大統領とのインタビューを担当した人だ。

まずJTがホストの目の前で、1.「Fire And Rain」を演奏するが、歌詞の2番を歌ったところでカットされるのは時間の関係かな? 続くインタビューは、この曲についての話から始まる。本曲の苦悩に満ちた内容に対し、「Sweet Baby James」の無垢な心、故郷や家族への思いは、どちらも同時期に書かれた自叙伝的な内容ではあるが、矛盾するものではないと答えている。麻薬中毒の話では、60年代末から18〜19年間続いたと告白している。友人のジョン・ベルーシ(コメディアン・俳優。1982年麻薬の過剰摂取で死亡)と互いに注意し合っていたこと、当時は彼も危険な状態で、中毒や交通事故で死んでいたかもしれなかったと語っている。

次に政治への関与の質問となる。特にブッシュ大統領になってからの世の中の動きに対し、「変えなくてはいなけい」と力説。ディキシー・チックスのナタリー・メインズが、2003年ロンドンのコンサートで発言した「私は今の大統領を恥ずかしく思う」という発言が巻き起こした騒動につき、偏狂的な愛国主義への懸念を控えめに表明し、自身愛国者であると断言する。民主党のヒラリー・クリントンとバラック・オバマが、大統領候補指名獲得のために激しく争っている最中に、「あなたはどちらを好むか」と聞かれ、「どちらも素晴らしく決められない」と答えにくそうにコメントする。JTの語りは何時になくナーバスで、どもり気味だ。彼が民主党の候補者をサポートすると、マクガバン、モンデールなどのように、いつも負けてしまうので、どちらも依頼に来ないだろうと話してお茶を濁している。クリントン元大統領およびヒラリー夫人は、一般的にミュージシャンとの親交が深かったため、多くのアーティストが現在の状況に困惑している様が象徴されているようで面白い。最後にワンマンバンドのついての話で、ルーツに戻ることの意義、演奏旅行で各地を巡り、多くの人のために昔の曲を繰り返し演奏することを楽しみ、飽きることがないと答えている。

ポリティカルな内容が大変興味深いインタビュー番組だ。



Che Tempo Che Fa (Italy) 2008  TV映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar
Larry Goldings : Piano

1. You've Got A Friend [Carole King]

放送: 2008年 4月 13日


JTはワンマンバンドのヨーロッパ・ツアーでイタリアを訪れ、4月12日フローレンス、13日ミラノ、15日ローマでコンサートを行った。その際イタリアの国営放送RAI(「Radiotelevisione Italiana」、日本のNHKのようなもの)の1部門、RAI Threeのテレビ番組に出演した。画面右上にRAI TREのロゴが見える。ここでJTはラリー・ゴールディングスのピアノをバックに 1.「You've Got A Friend」を歌う。日光に反射して揺れ動く水面のような背景の映像が面白い。エンディングでは従来の演奏になかったアドリブボーカルを聞くことができる。


BBC Four JT Night 2008  TV映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. 12 Bar Blues
2. Steamroller
(部分)

放送: 2008年5月2日 UK


ドキュメンタリー専門のイギリスのテレビ局、BBC Fourが放送したJT特集番組から。JTが、「Anyone can play the blues」というタイトルで、カポ3フレットで12小節ブルース・テューン(キーG)を弾きながら解説する。1分ちょっとの短いシーンであるが、インストルメンタル曲として面白く観ることができる。つぎにおなじみの 2. 「Steamroller」(部分)を弾き歌う。その他、「Sweet Baby James」録音当時の1970年代のカリフォリニアについてのインタビュー映像もある。


NBA Final, Boston 2008  TV映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar

1. National Anthem (Star Spangled Banner)


収録: 2008年6月5日 Boston

 
2008年6月5日、ボストンで行われたバスケットボール・リーグの優勝決定戦(第1戦)のオープニングにJTが出演、アメリカ国歌(Star Spangled Banner)を歌ったもの。ボストンのセルティックスと、ロスアンジェルスのレイカーズとの戦いは、第1戦は98対88でセルティックスが勝ったが、その後は混戦となり、最終的に対戦成績 4勝2敗でセルティックスが優勝した。

紹介を受けて登場したJTが持っていたギターは、いつものオルソンではなく、小さなボディーの見慣れないモデルだった。それはLine6という、サウンドエフェクト、録音用機材やアンプのメーカー(本社カリフォルニア州)が製作した、マイク内蔵型のアコースティック・ギターだった。何でこのギターを弾いたのか、経緯は不明であるが、画像を見る限りでは、音響効果が良くなく、ギターの音がよく聞き取れないため、このモデルの真価についてはわからない。


Tanglewood With Carole King 2008  映像 
 
James Taylor: Vocal, Guitar
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldings : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass
Steve Gadd : Drums
Luis Conte : Percussion
Walt Fowler : Trumpet, Flugelhorn, Additional Keyboards
Lou Marini Jr. : Sax
Arnold McCuller, David Lasley, Kate Markowitz, Andrea Zonn : Back Vocal

[Guest]
Carole King : Vocal, Piano (4)
Yo-Yo Ma : Cello (2)
John Travolta : Speech
Kelly Preston : Electric Guitar (6)
Homer Simpson : Speech (Video)

1. Shed A Little Light
2. Sweet Baby James  (部分)
3. Natural Woman [Carole King, Gerry Goffin]
4. Up On The Roof [Carole King, Gerry Goffin]
5. You've Got A Friend [Carole King]
6. How Sweet It Is (To Be Loved By You) (部分) [Holland, Dozier, Holland]


収録 : 2008年7月4日The Koussevitzky Music Shed, Tanglewood Music Center, Lenox, Massachusetts 


JTの地元マサチューセッツ州タングルウッドで毎夏開催されるフェスティバルは、いつも豪華なゲストが参加するが、2008年は彼の60才のお祝いとして、特別な人々が参加した。そして画質の悪いスクリーン・ショットではあるが、その模様の一部を観ることができた。

まず「James Taylor And His Band Legends」という当時のツアーバンドとのステージから 1.「Shed A Little Light」。コーラスとブラスが大きくフィーチャーされる曲のため、バック・ボーカリスト4人およびブラスの2人の映像をたっぷり見ることができる。トランペットのウォルト・ファウアーは、ペットを吹きながら左手でシンセサイザーを弾いているのがわかる。コンサートの後半でジョン・トラボルタが登場、JT60才の誕生日を祝うスピーチを行った後、ヨーヨー・マを紹介、2.「Sweet Baby James」が始まる。私が観た映像は途中からのものであるが、ここでのスクリーン・ショットの質は比較的良いので、十分楽しめるレベルだ。地元なので、JTが歌詞のなかで「ボストン」と歌うと、皆大喜び。その後スクリーンに人気アニメ「Simpsons」のホーマー・シンプソンが出てきて、いつもの辛辣な感じでお祝いを述べる。そこでは、JTが同番組でゲスト参加した1994年のエピソード「Deep Space Homer」(その他「1990年代」の部参照)の1シーンがフィーチャーされる。

次に大歓声の中、キャロル・キングが登場。前年のトルバドゥール・リユニオン以来の共演だ。ここでキャロルは、JTバンドをバックに3.「Natural Woman」を歌う。ピアノを弾かずに歌う彼女は、声がかすれ気味であるが、いつになくエモーショナルな歌唱をみせてくれる。一方4.「Up On The Roof」では、彼女はピアノを弾きながら歌う。そして 5.「You've Got A Friend」では、キャロルがギターを弾くJTの横に寄り添うように座って歌う様が珍しい。アンコールで演奏されたものと思われる6.「How Sweet It Is」は、エンディングのみ観ることができた。キャロルとジョン・トラボルタの横でエレキギターを手に楽しそうにしている女性は、ジョンの奥様であるケリー・プレストン(女優で代表作は「ツインズ」1988、「フロン・ダスク・ティル・ドーン」1996、「ザ・エージェント」1996等で、1991年にジョンと結婚)。

画質・音質は悪いけど、歴史的な映像として価値あり。



Red Rocks 2008  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Lionel Young : Electric Violin
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldings : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass  
Steve Gadd : Drums
Luis Conti : Percussion
Walt Fowler : Flugelhorn
Lou Marini : Sax
Arnold McCuller : Back Vocal
David Lasley : Back Vocal
Kate Markowitz : Back Vocal
Andrea Zonn : Back Vocal


