Linux をネットワークインストールする

[1] 前提事項

以下は Vine Linux での使用を前提にしています。

また、Vine Linux をインストールする対象マシンを マシンA と呼ぶことにします。

[2] 公開FTPサーバからのFTPインストールの手順

以下の手順ですすめていきます。

  1. ブートディスクの作成
  2. ブートディスクによる起動

以下、それぞれの手順を詳説します。

[3] ブートディスクの作成

以下、Windows下で作成する手順を述べます。

※ FTPサイトならびにディレクトリ名・ディレクトリ構成は変わっていることがあるから、適宜読み替えること。

任意のFTPサイトへ行って、ディレクトリ /pub/Linux/Vine/Vine-3.1/i386 のなかへ入っていきます(ブラウザでクリックしていけばよい)。以下、このディレクトリを基本ディレクトリと呼ぶことにします。

基本ディレクトリの下位ディレクトリのなかから、下の二つのファイルをダウンロードします(小さなファイルなので時間はかからない。特に後者)。

前者がブートイメージで、後者がブートディスク作成プログラムです。

ダウンロードしたディレクトリで次のコマンドを実行します。

$ ./rawrite.exe -n -f bootnet.img -d b:

※ 上の例では端末として Cygwinを使っているが、Windowsのコマンドプロンプトでもいい。

※ ドライブ名に注意。 上はFDDのドライブが b: の場合。

[4] ブートディスクによる起動

ブートディスクをマシンAのFDDに差込み、起動します。FDDから起動するようマシンAのBIOSが予め設定されていなければなりません。

起動すると、まず画面に
boot:
と出るので、通常はそのままリターンを押します。

しばらくすると、ネットワークインストールの方法を訊かれるので、ここではFTPを選びます。

またしばらくすると、IPアドレス等の情報を入力する画面がでてきます。ここでは、マシンAのIPアドレスがDHCP取得ならば、何もする必要はありません。

FTPサイト、ディレクトリを指定する場面では例えば下の表のように指定します。

FTPサーバftp.jaist.ac.jp
ディレクトリ/pub/Linux/Vine/Vine-3.1/i386

上記FTPを anonymous で使用するので
[ ] 非 anonymous (匿名)FTPを使用
の項目はそのままにしておきます(チェックを入れない)。

以降はCD-ROMでのインストールと同じように進めて行きます。

インストール記録は /tmp/install.log に保存されます。

[5] ローカルCD-ROMからインストールする方法

オペレーティング・システムのような大きなソフトをローカルネットワーク上の複数のマシンにインストールするのに、一々ネットワークインストールをしていたら、ダウンロードにたいへん時間がかかってしまい、非効率です。

CD-Rドライブのついたマシンが一台あれば、Linuxのインストール・イメージは、そこにダウンロードして、CDに焼いておき、あとはそこから(CD-ROMドライブの付いてない)他のマシンにネットワーク・インストールするというやり方が効率的といえます。

以下、CD-ROMドライブの付いたマシンを マシンB とし、マシンB のCD-ROMドライブにある VineLinuxインストールCDを、マシンAにネットワークインストールすることを試みます。

ネットワークインストールの方法として、ここでは HTTP プロトコルによるインストールを試みます。

そのためには マシンB は httpd デーモンが稼動するインターネットサーバである必要があります。インターネットサーバの構築の仕方についてはここでは述べません。 以下、マシンB には代表的インターネットサーバである Apache が既に動いているものと仮定して話を進めます。

マシンB の httpd のホームディレクトリ を /home/httpd とし、/home/httpd/html を DocumentRoot とします。HTTPプロトコルでは DocumentRoot 以下のファイル・ディレクトリが公開されます。

そこで以下のコマンドを実行して、/mnt/ へのシンボリックリンク mount を DocumentRoot の中に作っておきます。こうすることで、外部からも マシンB の CD-ROM へアクセスすることができるようになります。

# cd /home/httpd/html
# ln -s /mnt/ mount

次にマシンA を起動フロッピーで起動します。

Installation Method を訊かれるので、ここでは HTTP を選択します。すると Web site name, Vine Linux directory を入力する画面になります。マシンB のIPアドレスが 192.168.0.2 であるとすると、ここでは

Web site name:192.168.0.2
Vine Linux directory/mount/cdrom

のように入力します( /mount/cdrom の mount は先に作った /mnt/ へのシンボリックリンクです)。

あとは通常のインストールと同じように進めていきます。