身体塾・武道塾トレーニングの為の共通項


●共通項の1 基本的運動のマスター
1- 目的の為の運動を覚える
2- その運動を適度なスピードでするー       運動そのものを間違いなく覚える為に
3- 運動を出来る限り速いスピードでするー     全体運動につなげる為に
4- 運動を出来る限り遅くするー           運動の誤魔化しの発見
5- 3-4を交互に繰り返す。
これが、共通項の一つである。
しかし決して、自分のやりやすいスピードで続けてはいけない、やりやすいスピードは運動に慣れる為の最初だけで、運動の中身を身につけることではない。決してやりやすいスピードで続けてはいけない。これが技術獲得の鉄則である。

●共通項の2 身体感性の強化
次に本題である「刺激の知覚と認知、そして線作り」だ。
運動がある程度スムーズに出来るようになったら、身体の任意の部位、例えば「肘」「手首」他を刺激によって感じる。
次に、例えば「肘」から「手首」をねじれなどの刺激によって、線として明確に認知する。
それを
1- 運動に沿って「何となく感じる」
2- 運動をゆっくりさせ「確実に感じる」
3- 感じなかった部位に対して「集中的に刺激を与える」
4- 感じない部位がないか「運動に沿って繰り返す」。
5- 3-4を繰り返す。
これが共通項の二である。
これらがメソッド的トレーニングで、全てに共通する取り組み方だ。

●共通項3 創造力の形成 
次にメソッド的トレーニングをカバーするパーソナルトレーニングだ。
パーソナルトレーニングとしては、目的を常に日常で確かめる。つまり、それが
「個別の工夫」で、例えば、背骨の知覚であれば、日常で何かにもたれかかり、もたれている所を知覚出来るようにする。また、知覚という点では手で触れている感触を確かめる等といった、トレーニング以外で日常で出来るそれぞれの人の工夫が大切なのだ。
以上が共通項の三だ。
ここで焦って、実際には刺激の知覚化が出来ていないのに、「感じていると思う」もしくは「感じている気になる」にはならないようにすること。それらは
「頭が感覚を無視して思っていること」なので、このトレーニングをそれぞれのグランドに持ち込み活用することを出来なくする元になるからだ。
様々な事を活用できない大方の人は、この
「つもり」が原因である。

●共通項4 精神感性の強化 アスリート身体を創る
次に、任意の運動に負荷をかけることで運動の正誤を検証する。身体に負荷がかかった場合、本能的にその負荷に対して拒否反応が筋肉の緊張として出る。そして、その負荷が自分の運動を阻止する側に働く為、余計に負荷部位に注意が向いてしまい、スムーズな運動が出来ずに緊張したもの、角のある動きになる。
それで良いのだ。それを認識する、つまり、自分自身のうまくいかない心理的焦りや、このやろう、という感情的対立、知らず知らずのうちに負荷の部分に緊張がいくクセ的対立的運動をしている自分自身の認識をするのだ。
これが共通項の四である。

この最後の共通項の四から「使える身体」を作る為のトレーニングが始まる。この心理的精神的感情的クセ的要素が運動に対して緊張として働く、という事を認識できなければ、実際にこれらの要素での緊張を知ることも解決することも出来ないからだ。
繰り返すが、
「刺激→知覚→認知」という順序で、「刺激」という身体への情報を受信する精度を高めるが目的だという事を。
そして、それに基づいて「線を形成していくこと」が、トレーニングの本質だということを見失わないようにすることが大切だ。

「日野身体理論」

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