お針子講座 4 (小人の靴屋)

 やっと原型シリーズが終わり、次に何を作ろうかと考えたのだが、やはり、服を作れば、靴もなんとかしたくなるもの…。
 服に靴をあわせるのって、けっこう自分でも考える。服にあう靴、あわない靴ってあるからね。
 ま、そりゃ、買えば話は早いのだが、うちの場合、もよりのSRまで車で4時間ですから、気軽にお買い物にも行けない。それに、値段も高いしね。世の中、価格破壊が進んでいるのに、自分の靴代考えると、SDの靴、高いよ。人間用と同じ手間隙がかかるのはわかる。(人件費が一番かかるだろうし。)しかし、材料は少なくてすむはず。それに、実際に外で歩くわけでもないので(歩いてたらこわいが。)耐久性や、防水加工もいらない。
 それじゃあ、ちょっと試しにつくってみるか。
 では、誰の靴を作るか?まあ、誰のものでもよかったのだが、うちのアリスは、デフォルトのアナイス用ブーツしか持っていない。一応、13少年用は何足かあるので、アリス用に決定。
 ということで、今回のミッションは「小人の靴屋」。
 写真入りで詳しく説明しよう。

 まず、型紙が必要だ。それには、どのようにして型紙をとるか、が問題となる。
 今回は始めてなので、やはり簡単なつくりのものがいいだろう、ということで、形はワンストラップにすることにした。
 最初に足型をとる。左右同形となるかどうかわからなかったので、両方とってみて、大きいサイズのほうをもとにすることにした。
 アリスのブーツの靴底とくらべてみたが、もとの足の大きさよりもかなり大きく作ってあった。靴下をはくことも考えなくてはならないし、人間と違って、足をはきこむ時に形を少し動かせるわけでもないので、そのへんの余裕をとらねばならない。

 靴底の形が決まったので、次は、その上にかぶさる部分である。これはちょっとやっかいだ。実際のところ、三次元のものを二次元にするのだから。
 そこで、直接マスキング・テープをはって、形を考えることにしてみた。
 もちろん、計測によって型紙を作る方法も考えられるのだが、こっちのほうが簡単かな、と思ったので。
 足の裏に靴底の型紙をくっつけ、テープをはっても足にくっつかないように、足に少しビニールをまいておいた。

 だいたいこのような形にしたいかな、というあたりにテープをはってみたところ。今回は、サイドとトップを別にすることにした。

 まいたテープの形をなるべく壊さないように、足からはずしたところ。
 足にあらかじめビニールをまいておいたので、よかった。

 形になっているテープを展開させた。
 立体を作っていたテープなので、そのまままっすぐにはならない。
 そこで、このような形に切れ込みをいれるなどして、二次元にした。
 これだけ見ていると、こんないいかげんなテープで大丈夫か、という気になるが…。

 広げたテープの形をもとに、型紙にする。
 あらかじめ縫い代や糊しろをとっておく。

 作った型紙をもとに、試作品を作ってみる。
 とりあえず形にしてみるだけなので、そのへんにある布を使う。
 糊しろになる部分には、切れ込みをいれておく。
 こうしておかないと、曲げたときに、糊代が重なるし、きれいにカーブがでないことが予想されるので。

 切れ込みをいれた糊代をアイロンで形作っておく。
 こうしておくと、後が楽。

 作ってみたところ。
 靴底部分の厚紙に、さきほどのパーツを木工ボンドではりつける。

 さて、試着。

 靴底は、こんな感じ。
 ここで少し型紙を直した。トップにくる部分に余裕をもたせるために、少し広げたり、ストラップの部分をもう少し上にもってくるような形にした。

 直した型紙をもとに、厚紙に合皮素材で作製。
 作り方は、試作品といっしょ。
 合皮は縫いにくい。アイロンかけも、気をつけないとビニール部分がとけて破れることもあるので注意。
 ミシンの押さえ金を専用のものにかえるといいそうだが、うちにはないので、葉書きを押さえ金にはさんで縫った。

 靴底に貼るゴム。これは、ホームセンターのような店で見つけた。
 たぶん、家具の滑り止めとか、オーディオ製品の振動を防ぐために使うようなものだと思う。
 はさみでも切れるが、デザイン・ナイフを使ったほうがよいと思う。

 靴底とヒール部分のゴムをボンドで貼り付けたら完成。
 ボンドはゴム用でないとくっつかないので注意。
 ストラップ部分には、パール・ビーズを縫い付け、反対がわには切れ込みをいれた。

 はかせてみたところ。
 テープで適当に型紙をとったわりには、ちゃんと形になったものだ…。
 やればできるんだねえ。
 もう少し、つま先をぽこっとした感じにしてもいいかな…。そのほうがかわいくなりそうだ。
 それから、土踏まずの部分をもう少し細くしたほうが、かっこうがいいかもしれない。
 ま、次はもう少し改良版が作れることでしょう。

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