キンセンイシモチ Apogon properuptus (Whitley) 硬骨魚綱 スズキ目 テンジクダイ科
2006年8月13日、高知県柏島で採集。 | |
分布 | 南日本太平洋岸、インド・太平洋。 |
概要 | 体側に橙色の縦縞が数本走る。オオスジイシモチやコスジイシモチに似ているが縞模様の色が異なり、本種の尾柄部に黒色紋がないことで見分けられる。サンゴ礁や岩礁域、防波堤のテトラポッドの合間に生息する。肉食性で小魚やプランクトン、甲殻類などを捕食する。本種はマウスブリーダーで、卵は雄親口腔内で育ち、稚魚は口から吐き出される。それまで親は餌を食べない。 |
採集 | 本州南部〜沖縄沿岸で採集できる。ごろた石や洞窟のような場所に多く、ガンガゼについていることもある。ただしガンガゼの棘は非常に長く、毒があるため注意が必要。成魚は夜釣りで採集されることもある。鱗がはがれやすく、さらに水質悪化に弱いので、輸送には細心の注意が必要。 |
飼育 | 60cm水槽で終生飼育可能。輸送には弱いが、輸送がうまくいき、清浄な水質の水槽に放してしまえば飼育は容易。他の魚との混泳は口に入らないサイズの個体とならばよい。また同種同士の喧嘩しないので群れでの飼育も楽しめる。サンゴなどにはまったく無害で無脊椎水槽にもよい。 餌は基本的に動物質のものを与えるが、配合飼料に慣らすこともできる。中には最初から配合餌を食べるような個体もいる。冷凍のアルテミアやコペポーダなども好んで食べる。 病気は白点病にかかることもあるが、概ね丈夫である。 |
食味 | あまり食用にはしない。 |
注意 | とくになし。 |
文献 | 中坊徹次編、2000 日本産魚類検索 第二版. 東海大学出版会、東京. |
リンク | テンジクダイ科魚類の採集及び輸送中の管理について |