中部産業遺産研究会
The Chubu Society for Industrial Heritage


産業遺産研究 第9号 インタビュー 「20世紀の産業技術−私の歩んだ道-」

日本の保存鉄道への道を拓く −白井 昭氏−


  1. HASHIMOTO Hideki and YAMADA Mitsugu : An Interview with SHIRAI Akira.
    Mr. Shirai is the pioneer in the preservation railway in Japan.
    Also he is famous for the main engineer of "Panorama-Car", which had developed by Nagoya Railroad Co.,Ltd. in 1961.
    Editing, by HASHIMOTO Hideki and YAMADA Mitsugu

  2. 白井昭氏は名古屋鉄道株式会社の技術者として、戦後、アメリカを中心とした海外の鉄道に関する最先端技術を研究し、またそれらを積極的に日本の鉄道車両に導入した。1961年、その集大成である7000形パノラマカーは、その後の日本の鉄道車両に技術面、デザイン面など様々な面で大きな影響を与えた。パノラマカーは誕生後40年を経た今日でも現役で走り続けている。
    その後、大井川鉄道株式会社へ移り、1975年の2109蒸気機関車(現在は日本工業大学工業技術博物館に保存中)をはじめとして蒸気機関車や鉄道関連の周辺設備などの保存を進めるとともに、大井川鐵道を世界でも有数の保存鉄道に生まれ変わらせた。日本の保存鉄道と鉄道関係の産業遺産研究と保存に関するパイオニア的存在でもある。
    最近では各地の赤字ローカル私鉄の廃止問題に対して、残すにはどうすべきかという観点から意見を述べられており、その意味ではご意見番的存在でもある。

  3. 白井昭氏のプロフィール
    出生  昭和 2年(1927)  9月24日 愛知県岡崎市に生まれる
    学歴  昭和20年(1945) 旧制豊橋中学校(現・愛知県立時習館高等学校)卒業
    昭和23年(1948) 旧名古屋工業専門学校(現・名古屋工業大学) 機械工学科卒業
    職歴  昭和23年(1948) 名古屋鉄道株式会社入社
    車両部、教育センターを経て企画課長、運転課長などを歴任パノラマカー、
    犬山および東京モノレールの開発・設計に携わる
    昭和44年(1969) 大井川鉄道株式会社へ移る
    昭和45年(1970) 保存鉄道のノウハウを学ぶためにイギリスへ渡る
    以降、クラウス(17)、コッペル(1275)、C11227、C12164、C5644、C11312、
    C108の動態保存を進める
    C5644は昭和54年(1979)にタイ国鉄より日本へ里帰りさせた
    その他、客車、電車、転車台、レールなどの保存も進める
    昭和52年(1977) 大井川鉄道とスイス・BRIENZ-ROTHORN鉄道との姉妹鉄道縁組み
    昭和61年(1986) 大井川鉄道と台湾・阿里山森林鉄道との姉妹鉄道縁組み
    昭和62年(1987) 大井川鉄道株式会社副社長・技師長
    平成2年(1990) 大井川鉄道井川線アプト式鉄道開通
    平成6年(1994) 大鉄技術サービス株式会社代表取締役社長
    平成12年(2000) 大井川鐵道株式会社顧問
    平成13年(2001) C11190の復活プロジェクトを開始
      現在産業考古学会、中部産業遺産研究会、海外鉄道研究会、日本ナショナルトラストの会員として活動中
    受賞  平成 3年(1991) 日本観光協会 「功労者」
    平成 7年(1995) 運輸大臣表彰 「交通文化賞」
    平成 7年(1995) 産業考古学会 「保存功労者」
    平成 8年(1996) BRIENZ-ROTHORN鉄道 「感謝状」
    平成 8年(1996) 台湾省林務局長 「感謝状」

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