1. Hound Dog [Jerry Leiber, Mike Stoller]

収録: 2008年8月6日 Red Rock Amphitheater, CO


レッド・ロック・アンフィシアターは、コロラド州デンバー郊外にある屋外コンサート会場で、収容人員は約9,500人。当地で開かれた、バンド・オブ・リジェンズのサマーツアーのコンサートに、地元も若手バイオリニスト、ライオネル・ヤングがゲスト出演した。彼はクラシック、ブルースの両方で活躍する才人で、地元デンバーを活動拠点とする縁でゲスト参加したのだろう。1997年に自身のバンド、ライオネル・ヤング・ブルース・バンドでCDを1枚出している。曲は 1.「Hound Dog」で、リラックスしたアレンジ。ピアノ、サックスに続いて、ライオネルがソロをとる。エレキバイオリンをギターのように抱えてピチカートで演奏すう様が面白い。エレキギター、弓弾きによるバイオリン、オルガン、フリュゲルホーンと短いソロが回されるうちにJTが登場し、演奏がブレイクしたところで、「この曲はエルヴィスで有名ですが、今夜はビッグママ・ソーントンのバージョンでやります」とアナウンスして歌いだす。コーラスも入り、余裕綽々でカッコイイ演奏だ。

複数のカメラを使用、クローズアップもある良質のプロショット。バイオリンのソロも個性的。



Stand Up To Cancer 2008  TV映像

James Taylor : Vocal, A. Guitar
Sheryl Crow : Vocal
Larry Goldings : Piano
Lee Sklar : Bass
Russ Kunkel : Drums

1. Fire And Rain

2008年9月5日 Kodak Theatre, Hollywoodにて収録


2008年9月5日の夜、CBS, NBC, ABCの3大ネットワークが、ガン撲滅のためのチャリティー番組を同時に放送した。そこには俳優のジョン・ブラック、ジェニファー・アストン、ハル・ベリー、キアヌ・リーブスや、大統領候補のジョン・マケイン、バラク・オバマ他、各界の有名人が登場した。JTはシェリル・クロウと一緒に、会場で 1.「Fire And Rain」を歌った。生と死をテーマとしたこの曲はガンとの闘いという思いを込めて歌われ、新たな意味を持ったように聴こえる。ジェイムスの歌に続き、シェリルがソロで歌う。彼女自身も2006年に乳ガンの治療を受けており、その歌には心に迫るものがある。コーラスではJTがハーモニーをつける。この曲をデュエットで歌ったのは、おそらく初めてじゃないかな?演奏シーンではよく見えないが、JTが着ているTシャツには、「In Memory Of」とプリントされており、そこに「Don Grolnick」、「Michael Brecker」という、ガンで亡くなった音楽仲間の名前が手書きされている(演奏の前後に撮影された二人のプレスショットで確認したもの)。ちなみに音楽面では彼ら以外に、マライア・キャリー、ビヨンセなど女性シンガーのオールスターによるパフォーマンスも放送された。

トルバドゥールに続き、リー・スクラーがベースを担当しており、その髭もじゃの姿を拝めるのもうれしい映像だ。

[2020年5月追記]
JTとシェリルのリハーサルの映像を観ることができた。投稿者(撮影者?)はリー・スクラー。ふたりは椅子に座り、JTがギターを弾きながら「Fire And Rain」をくだけた感じで歌い、後半からシェリルが加わる。初めての顔合わせといった感じで、ハーモニーの分担を歌いながら決め、それに周りにいる人たちが、伴奏やリズムを口ずさんでいる様も面白い。私的な撮影による荒っぽい映像で、シェリルのすっぴんの顔がスゴイ!


Good Morning America 2008  TV映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Yo-Yo Ma : Cello (1,4)
Michael Landou : Electric Guitar (2,3)
Larry Goldings : Keyboards (2,3)
Jimmy Johnson : Bass (2,3) 
Steve Gadd : Drums (2,3)
Andrea Zonn : Violin (2), Back Vocal (3,4)
Arnold McCuller : Back Vocal (3)


1. Sweet Baby James
2. Whichita Lineman [Jim Webb]
3. Shower The People (部分)
4. Here Comes The Sun [George Harrison]

収録: 2008年9月15日 Red Lion Inn, Stockbridge, Massachusetts


「Good Morning America (GMA)」は、ABCテレビによるアメリカを代表する朝のニュース番組だ。11月4日の大統領選挙に係るイベントとして、アムトラックの列車で50州を50日で回るという「Whistle Stop Tour」が企画され、その初日9月15日はマサチューセッツ州のレノックスが選ばれた。走る列車の中からニュースが放送され、ダイアン・ソウヤー、ロビン・ロバーツ、クリス・クオモ等のアンカーとスタッフはストックブリッジで下車して、町の中心にある歴史的建造物レッド・ライオン・インのポーチで行われたJTのコンサートに参加した。まずJTとヨーヨー・マが 1.「Sweet Baby James」を演奏する。過去の公式映像では、2003年のグラミー賞でのパフォーマンスがあり、最近ではタングルウッドでのコンサートで二人の演奏を見ることができた。「Now the first of December was covered with snow, And so was the turnpike from Stockbridge to Boston, Lord, the Berkshires seemed dream-like on account of that frosting, With ten miles behind me and ten thousand more to go」と歌う部分で、JTが「Stockbridge」と歌うとオーディエンスは大きな歓声をあげる。JTはダイアン・ソウヤーとのインタビューで、約40年前に「Fire And Rain」を書いた地でもあり、彼にとって縁の深い場所であると答えている。次に、10月に発売される「Covers」から「Whichita Lineman」が歌われる。画面ではジミー・ジョンソン、マイケル・ランドウ、ラリー・ゴールディングス、バイオリンを弾くアンドレア・ゾーンが確認できる。スティーブ・ガッドの姿は見えないが、ドラムスの音は聞こえる。

番組で放送されたのはこの2曲であるが、地元のメディア「Berkshire Eagle」がテレビ放送用に撮影した映像がある。番組の制作・撮影風景をの映像で観ることができる 3.「Shower The People」はエンディングのコーラスの部分のみで、アンドレア・ゾーンとアーノルド・マックラーの声が聞こえるが、ここでは彼はバックに徹しソロボーカルはとっていない。4.「Here Comes The Sun」はご存じビートルズのアルバム「Abbey Road」に収められていた名曲で、ヨーヨー・マと一緒に気持ち良さそうに演奏している。10月発売のヨーヨー・マのアルバム「Song Of Joy And Peace」に、二人によるこの曲の演奏が収録されている。コーラスの部分では、アンドレアらしいハーモニーが聞こえる。


Borders Live 01 2008  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Something In The Way She Moves
2. (Interview)
3. Suzanne [Leonard Cohen]
4. Carolina In My Mind
5. (Interview)
6. Secret O' Life
7. Sweet Baby James
8. (Interview)
9. Mexico

収録: 2008年10月2日 Borders Store 01, Ann Arbor, Michigan



ミシガン州のアン・アーバーは、デトロイトの西50キロにある町。1971年にボーダー家が当地で開いた本屋は繁昌し、全米各地に多くの支店を持つ大会社に成長する。現在はKマートに買収され、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールにも進出、2001年からはアマゾンと組んでネット販売にも乗り出している。JTは10月1日発売の新作「Covers」の販促活動として、10月2日にボーダー社の本拠地であるアン・アーバーの店舗「#01」で、ミニライブとサイン会を開催した。その模様は10月7日の同社のインターネットショップ、Borders Book Storeで配信された(アドレス: www.bordersmedia.com/shows/live01/taylor.asp) 。通常はこの手のサイトの場合、ストリーミングのみなんだけど、ここでは当時、サイン会、インタビュー等を含む45分45秒におよぶ全編のダウンロードが可能となってていた。

