お針子講座 その1

 さて、最初に断っておきますが、「お針子講座」ときいて、何か勉強になるかな、とか参考になるかな、などとここで期待をしてはいけません。だいたい私が何かを会得するときは、がんがん体当たりしながら身体で学習することが多いもので。そのため、玉砕することも数知れず、失敗の山を積みつつここまで来ている。ま、自慢じゃないが、家庭科の点がよかったためしはない…。(自慢にならん!)

 うちのSDたちは、デフォルトの服以外は全部私の自作服を着せている。というと、すごいぞ!と勘違いする人もいると思うが、要するに自分、SD買うのにせいいっぱいで、ディーラー様制作のかっこいい服なんか買ってやれないだけです。
 オークションなんかでこの服カッコイイ、カイルに着せてやりたいと思っても、たいていそんな服は、高額確定とにかくおめでとう!な値段に競りあがっていて、とてもじゃないけど私には無理。でも、こんな服やあーんな服を着せてみたいのも親心。ならば作るしかないでしょう!
 というわけで、とりあえず今まではSDのドレス型紙がのっている本などを入手しては作っていた。けれども、自分で作ったとはいっても、それはいわば誰か他の人の作品にのっかっているようなもの。自分のオリジナルとなると、スカート、セーター、アクセサリー等、適当に作ればなんとかなるようなものばかり。

 そこで最近、思い立った。自分のオリジナルな服を作ってみたい。

 それにはまず、原型を呼ばれるものを作らねばならない。あらゆる型紙のもとになるのが、原型。どんなデザインも、これをもとに展開していくことになるわけだ。
 これさえあれば、なんでも作れるはず…。(本当か?)というわけで、さっそく作ってみた。

 そして、見事に失敗した。(予想どおり、ともいう。)

 原型、素人が作るのにはある程度知識がいる。人間サイズなら、参考数値があって、私にもある程度のものは作れる。けれども人形サイズとなると、そんなわけにはいかない。
 ならばどうやって原型を作ればよいのか…。

 そこで私、自分の蔵書の中に、立体裁断の本を見つけた。(こんな本、なんで持ってるんだろうね、私。)その本の最初のほうに、人体ボデイから作る原型のとり方がのっていた。
 なるほど。これならできるかもしれん。

 それを参考に、どのようにしたかというと、まず、ボディにマスキング・テープをはった。
 ウエスト、ヒップ、胸の位置、肩線など、原型に必要と思われる位置をまず、ボディの上で決めてしまった。(箱の子とかにして大事にしている人に、思いっきりお叱りを受けそうな大胆なやり方だよ。)
 次に、いらない布を適当な大きさに切って、ボディの上にのせ、テープの位置をなぞった。
 これを形どおりに切れば、原型の出来上がり!

 のはずなのだが、そう簡単にはいかない。
 慣れた人なら、それで出来上がってしまうのだろうけれど、私の場合はそうもいかない。あちこち合わないところがある。
 そこで、さらに計り直しをしつつ、辻褄合わせを無理やりして、なんとか原型らしいものに仕上げていく私。(こんな原型で大丈夫なのだろうか?ちょっと不安だ。)

 さて、出来上がった原型を使って、早速何かを作ってみることにした。
 で、何を作るか…。それが問題だ。最初から難しいものを作ろうと思っても、原型からの展開の仕方に修行を積んだ後でなくては、どれほど広げたり削ったりすればよいのかわかるはずもない。ならば、最初はTシャツみたいに身体にフィットするようなものがよいのでは…。

 というわけで、タートルネックのシャツを作ることにした。これなら、多少幅が合わなくても、伸びるし…。
 で、作ってみた。

 これが出来上がりのタートルネックのシャツ。どうでしょう?
 一応、それなりな出来上がりとは自分でも思うのだけれど、気になるところがないわけではない。
 袖付けの位置だとか、そで下など、袖周りがちょっと気になる。
 というわけで、タートルネック用の型紙をさらに手直しする。

 すると、着ている本人、何やら色々文句があったようで…。
 ラフィエル「違うんだよなー。ここをこうやって、ここをこんな風に直して…。」
 あんたは赤ぺん添削先生か…。

 とまあ、こんな風にして、私の原型および初の自作型紙は出来上がったのであった。
 ここまで我慢して読んでくれた方、全然参考にならんかったかもしれないね。(だがこの企画、さらに続く予定。)

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