第5章 草薙の剣(くさなぎのつるぎ)
そして、ヤマトタケルは、相模の国(現在の神奈川県)に入りました。すると、相模の国造たちが、
「この野には、大きな沼があって、そこに住んでいる神は、とても乱暴な神です。」
と嘘を言って、ヤマトタケルをだまそうとしたのです。ヤマトタケルが、その神を見てやろうと思って、その野に入ったところ、待ち伏せしていた国造たちが、いっせいに野に火を放ちました。火はたちまちのうちに、ヤマトタケルの周りを包み込みました。
「ちくしょうめ、だまされたか。」
と言って、ヤマトタケルは、叔母のヤマトヒメの言葉を思い出し、もらった袋の口を開けました。するとそこには、火打石が入っていました。そこで、ヤマトタケルは、まず草を刀で切り払って、その切った草に火打石で火をつけました。するとどうでしょう、燃え上がった火が向かい火となって、周りの火も鎮まりました。そこで一旦、ヤマトタケルはその場所を逃げ出し、隠れていた国造どもをすべて切り殺し、その死体に火を付けすべて焼いてしましました。
このようなことから、今では、その刀を草薙の剣(くさなぎのつるぎ)三種の神器の一つ。熱田神宮に祀られる)といい、この場所を焼津(やいづ=静岡県焼津市?)というようになったのです。
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