書店の一角にマイクと椅子がセットされ、JTは本棚に囲まれてプレイする。店内は彼を目当てに集まった人々で超満員で、彼が登場すると大きな拍手が起きる。全体的にリラックスしたパフォーマンスで、1.「Something In The Way She Moves」や4.「Carolina In My Mind」など、通常のコンサートでの演奏の雰囲気と異なり、プライベートな場所で友人のために歌っているような感じだ。新作「Covers」からは、レナード・コーヘンの名曲 3.「Suzanne」のみで、あとはお馴染みの曲。特に珍しいのが最後の 9.「Mexico」で、このリズミカルな曲をギター1台のみで見事にこなしている! 「One Man Band」のコンサートツアーでもレパートリーになかったはずで、この曲の弾き語りバージョンは初めてだと思う。バンド演奏を一人でカバーしてしまうJTのギターの巧さは格別だ。JTはこの曲だけギターを持ち換えて、NBAファイナルで使用していたLine6という小型のエレアコを使用している。胴が薄く弾きやすそう。比較的生っぽい音で録音されていて、この手の楽器のシャリシャリした音が強調されているが、それなりに曲のムードに合っている。

曲間に挿入されるロブ・ラインハルト(地元生まれ、育ちのラジオ司会者で「Acoustic Cafe」という番組が有名)によるインタビューで、JTはバックバンド「Band Of Legends」について、ほとんど一発録りで、皆間合いを心得ていて出過ぎない演奏をすると答えている。また録音したけれど 新作に入れることができなかったアウトテイクが数曲あるが、いずれは全部発表したいと述べている。今回の作品は初めて自身でプロデュースしたものであること、これから次作に向けて本格的な曲作りに取り掛かるつもりとのこと。9.「Mexico」の後で、JTが店内を歩き回りお勧め品を紹介するコーナーが興味深い。(1) マイルス・デイビス(1926-1991) の「Sketches Of Spain」 (1959)。彼が編曲家のギル・エバンスと組んでロドリゴの「アランフェス協奏曲」などを取り上げた傑作。(2) 1963年の「Getz/Gilbert」で、アメリカ人のサックス奏者スタン・ゲッツが、ブラジル人のジョアン・ジルベルトと組み、ボサノヴァが世界的に認知されるきっかけとなったとなった名作だ。アントニオ・カルロス・ジョビンやアストラッド・ジルベルトも参加し、特に彼女が歌った「イパネマの娘」は大評判になった。(3) ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958)はイギリスの作曲家でクラシックの交響曲や歌曲を残したが、イギリスの古いフォークソングの収集で英米のフォークシーンに影響を与えたという。(4) 音楽関係の最後として、息子ベン・テイラーの新作「The Legend Of Kung Folk Part 1」(2008) をベタボメで紹介している。次は書籍の部。 (5)イギリスの小説家パトリック・オブライアン (1914-2000) の海洋冒険小説シリーズ 「英国艦隊の雄ジャック・オーブリー」 (英語では 「Aubrey-Maturin Series」)は、その一部が 2003年 ピーター・ウィアー監督、ラッセル・クロウ主演で映画化された。海が好きなJTらしい趣向だ。(6) ロシアのレフ・トルストイが1877年に出版した名作「アンナ・カレーニナ」。愛のない結婚をしたアンナが士官のヴロンスキーに激しい恋をして感情の赴くままに生き、すべてを失い破滅する物語で、映画やミュージカルにもなっている。(7) ドイツの小説家トーマス・マンの「魔の山」(1924年出版)は、当時の欧州社会に大きな影響を及ぼした教養小説で、JTは若い頃音楽ばかりで大学に行かなかったので、これらの古典は後になってから読んだと解説している。

最後にサイン会の模様が流れ、バックには弾き語りによる「Belfast To Boston」(おそらく当日に演奏したもの)の一部が聞こえておしまいとなる。


The Tonight Show 2008     映像
James Taylor: Acoustic Guitar, Vocal
Larry Goldings : Piano
Jimmy Johnson: Bass 

1. Suzanne [Leonard Cohen]

Jay Leno : Host

放送日: 2008年10月7日



ジェイ・レノ司会のNBCテレビ「ザ・トゥナイト・ショウ」に出演。1.「Suzanne」は新作「Covers」のプロモーションで、何回も演奏されたが、ここではジミー・ジョンソンのベースと、ラリー・ゴールディングスのピアノによる伴奏がついている。古い工場をイメージした暗めのセットのなかで、縁なし帽子を被って椅子に座りながら歌うJTはムードたっぷり。


Obama Rally 2008  映像

James Tayor : Acoustic Guitar, Vocal
Kim Taylor (Caroline Smedvig) : Harmony Vocal (6, 8, 9 Chapel Hill, Raleigh Only)

1. America The Beautiful [Katharine Lee Bates, Samuel A. Ward]
2. Something In The Way She Moves
3. You've Got A Friend [Carole King]
4. Sweet Baby James
5. Fire & Rain
6. Carolina In My Mind
7. Wichita Lineman [Jim Webb]
8. You Can Close Your Eyes
9. Go Obama Go
10. Mexico
11. Road Runner [Lamont Dozier, Eddie Holland]



A. Oct 19 : Charlotte (Ovens Auditorium) 1, 2, 4, 5, 6
B. Oct 19 : Asheville (Martin Luther King Jr. Park)  1, 6
C. Oct 20 : Chapel Hill (Fezer Field, University Of North Carolina)  1, 3, 5*, 6*
D. Oct 21 : Raleigh (Moore Square)  1, 3*, 6 (Sound Check)*, 6, 7, 8, 9, 10*, 11*
E. Oct 21 : Willimgton (Greenfield Lake Park Amphitheater)  1, 3, 9

収録: 2008年10月19〜21日 ノースキャロライナ州


2008年のアメリカ大統領選挙における民主党オバマ候補の勝利は劇的だった。イラク戦争後の同地およびアフガニスタンの政情不安に加えて、サブプライム・ローン問題から発した9月のリーマンブラザース破綻をはじめとする金融不安などに対するブッシュ共和党政権への不満が表面化し、終盤は民主党が大きくリードする結果となった。JTは、オバマとクリントンが民主党候補の座を争っていた時は、クリントンと親交があったため中立的な立場を守っていたが、オバマが候補に選ばれクリントンが支持を表明するに至り、オバマ支持を表明しノースキャロライナ州での支援活動に参加した。アメリカは、民主党を支持する西部・東部の海岸地帯と、共和党が強い南部・中部のふたつの文化があるといえる。JTがスピーチで「Battleground State」と言っていたとおり、同州は北部と南部の境目にあり、1976年以降共和党が勝利を収めていた。今回この州で民主党が勝ったことは大変重要で、テニスゲームで相手のサービスゲームをブレイクしたのと同じ意味があったのだ。ちなみにサウス・キャロライナをはじめとする南部の州はフロリダを除き、共和党が制している。

JTは10月19〜21日の3日間、同州の5つの町でフリーコンサートを行った。そしてスタッフにより撮影されたその模様は、選挙宣伝としてYouTubeに掲載、それ以外に個人撮影の映像も多数寄せられた。そういう意味で今回の選挙活動は、インターネットのメディア媒体をフルに利用したものだった。コンサートは「もう一つのアメリカ国歌」である1.「America The Beautiful」から始まる。最近使いだした小型ギター Line6を使っての演奏だ。歌の合間にJTは選挙に係るプレゼンテーションを行い、そしてお馴染みの曲を演奏する。特に 6.「Carolina In My Mind」は地元だけあって、一層の思いが込められているようだ。最初の地シャルロッテは同州内陸部の町。YouTubeにおける同地の映像ソース2つのうち、一方は画質・音質があまりに悪いので、上記リストの対象外とした。アシェビルはシャルロッテの西に位置し、そこからは選挙スタッフによる公式映像が掲載され、帽子を被り椅子にすわって 6. 「Carolina In My Mind」を歌うJTの良質映像が楽しめる。JTのスピーチや演奏中にオバマ候補と支持者の写真が挿入され、それなりのインパクトがある映像作品となっている。

