昆虫の一群で世界で約3000種、日本で100種以上がしられ、ラン科植物については、植物上で増殖する種類と、一時的に飛来して加害する種類がいる。
体長は種類によって差があり、0.8〜2.0mmで細長い形をしており、体色は黒、暗褐色、褐色、黄褐色、淡黄色などある。完全変態で成虫は葉の中に1個ずつ卵を産み、孵化した幼虫は同じように加害するが一回り小さく翅がない、植物から離れ土中で蛹になる。
夏の暑さを好み、この時期は短期間で世代交代を繰り返す。温室内では年間を通して発生し、おもにカトレアの花の被害が多い、樹液を吸うタイプの害虫で樹液を吸うときに出来る傷が変色していつまでも残る。最初は花弁の重なり部分から食害しひどくなると花弁の縁全体が食害される。成長中の花茎が食害されると、かさぶた状になり引きつって正常に伸びないことがある。
天敵として「アザミウマタマゴバチ」が地球上で5種類、生息してるそうだが、アザミウマの卵に寄生し最も小さなものは体長 0.18mm と世界最小の昆虫と言われている、このタマゴバチは寄生卵の中で越冬するそうだ、完全変態で翅もあり、飛ぶと言うより浮遊するそうだ、完全に昆虫の機能を持ってる。実物を見てみたいものだ?
食害の初期の段階 | ひどくなると花弁縁、全体が食害される 以外にリップは最後まで食害されないで残る? |
食害の後とスリップス | スリップスの成虫 種類は判らない? |
対策と防除方法
@ 特異的に青色や黄色に誘引される種類がいるので、この性質を利用してこの色の粘着テープや石鹸水を入れた皿などをベンチの上に数ヶ所置く。
A 反射光を嫌う種類が居るのでアルミホイルを温室の周囲やベンチの上に数ヶ所敷く。
B 乾燥を好むので、夏場など温度の高い時はこまめには水をかける。
C 栽培場所の周囲の雑草の駆除をして、周囲からの侵入を防ぐ。
D 蕾が出た時に殺虫剤を散布する。
E 痛んだ花は早めに摘み取り、処分する。
殺虫剤
ボルスタール・・・・・スリップスの専門薬で成虫や幼虫に効果がある、残効性はあるが、やや遅効的である。