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はり治療にも東洋の理論に基づく治療と西洋の理論に基づく治療があります。両者の大きな違いは“気”を考えるか考えないかが大きな違いとなります。もう一つの違いは病気を起こしている局部のみを診るか、その部分のみでなく、からだ全体の変化を診るかの違いがあります。
全身には365の穴(つぼ)があります。この穴と穴を結んだ線を経絡と言い、左右に各々12本あります。この経絡は、身体の表面だけでなく、内部の内臓も走り、全身の隅々まで巡っています。この経絡に“気”が流れています。この気の流の過不足ゃ滞りなどの異常が起きた常態が病気です。この経絡の流れの異常を手首の脈を診て捉え、どの経絡の気の流れに異常を起こしているか判断し、手足の穴に“はり”を行い、気の流れの異常を整え、自然治癒力を向上し病気を治す治療法が経絡治療です。ですので、身体の表面の痛みやシビレ等の症状だけでなく内臓の病気やアトピー等のアレルギー症状にも効果があるのが特徴です。よって、薬に頼ることなく病気を治療することが出来ます。
本来ひとは、“気”の流れのバランスが崩れても自らの力で元の状態に戻す力があります。これを自然治癒力といいますが、気の流れのバランスの崩れが大きくなると自力では元に戻すことが出来なくなり病気となります。東洋には“未病治す”と言う考えがあります。これは、経絡の流れに異常が起きた時に、病気の症状が出る前に、はり治療により経絡のバランスを整え、健康な状態に戻し、病気になることを予報することを言います。
病気は、気を病むと書くように、気の異常が原因で起こるのです。
経絡や気を、現代に置き換えて、神経や血液。リンパの流れと解釈しようとする考えもありますが、実際に治療の場で体験すると、神経や血液・リンパの流れとは、全く違うもので、現代医学では、いまだ解明されていません。
はり治療の歴史は古く、約五千年前に中国黄河流域で基礎が生まれました。この技術が手から手へと伝えられ、中国の古典“素問・霊枢”ではり治療の体系が作られ記述されました。我が国には、1,400年〜1,500年前に仏教と共に伝わりました。経絡治療は、奈良・平安・鎌倉時代のはり医から江戸時代の検校はり医の臨床体験を包括し、中国の支那哲学における最も基本的な思考形式である陰陽論と五行論が基本となり、日本人の体質や環境に合うように体系つけられた治療法です。
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