10月20日のチャペル・ヒルは、ノースキャロライナ大学がある町で、JTの父親が医学部の学長だったため、彼が幼少時過ごした縁がある地である。同大学のグラウンドに約8,000人が集まったコンサートは、公式映像として掲載された。ここでは1.「America The Beautiful」の後、JTのスピーチと 5.「Fire & Rain」、6.「Carolina In My Mind」の断片が収められている。個人撮影による 3.「You've Got A Friend」の終盤のアドリブボーカルで、JTはオバマの名前をユーモアたっぷりに入れ込んで、オーディエンスの喝采を浴びる。21日の日中に行われたラレイでのコンサートは、個人撮影による映像が多く掲載された。なかでも 6.「Carolina In My Mind」と 8.「You Can Close Your Eyes」、「Go Obama Go !」というシンプルなリフによる即興曲 9.「Go Obama Go」で、奥さんのキムがハーモニー・ボーカルを担当するのが珍しい。以前バック・ボーカルに加わる音源・映像はあったが、このように2人で歌う映像は今回が初めてじゃないかな? 日中の明るい日差しと周囲の緑が印象的な映像だ。また本番前のサウンドチェックでの6.「Carolina In My Mind」(断片、キムは不参加)や、ギター1本での「Mexico」(断片)や、バックバンドのカラオケに合わせて歌われる7.「Wichita Lineman」、11.「Road Runner」(断片、JTがハーモニカを吹く)などの新作「Covers」のレパートリーの映像もあり、盛りだくさんで面白い。最後の地で海に近い町ウィルミントンでは、個人撮影ながら比較的良質の映像が楽しめる。

大半の映像がアマチュアによる個人撮影のため、手振れが多く、画質・音質もイマイチであるが、奥さんとのデュエット曲など、ユニークな映像が楽しめる。


WRXP Sessions 2008  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Hamonica, Vocal

1. Suzanne [Leonard Cohen]
2. Wichita Lineman [Jim Webb]
3. Secret O' Life
4. Fire And Rain
5. Everyday (断片) [Norman Petty, Charles Hardin]
6. Roadrunner [Lamont Dozier, Eddie Holland]



Matt Pinfield, Leslie Fram : Host

収録: 2008年10月29日


WRXP 101.9 は、「The New York Rock Experience」というキャッチフレーズの通り、ニューヨークを本拠地とするロック専門のFM局だ。そのWRXPの主催により、「Sessions」と銘打ったJTの新作「Covers」のキャンペーンが開催された。その模様を撮影した映像が同局のホームページに掲載された(当該イベントはラジオでは放送されていないようだ)。局のクルーによって撮影されたものらしく、画質およびズームや手振れなど、機材・技術ともアマチュア的な映像である。司会のマット・ピンフィールドはMTVやVH1のビデオDJで有名な人で、同局で自分のコーナーを持っている。レスリー・フラムはロックのDJで、近年は同曲のスタッフを勤めている人だ。司会者の紹介の後、檀上に上がったJTは、新作について語り、1.「Suzanne」、2.「Wichita Lineman」を演奏する。ここでは録音されたバンドの演奏を使い、JTのボーカルとギターのみ生演奏という「カラオケ」バージョンだ。この手のパフォ−マンスは10月のオバマ選挙応援でも行っていたもの。1.「Suzanne」は途中でフェイドアウトしてしまうのが残念。 3.「Secret O' Life」、4.「Fire And Rain」は弾き語りによる演奏。後者は一人だけで演奏している音源が比較的少ないので、有難や有難や.......。司会者の質問を受け、JTは昔の曲を自分風にアレンジするプロセスを、バディ・ホリーの「Everyday」(「That's Why I'm Here」1985年 A12収録)を例にデモンストレーションする。まず自己のギターを伴奏に原曲をありのままのコードでさらっと歌い、次にアレンジを施したバージョンを聴かせてくれる。断片ではあるが、JTがギター1本でこの曲を演奏することはないので、大変面白い映像となった。6.「Roadrunner」の映像は途中から始まるが、ここではJTはギターを置き、歌の合間にブルースハープのソロを入れる。

映像自体は編集されていて、観られるのは当日のイベントの一部のみであるが、約24分にわたりJTの語りと演奏を楽しむことができる。


The Late Show With David Letterman 2008  映像

James Taylor : A. Guitar, Vocal
Andrea Zonn : Violin, Back Vocal
Sid McGinnis (Probably) : E. Guitar
Felicia Collins : A. Guitar
Paul Shaffer : Keyboards
Will Lee : Bass
Anton Fig (Probably): Drums
Unknown : Percussion
Unknown : Percussion
Unknown : Back Vocal
Unknown : Back Vocal


1. Seminole Wind [John Anderson]

David Letterman : Host

放送: 2008年10月28日 CBS TV


CBSテレビのデビッド・レターマンのトークショウに出演。久しぶりに見るホストは老眼鏡をかけ、老け込んだ感じ。「Covers」の表紙にあるような帽子を被って登場したJTもそうだけどね。今回はレギュラー・バンドからアンドレア・ゾーンが参加、JTの横に立ち、間奏部分のバイオリン演奏やバックボーカルで重要な役割を担っている。バックバンドは番組専属のCBSオーケストラで、ギターとドラムスは、間違いないと思うが100%確証がないので「Probably」とした。パーカッションを担当しているのは、ホーンセクションの面々で、男女のバックコーラスは誰だか不明。名手揃いのバンドだけあって1. 「Seminole Wind」を難なくこなす。JTも気持ち良さそうに歌っている。


KQ Morning Show 2008  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Something In The Way She Moves

Host : Tom Bernard, Terri Traen

放送: 2008年11月7日


ミネソタ州ミネアポリスを本拠地とするFMラジオ局 KQRSの「Morning Show」に出演した。この番組はアメリカで最も人気が高い朝のラジオ番組で、トム・バーナードによるJTへのインタビューに、番組スタッフのテリ・トランがコメントを入れ、リラックスした雰囲気で番組が進行する。コンサートの最初に演奏するに相応しい曲として 1.「Something In The Way She Moves」の話が出て、ギターを持ってきたJTがスタジオで歌う。その他番組出演の目的である新作「Covers」についての話や、アニメ番組「シンプソンズ」へのゲスト出演に関する話などが語られる。


Preston & Steve Show 2008  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Carolina In My Mind

Host : Preston Elliot, Steve Morrison

放送: 2008年11月7日


ペンシルヴァニア州フィラデルフィアを本拠地とするFMラジオ局 WMMRの朝の番組 「Preston & Steve Show」に出演。 1.「Carolina In My Mind」をライブ演奏している。上記の「KQ Morning Show」と同じ日なので、どちらか(或いは両方とも)事前に収録されたものなのかな?


Out Of Box (Q104.3 Classic Rock) 2008  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Woodstock [Joni Mitchell]
2. Suzanne [Leonard Cohen]


Jonathan Clark : Host

放送: 2008年11月9日


ニューヨークを本拠地とするクラシック・ロック専門のFMラジオ番組に出演。「Out Of Boxは、毎週土曜日の夜21:00に放送されている番組で、ここでは新作「Covers」に係るインタビューを中心に、JTが2曲弾き語りを聴かせてくれる。ここでは「Covers」セッションで録音されなかったジョニ・ミッチェルの 1.「Woodstock」を歌っているのが面白い。JTが同曲を演奏した音源は、1997年5月放送のラジオ番組「Howard Stern Show」での素晴らしい弾き語りや、2007年の「Canadian Singer And Songwriter Hall Of Fame」授賞式でのバンドをバックとした演奏があるが、今回新たな音源が加わったのは大変喜ばしい事だ。今回の弾き語りは1997年の時のダークで尖がったムードは薄れ、より円熟した落ち着いたプレイであり、10年という時の移ろいを感じさせる。2.「Suzanne」は、バンド演奏主体の新アルバムのなかで、唯一単独演奏が可能ということで歌ったもの。

同放送はラジオ局のホームページからストリーミングで放送を聴くことができたもの。最近のラジオ放送は、放送後しばらくの間(2週間位が多い)、インターネットで聴くことができるものが多いので、遠隔地にいるためラジオで聴くことができない私のようなファンにとって本当に有り難いことです!


Rockline 2008  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Suzanne [Leonard Cohen]
2. Carolina In My Mind
3. Sweet Baby James


Bob Coburn : Host

放送: 2008年11月12日


「Rockline」は、ロックミュージシャンをスタジオに招いて、ファンからの電話による質問に答えるという趣向の生放送ラジオ番組で、27年の歴史を誇り、全米ネットワークで放送されている。毎週月曜日と水曜日に放送され、JTは11月12日水曜日のクラシックロックの部に出演したもの。司会者のボブ・コバーンはロスアンゼルス、JTはニューヨークのオルバニーのスタジオで、離れた場所で話をしたようだ。新作「Covers」のプロモーションのための出演のため、ファンの質問や司会者によるインタビューは同作に係るものが大半を占めるが、それ以外のものもありなかなか興味深い内容だ。「Covers」のアウトテイクに関する話が何度も出てくる(上述の11月9日の放送でも言及されていた)。録音セッションでは19曲録音したが、CD1枚分におさめるために12曲に絞り込むことが大変だったこと。カットされた曲についても、出来栄えには満足していて、いつか将来オンライン販売、ホームページからのダウンロード、続編の製作などの手段によりファンに届けたいと言っている。詳細は以下のとおり。

アウトテイク
1. In The Midnight Hour (Wilson Pickett 1965年)
2. Memphis (Chuck Berry 1959年)
3. Shiver The Timbers (Tom Waits 1974年 2作目のソロアルバム「The Heart Of Saturday Night」より)
4. Knock On Wood (Eddie Floyd 1966年)
5. Get A Job (The Shilhouettes 1957年)
6. Sea Cruise (Frankie Ford 1959年)
7. Oh What A Beautiful Morning (ブロードウェイ・ミュージカル 「Oklahoma !」より 1943年、映画化は1955年)
8. Isn't It A Mighty Storm (Traditional, Eric Von Schmidt 1960年代)

資料によると「Covers」に収録されなかった曲は8曲。しかしこの番組でJTは、「19曲録音した」といっているので、1曲計算が合わないが、真相は不明。また「Covers」の発売直後に、アメリカの通販業者 QVCから、上記中 1,4,5,7の4曲のアウトテイクとセッションの模様を捉えたビデオを収録したボーナス・ディスクがついた特別仕様が限定発売された。米国内のみで購入可能で、瞬くうちに売り切れたようで販売広告もすぐに削除されてしまい、大変残念な思いをしたのだが、本番組で「いつかこれらの曲が皆の手に入るようにしたい」というJTの言葉を信じたい。

ファンとの電話では、JTはかなりナーバスになっているようで、どもりがちになるが、礼儀正しく一生懸命答えようとする誠実な態度には好感がもてる。多くの人々が電話をかけたはずで、実際にJTにまで辿りついたのは、ほんの数人のはず。スタッフが事前に質問の内容を確かめたりすることはやっていないようで、ハプニングというか突拍子もない質問が出てくるので、大変生々しい感じがする。昔JTとジャムセッションをしたことがある男の友人と自己紹介した男が、友人の近況を語りだしたり(JTは彼の事を覚えていた否かは定かではないが、うまく切り抜けている)、2003年に亡くなったウォーレン・ゼボンのトリビュート・アルバムについての質問があったが、JTは参加しておらず、彼はきまり悪そうにその旨答えている。音楽的な影響は何かという質問に対しては、両親が聴いていたブロードウェイ・ミュージカル、レッドベリーやウディ・ガスリー等のフォ−クソングやブルース、兄アレックスが聴いていたR&B、そしてビートルズ、ランディ・ニューマン、ジョニ・ミッチェル、キャロル・キングの名前、そしてスタン・ゲッツ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルトなどのブラジル音楽をあげている。ギタリストとしてライ・クーダーに言及する。また将来のプロジェクトとして、オリジナル・アルバムとギター教則DVDの制作と答えている。子供が二人ともシンガーになった事につき、自然にそうなったと答え、「サリーに子供が生まれたのでおじいさんになったよ」と笑う。

スタジオでの弾き語り演奏は上記の3曲で、1.「Suzanne」は今回のプロモーションで機会ある毎に演奏されている曲。他の3曲も弾き語りの定番曲で特に目新しさはない。

[2009年2月追記]
2009年2月に英国で発売される「Covers」のスペシャル・バージョンには、上記アウトテイクのうち3. 4. 7.の3曲がボーナスtラックとして収録されるとのこと。また4月以降に7曲収録のボーナスCDが付いたスペシャル盤またはインターネット・ダウンロードのリリースの計画があるらしい。ということは、アウトテイクは正しくは7曲なのかな? とすると、いままでに存在が確認された曲は、1,3,4,5,7 の5曲なので、残る2,6,.8のうち2曲ということになる。いずれもJTが過去のツアーで演奏していた曲なので、どの曲か楽しみだ。

[2009年4月追記]
2009年4月、「Covers」未収録曲を収めた「Other Covers」というタイトルのミニアルバムが発売された。最終的な曲目は上記8曲のうち、「Sea Cruise」を除く7曲となった。恐らくこの曲は、今回のセッションではそもそも録音されていなかったものと思われる。ファンの間でいろいろ物議を起こしたが、まずはおめでたい事と率直に喜びたいですね!


Macy's Thanksgiving Day Parade 2008  TV映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. America The Beautiful [Katharine Lee Bates, Samuel A. Ward]

放送: 2008年11月27日


ニューヨークにあるメイシーズ百貨店が開催する感謝祭パレードのゲストとして登場。1920年代から毎年行われるパレードは、77丁目からブロードウェイを南下、34丁目のメイシーズのところで西に曲がり、7番街で終点となる2.5マイルの距離で行われ、豪華な装飾を施した山車や大型バルーンを観ることができ、その模様は全国にテレビ中継される。JTはキムと子供達と一緒に山車に乗り、手を振りながらパレードをする。34丁目あたりで山車が止まり、JTが小型ギターのLine6を弾きながら 1.「America The Beautiful」を歌う。そばで見守っている奥さんと双子の息子ヘンリーとローガンはわかるが、10代と思しき可愛い女の子は誰だろう?キムに連れ子がいたという話は聞いたことはなく詳細は不明。


Costas Weekend 2008  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Take Me Out To The Ball Game [Jack Norworth, Albert Von Tilzer] (部分)
2. Something In The Way She Moves

Bob Costas : Host

放送: 2008年11月29日


ボブ・コスタスはアメリカ屈指のスポーツ・キャスターで、1980年代より現在に至るまでテレビ、ラジオで絶大な人気を誇る大物。JTは彼のラジオ番組「Costas Weekend」に出演した。JTが熱烈な野球ファンであるというスポーツの話題から始まった。試合のオープニングでアメリカ国歌を歌う事について、発した音が自分に返ってくるまでの時間の遅れがあるので大変難しいが、短い曲なので助かるとのこと。ここでJTはギターを弾きながら 1.「Take Me Out To The Ball Game」のコーラス部分をさらっと歌う。この曲は1908年に作曲されて大評判となり、その後も歌い継がれて現在では野球讃歌として、すべての試合で、集まった観衆がオルガン奏者の伴奏で歌う曲だ。曲作りについての質問に答えた後に、影響を受けたアーティストとして、ランディ・ニューマン、レノン・マッカートニー、ポール・サイモン、レイ・チャールズ、マーヴィン・ゲイ、アレサ・フランクリン、ジョージ・ジョーンズ(カントリー音楽)、ロジャース・アンド・ハマースタイン、コール・ポーターの名を挙げている。アップルとの契約の話になり、ポールが気に入り、ジョージはそれをもとに歌(「Something」のこと)を書いたという 2.「Something In The Way She Moves」を歌う。ポールは今でも応援してくれ、「October Road」が発売された時、彼が100枚購入して知人に配ってくれたという話が興味深かった。


World Cafe 2009  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Suzanne [Leonard Cohen]
2. Secret O' Life
3. Millworker

4. Fire And Rain
5. Something In The Way She Moves
6. Carolina In My Mind

David Dye : Host

放送: 2009年1月6日


World Cafeは、ペンシルバニア大学が運営する非営利のラジオ局 NPR (National Public Radio)が製作した番組で、アーティストのインタビューとスタジオライブが売り物。ホストは地元のラジオ局で活躍するDJのデビッド・ダイ。JTは新作「Covers」の宣伝のために出演し、約20分の番組のなかで3曲演奏している。1.「Suzanne」の演奏の後、JTが「Fire And Rain」のなかでスザンヌという名前を使ったのはジュディ・コリンズが歌ったこの曲によるものと語っているのが興味深い。2.「Secret O' Life」については、マーサ・ヴィンヤードの自宅の階段で書いたもので、時間をかけずに一気に仕上がったものという。3.「Millworker」は、真夜中に目が覚めて、1階におりて明かりをつけ、鉛筆で紙に書き留めた後にすぐに寝てしまったもので、翌朝起きた時は夢と思っていたが、机に曲が書かれた紙があったという。そんな風に作曲できればいいもんだね!

当日放送されなかった3曲4.〜6. については、ウェブ上でアウトテイクとして聴くことができた。JTの演奏についての全体的な印象として、ボーカルもギター演奏も、細部の正確さにはこだわらずに適度に崩した感じで自由に演奏しているようだ。4.「Fire And Rain」については、ギターやボーカルに詰まりやミストーンがあるけど、同曲の放送音源はたくさんあるので、ファンにとっては、その点が本音源の個性ととれるのが面白い。



Obama Inaugural Celebration Concert 2009  TV映像

James Tayor : Electric Guitar, Vocal
John Legend : Vocal
Jennifer Nettles : Vocal
Arnold McCuller : Back Vocal : Back Vocal
Kim Taylor (Caroline Smedvig) : Back Vocal

Unknown : Electric Guitar
Unknown : Acoustic Guitar
Unknown : Keyboard
Unknown : Bass
Unknown : Drums

1. Shower The People

収録: 2009年1月18日 ワシントンDC リンカーン・メモリアル



2009年1月20日に大統領に就任するオバマ氏を迎えて開催された祝賀コンサートにJTが出演した。ワシントンDCのリンカーン・メモリアルは、1963年8月23日ワシントン大行進の日に故マーチン・ルーサー・キング牧師が有名な「I Have A Dream」のスピーチを行った場所だ。それから45年が経過した今、黒人大統領の就任式典を同じ場所で行うということは、アメリカ人にとって大変意味のあることなのだ。コンサートは、広場を埋め尽くした50万人の群衆の前で、リンカーンの巨大な彫像を背景に、デンゼル・ワシントン、ブルース・スプリングスティーン、マリー J ブライジ、ジョン・ボン・ジョビ、トム・ハンクス、ジョン・メレンキャンプ、シェリル・クロウ、タイガー・ウッズ、ガース・ブルックス、U2、シャキーラ、スティーヴィー・ワンダー、ビヨンセ等の超豪華なゲストが登場して語り、歌う。

JTはコンサートの中盤、女優マリサ・トメイのスピーチの後に登場する。ステージにはエレキ・ギター(音響効果と極寒の気象条件のためだろう)を抱え防寒服を纏ったJTと、彼の右にアーノルド・マックラーと奥さんのキムがいる。バンドは一段下がったオーケストラ・ピットで演奏しているので、姿は見えない。大観衆の雰囲気、音響設備の問題のため、演奏の乗りはイマイチであるが、セカンド・ヴァース以降にジョン・リジェンドとジェニファー・ネトルズが登場して歌い、盛り上がりを見せる。ジョン・リジェンド(1978〜 )はオハイオ州出身で、ソウル、R&B音楽界で活躍の若手アーティスト。ピアニストとしても有名で、アリシア・キーズ、ジャネット・ジャクソンのセッションに参加している。ジェニファー・ネトルズ(1974〜 )はジョージア州出身で、カントリー音楽界で自己のバンドやシュガーランドというデュオのグループで活躍するシンガー・アンド・ソングライターだ。エンディングの部分では、サングラスをかけて帽子を被ったアーノルドがソロをとり、続けてジョンとジェニファーが歌う。ブルース・スプリングスティーンがピート・シーガーと歌う「This Land Is Your Land」、ガース・ブルックスの「American Pie」、「Shout」のメドレー、マーチン・ルーサー・キングを歌ったU2の「Pride」など派手なシーンがたくさんあるので、JTが登場する場面は群衆も比較的落ち着いている。コンサートのトリで登場したビヨンセが歌った「America」は素晴らしくエモーショナルで、途中から出演者が登場(JTとキムの姿も見える)し、群衆と一緒に合唱するシーンは感動的。

金融危機と経済問題、中東・アジアの政治問題・テロなど問題は山積しているけど、柔軟な価値観と世界観を持つ新しい大統領のもとで、世の中が少しでも良くなることを祈りたい。


FIP (French Radio) 2009  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Secret O' Life
2. Suzanne [Leonard Cohen]

3. Carolina In My Mind
4. Whichita Lineman [Jim Webb]
5. Something In The Way She Moves

放送: 2009年1月29日 FIP (French Radio) Carte Blanche



JTがフランスのラジオ局FIPに出演したもので、1月29日に録音され、すぐに放送される予定だったものが、ストライキのためにキャンセルとなり、その後8月26日に改めて放送されたものという。彼は、ニューアルバム「Covers」や大統領選挙についてのインタビューに答えた後、スタジオで5曲のミニコンサートを行った。

1.「Secret O' Life」はJTの弾き語りで、曲を始める前に約1分ほどのギター演奏(彼の手癖になっているフレーズをパラパラと弾いたもの)がユニーク。曲が終わると少人数の拍手が聴こえる。2.「Suzanne」、4.「Whichita Lineman」は伴奏付きであるが、JTによると「Some Friends In A Box」とのことで、演奏は「Covers」のトラックと同じであり、予め録音されたものをバックに、JTがギターとボーカルでライブ演奏しているようだ。JTのボーカルには自然な崩しが入っている。とくに後者では、ギターソロやエンディングでのバイオリン演奏の場面で、JTがマイケルとアンドレアの名前を紹介しているのが、いつになく面白い。3. 「Carolina In My Mind」、5.「Something In The Way She Moves」は弾き語り。

JTによるカラオケ演奏が楽しめる。



Andrew Marr Show 2009  テレビ映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Carolina In My Mind

Andrew Marr : Host

放送: 2009年2月1日 BBC One



イギリスBBC放送の日曜日の朝番組に出演、司会のアンドリュー・マー、当日のゲストである厚生大臣のアラン・ジョンソン、自然をテーマとしたドキュメンタリー番組の制作で有名なサー・デビッド・アッテンボローと一緒に登場。新作「Covers」についての短いインタビューの後に、演奏準備のために退席。残ったゲストによる話が少しあった後、スタジオの片隅でJTが 1.「Carolina In My Mind」を演奏する。時間の関係で、歌詞の一部をカットして歌っている。


This Morning 2009  テレビ映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Suzanne [Leonard Cohen]

放送: 2009年2月1日 ITV


イギリスの民間放送局ITVに出演した際の演奏。ネオンサイン等を配した暗めのセットの中で、1.「Suzanne」を歌う。


Ken Bruce Show 2009  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. You've Got A Friend [Carole King]
2. Carolina In My Mind
3. Suzanne [Leonard Cohen]


Ken Bruce : Host

放送: 2009年2月2日 BBC Radio2


ケン・ブルース(1951〜 )は、BBCラジオ放送の音楽番組の司会者として、1980年代から長いキャリアを誇る人で、多くの有名ミュージシャンがゲストで登場し、インタビューの他にスタジオでライブ演奏を披露する。JTは2月2日の放送に登場し、3曲歌った。

当日はブルース氏の誕生日だったらしく、JTは 1.「You've Got A Friend」のイントロとして「Happy Birthday」をもじった簡単なギター演奏(曲の開始前にパラパラと弾く感じ)を付け加えている。「Covers」に関するインタビュー等、穏やかな雰囲気で番組は進行し、「Wichita Lineman」は以前ジム・ウエッブと一緒になったとき、彼から直接教わったと答えている。ロンドンでのデビューアルバムの作成中に休みが取れ、スペインのフォーメンテラ島に旅したときにホームシックになり書いたという 2.「Carolina In My Mind」では、歌詞の一節「With a holy host of others standing around me」はザ・ビートルズの事だとのこと。またレナード・コーエンの名曲 3.「Suzanne」は、ジュディ・コリンズの演奏で初めて聴いたと答えている。次回のイギリスツアーは2009年7月頃の予定で、今回はフル編成のバンドを連れてゆく予定(注: 通常ヨーロッパ公演は、輸送費用の関係でバックコーラスやホーンセクションの一部をカットした簡易編成になる事が多い)と答え、多くの機材とクルーを運ぶコストを削減するために、今回クィーン・メリー号の会社と契約。機材と人を運び、乗船中のリハーサルスペースの提供を受ける代わりに、乗客のために船上でコンサートを開く事になったと答えている。

リラックスした雰囲気が心地よい音源だ。



On Connait La Musique 2009  ラジオ音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. You've Got A Friend [Carole King]
2. Sweet Baby James

Thierry Lecamp : Host

放送: 2009年2月8日 Europe 1



パリを本拠地とするラジオ局 Europe 1の番組「On Connait La Musique (英語で 「We Know The Music」という意味)」に出演した。ホストのインタビューでJTは流暢なフランス語で答えている。

弾き語りの披露は2曲。1.「You've Got A Friend」は、ギター演奏に「崩し」が入っていて、特にヴァースの間の演奏部分で今までに聴いたことがないコードが一瞬入り、「おやっ?」という感じだ。ボーカルも自由な感じで悪くはない。2.「Sweet Baby James」は、指癖のようなギターの爪弾きのあとに始まる。聞いた音源では演奏途中で途切れるが、実際はインターネットのストームが少しの間切れるためであり、編集で無音部分を取り除くと問題なく聴ける。


BBC Radio2 Folk Awards 2009  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal


1. Carolina In My Mind

放送: 2009年2月9日 BBC Radio2


フォーク歌手、コメディアン、旅行家、写真家など多くの顔を持つマイク・ハーディング(1944〜)が司会を務める「The Mike Harding Show」(BBC Radio2 毎週水曜日放送)は、BBC放送におけるフォークやルーツ音楽方面の代表的な番組。この番組の特番として、年間顕著な活躍をしたミュージシャンを表彰する「Folk Awards」があり、今回JTが「Lifetime Achievements Awards」を受賞した。まずスティーブ・ウィンウッドが登場し、彼を称える短いスピーチを行う。JTは、1986年のスティーブのアルバム「Back In The High Life」C46 にゲスト参加し、1997年4月11日のテレビ番組「VH-1 Awards」でも共演し、交流があるようだ。彼の紹介でJTが壇上で短いお礼の言葉を述べる。演奏は弾き語りによる 1.「Carolina In My Mind」。

本来はBBCラジオ放送の番組なので、音源のみのはずなんだけど、今回は何故か映像を観ることができた。BBCテレビかホームページでその模様を撮影した映像が公開されたためと思われる。



Oprah Winfrey Show 2009  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Sweet Baby James

放送: 2009年4月10日 



オプラ・ウィンフリー(1954〜 )は、貧しい生活から身を起こし、テレビの司会者として成功して億万長者となった伝説的人物だ。彼女が司会をつとめる「Oprah Winfrey Show」は、1986年から続く長寿番組で、特に同姓に絶大な人気がある。実は、JTは1998年4月8日にバンドと一緒に同番組に出演し、「Junp Up Behind Me」を演奏する予定だったが、ドラムスのカルロス・ヴェガが同日急死(自殺)したため、キャンセルになっってしまった。そしてその後のJTにとって、この番組は「いわく付き」になったはずで、今回の出演までに11年という長い年月を要したことになる。

ステージのJTに向けて、観客席のオプラから「Sweet Baby James」のリクエストがかかり、JTは同曲に関するおなじみの説明をして演奏する。JTの演奏は、いつもよりしんみりとしていて、何か祈りのような雰囲気を感じてしまうのは、深読みだろうか?


Star Academie 2009  テレビ映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Carolanne D'Astous Paquet : Vocal
Maxime Proulx : Vocal

Francis Cabrel : Vocal (2)
Michel Rivard : Vocal (2)

Unknown : Guitar
Unknown : Dobro
Unknown : Piano
Unknown : Bass
Unknown : Drums

1. You've Got A Friend [Carole King]
2. Carolina In My Mind

放送: 2009年4月13日 Montreal



カナダのモントリオールのTV局が製作した番組に出演。若い男女がベストシンガーのタイトルを目指すリアリティー番組で、JTはゲストとして登場、ファイナリストの18歳の男女と一緒に 1.「You've Got A Friend」を歌う。若いシンガーとの共演が曲に新たな命を与えたようで、とても新鮮に聴こえる。またJTのオフィシャル・ホームページの「News Letters - May/June 2009」で、このもう1曲「Carolina In My Mind」の模様を観ることができる。JTは、Francis Cabrel、Michel Rivard というフランス語圏で活躍するシンガーと交互に歌い、後半からは前述の若手二人が加わり、最後は合唱となる。ちなみに番組の最後で発表された優勝者は、男性のマキシンだったようだ。


Tonight Show 2009  テレビ映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Sweet Baby James

Jay Leno : Host

放送: 2009年5月28日 


スタンドアップ・コメディーで鍛えた切れ味鋭いジョークが売り物のジェイ・レノは、1992年にジョニー・カーソンの後を継いで、NCB放送の深夜のトークショウ「Tonight Show」のホストとなり、全米を代表する夜の顔になった。現役のアメリカ大統領を含むあらゆる有名人がゲストとして出演したが、JTはジェイのフェイバリットとして何度も招かれた。2009年5月28日を最後に彼がこの番組が去ることが決まり、最後のゲストとして後任者のコンラッド・オブライエンが出演したが、音楽演奏はジェイのリクエストによりJTが登場した(今回は演奏のみでインタビューはない)。マサチューセッツ州で育った若きジェイ・レノが、ショービジネスでの成功を夢見てハリウッドに向けて旅立った時に、1.「Sweet Baby James」の歌詞の一節 「With ten miles behind me and ten thousand more to go」を聴いた思い出を語り、JTを紹介する。JTは、歌詞の最後を「Rockabye old sweet baby Jay」と歌い、この曲を彼に捧げている。

ジェイ・レノは引退するわけではなく、結局同じNBC放送に留まり、夜9時スタートの新番組のホストに収まるようだ。


Williams College Comencement 2009  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal

1. Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox
2. Company Man

撮影: 2009年6月6日 Chapin Hall, Williams College


ウィリアムズ・カレッジはマサチューセッツ州内陸部、ヴァーモントとの州境の近くのウィリアムスズタウンにある文科系の私立大学で、1793年創立。JTはそこから Doctor Of Humanitiesの名誉学位を授与されることになり、2009年6月6日構内のチャピン・ホールで開催された授与式に出席した。インタビューのなかで、売り出しの頃、私(Private)から公 (Public)になってゆく際の心の葛藤についての話があり、その頃書いた曲として、JTは傍らのアコギを取り上げ、1.「Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox」を歌う。この曲は「Mud Slide Slim」1971 A3収録の曲で、近年ステージで演奏されていない。今60才を超えたJTが当時を思い出しながら歌う様は、なんとも言えない感慨がある。さらに 2.「Company Man」は、「Flag」1979 A10 でヘビーなバンドのバックにした演奏だったので、ここでのJTのギターのみによる演奏は驚き!練習不足のため鋭さに欠けるが、やはり彼のギター演奏は上手いですね。歌い終わった後に、「昔は声が高かったんだなあ」とつぶやくのが面白い。


Songwriter Hall Of Fame Awards 2009  映像 & 音源

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
David Crosby, Graham Nash, Rita Coolidge, John Sebastian, Priscilla Jones : Back Vocal
Unknown : Back Band


1. Long Time Gone [David Crosby]
2. Teach Your Children [Graham Nash]
3. Love The One You're With [Stephen Stills]

録音: 2009年6月18日 Marriott Marquis Hotel, New York

 

2009年のSongwriter Hall Of Fameにクロスビー・スティルス・アンド・ナッシュ(CSN) が殿堂入りするにあたり、ニューヨークのマリオット・マーキス・ホテルで行われたセレモニーにJTがゲストで登場、3人の代表曲をメドレーで演奏した。1.「Long Time Gone」は、彼等の最初のアルバム「Crosby, Stills And Nash」 1969 に収められていたデビッド・クロスビーの代表曲。JTは弾き語りからスタートし、途中からバックバンド(メンバー不明)が加わる。バックボーカルは明らかにクロスビー・アンド・ナッシュの音であるが、資料によるとリタ・クーリッジ、ジョン・セバスチャン、プリシラ・ジョーンズ等が加わっているそうだ。2.「Teach Your Children」は、ニール・ヤングが加わったCSNYによるアルバム「Deja Vu」1970 で発表されたグラハム・ナッシュの名曲。ここではバックバンドがペダル・スティールギターのような伴奏を付ける。曲のエンディングでJTは立ち上がり、マイクスタンドを直し、ステファン・スティルスの3.「Love The One You're With」(彼の1枚目のソロアルバム「Stephen Still」 1970 に収録)を歌う。ちなみにこれら3曲は、CSNY 1971年のライブアルバム「4 Way Street」に入っている。

荒っぽい演奏であるが、JTがこれら3曲を歌うのを聴いているだけでも楽しい。映像も観たが、オーディエンス・ショットで手ぶれが激しいものだった。


Queen Mary 2 2009  映像

James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Michael Landou : Electric Guitar
Larry Goldiings : Keyboards
Jimmy Johnson : Electric Bass
Steve Gadd : Drums
Arnold McCuller : Back Vocal
Kate Markowitz : Back Vocal

Andrea Zonn: Back Vocal

1. Sea Cruise [Huey 'Piano' Smith] 

録音: 2009年6月 Concert On Queen Mary 2



JTは、2009年6〜8月のヨーロッパツアーに際し、クィーンメリー2世号を運営する会社と交渉し、ヨーロッパツアーのためのクルーと機材の運搬、および航海中のリハーサル場所を提供してもらう見返りに、船内でコンサートを行う契約にサインした。船は6月19日にニューヨークを出発、25日に英国サザンプトン港に到着した。

航海およびコンサートの模様は、Youtubeなどで観ることができた。1.「Sea Cruise」はフランキー・フォード1959年のヒット(全米14位)で、1980年代にJTがコンサートで演奏していた曲だ。船上でのコンサートでこの曲を演奏するなんて、洒落ているね!この曲は新作「Covers」のセッションで録音されたと噂されながら、結局「Other Covers」にも収録されなかったという謎めいた事情があり、やや確信犯的であるが興味深い演奏だ。コンサートの演奏場面の他に、リハーサルや船内のショットが挿入される。JTの双子の息子や車椅子に座った母親トゥルーディーの姿も見え、家族ぐるみの移動だったようだ。


Oprah Winfrey 24th Kick Out Party 2009  映像

James Taylor : Vocal, Acousttic Guitar
Oprah Winfrey : Back Vocal
Unkonwn : Electric Guitar
Unkonwn : Keyboards
Unkonwn : Electric Bass
Unkonwn : Drums
Unkonwn : Percussion
Unkonwn : Brass Section
Unkonwn : Back Vocal

1. How Sweet It Is [Holland, Dozier, Holland]

放送: 2009年9月10日


アメリカ最長のトークショウのホストとして絶大な人気と影響力を誇るオプラ・ウィンフリーが、番組24年目のシーズンを記念して、地元シカゴのミシガン・アベニューに設けられた特設ステージで、2万人の観客を集めてショーを開催。そこにJTがゲスト出演した。放送日の9月10日はJTのコンサートツアーが始まっており、実際のステージはその数日前に収録されていたものと思われる。

JTは1.「How Sweet It Is」を気持ち良さそうに歌う。バックバンドはショウのハウスバンドと思われるが、誰かは不明。女性に人気があるオプラらしく、観客の大半は女性で、テレビカメラに写った乗り乗りのリアクションが凄い。エンディングのコーラスの掛け合いでは、JTはオプラへのお祝いのメッセージをアドリブで入れたり、それに応えて彼女が歌ったり、ファンもコーラスに加わって大騒ぎだ。 曲が終わった後、オプラはJTへのお礼として「Covers」のCDを掲げて宣伝役を引き受けている。

このイベントではボストン交響楽団のチェロ奏者オーウェ
ン・ヤングを加えた「You've Got A Friend」も演奏されたが、その模様は断片のみ観ることができた。


ICG Pursuit Of Peace Gala 2009  映像

James Taylor : Vocal, Acousttic Guitar

1. Belfast To Boston

録音: 2009年10月28日 Waldorf Astoria Hotel, New York


ICG (International Crisis Group)は、1995年に設立されたNPOで、
国家が暴動や反乱の発生の危機に瀕した際に、政治アナリストを派遣して状況を分析し、その結果を報告、勧告することで、これらの危険性を回避または減少させることを目的としている。2009年10月28日、かれらはマンハッタンのウォルドフ・アウトリア・ホテルで、「Pursuit Of Peace」という式典を開催し、クリントンとブッシュ元大統領、およびレバノンの元副首相 Issam M. Fares氏を表彰したという。クリントンとブッシュが一緒なんて変な感じもするのだが、これ以上はよくわからないので、ご勘弁を.........

JTは演奏前のスピーチで、この団体に対する支持を述べ、1.「Belfast To Boston」は、彼らを念頭に置いて書いたと言っている。会場は音楽を演奏する環境ではないようで、JTの歌はナーバスな感じだ。


House (Ignorance Is Bliss) 2009  TV番組

James Taylor : Vocal, Acousttic Guitar
Billy Keane (Probably) : Harmonica (1)
Kim Taylor, Billy Keane, Noah Weiss : Back Vocal (1)

1. Games People Play [Joe South]
2. Enditol (Instrumental)

放送: 2009年11月23日


「House」 (邦題 「Dr. House」)は、2004年から始まったアメリカのテレビドラマシリーズで、一匹狼で患者嫌いの天才医師グレゴリー・ハウスが、チームを率いて患者の病気の原因を解き明かすストーリーだ。現在第6シーズンに入り、月曜日の8時に放送されている。11月23日に放送されたエピソード8 「Ignorance Is Bliss」は、感謝祭でも仕事を離れることができない医師の苦労がサブプロットで描かれていた。Thanksgiving Dayにおいては、人々は皆故郷に帰り、一族集まって、昼間から七面鳥とカボチャ料理がならぶ豪華なディナーを食べる習慣がある。そのため普段は休日でも開いている店のほとんどが閉まってしまう。ちょうど私が子供の頃のお正月みたいなもんで、今の日本はコンビニもデパートも営業しているので便利になったが、その分家族で集まる場が少なくなったのではと思うことがある。話がそれたが、このエピソードのエンディングで、突如JTの演奏がバックに流れ、熱心なファンの間で話題になった。

主人公が招かれた友人宅でのディナーのシーンで、ハーモニカとギターの伴奏で「ラララ」という歌声が聞こえる。これはジョー・サウス1969年のヒット曲 1.「Games People Play」で、同年のグラミー賞で「Song Of The Year」を獲得した名曲だ。彼はリン・アンダーソンでヒットした「Rose Garden」の作者でもある。「ラララ」の後に1ヴァースのみ歌われるが、ドラマ音楽として使われているので、完奏されずにフェイドアウトし2分足らずで終わってしまう。 2.「Enditol」は、エンディングのシーンで流れるギター1本によるインストルメンタル。題名は正式なものか不明だが、「タイレノル」のようなクスリの名前をもじったものと思われる。雰囲気的にはアルバム「Hourglass」に入っていた曲「Up Er Mei」 でのアコースティックギターに似ている。これも2分足らずで終わる。

ここで一緒に演奏している人達は、JTの地元マサチューセッツ州ピッツフィールド(「One Man Band」収録地)で活動する若いミュージシャンたちで、ビリー・キーンと相棒のノア・ウェイスは、2009年The Misdemeanor Outlawというバンドを結成、バークシャー地方でコンサート活動をしながら、2010年にはビリーのソロ名義で「The Pine Street Sessions」というアルバムを自主制作。iTunesなどのオンライン配信で販売している。このアルバムでビリーはハーモニカを吹いているので、ここでも彼が演奏しているものと思われる(あるいは、JTによる多重録音かもしれない)。バックボーカルで聴こえる女性の声は奥様のキム・テイラー。


[2010年1月追記]
「jamestaylorvideo」が発信したyoutube「PecanPie2009.mov」で、JTはThanksgiving Dayで家族のためにピーカン・パイを作っていて、そのバックグラウンド音楽として上記の「Games People Play」が流れる。音楽の演奏時間に合わせて作られたようで、演奏自体はフェイドイン、フェイドアウトのない完奏版となっている。調理の音や会話が入るが、映像として楽しむには違和感はないですね。