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シュノーケリングを安全に行うためのはなし
シュノーケリングは自然を相手にするスポーツです。
従って、様々な危険がありますが、それらを十分理解して、適切な準備をすることが重要です。
(特に残念ですが、年に数人程度、シュノーケリング中の事故で亡くなっているようです。)
このページでは、少しでも安全にシュノーケリングを行うのに有効だと思われる話を載せています。

大きく分けて、シュノーケリングでのリスクは3つあると言われています。
@潮流、カレント、など水の流れによるもの
A危険な生物によるもの
Bシュノーケリング時のパニックによるもの


@はシュノーケリングを行う場所のダイビングセンターや、地元の方に、その土地の注意点を
 聞いておくことが重要です。
Aは危険な生物を知ること、むやみに手を出さないこと、いざと言うときの処置を知ること、
 などが重要です。
 とはいえ、@は当然ですが、Aもダイジロウはまだ知識不足ですので、他のサイトで勉強する予定です。

Bは、パニックにならないこと!といって済む話では無いので、スクールの中で学んだ、
 パニックになりにくくするのに有効なテクニックと練習を以下に紹介したいと思います。


■シュノーケルクリア失敗のとき
最もありがちなのが、シュノーケルクリア(シュノーケルの筒の中に入った水を除去すること)の失敗でしょう。

もし、息を出し切ってしまったときは、シュノーケルを口から外してしまいましょう。

水が少し残っている程度の時は、大きく息を吸わずに少しずつすするように吸うと、ジョボジョボいいながらも呼吸することが出来ます。

フゥ!というクリアの時の息の圧力が不足して、きれいに水が吹き飛ばせない時は、排水弁を手でふさいで、筒の中の圧力を高めると抜けやすくなる場合がありますので、これも試してみてください。
(右の写真参照)

■立ち泳ぎ
もし、シュノーケリングの経験が浅い方は、浅いところで十分に練習をするか、ライフジャケットやライフベストを着用することを勧めます。
いざというときに浮力が確実にあれば、おぼれるあるいはパニックになるリスクは大幅に低くなるでしょう。

潜りたい方は、ライフジャケットの変わりに立ち泳ぎを十分にマスターしましょう。シュノーケリングのコツのページでも紹介しましたが、
体を垂直に立てて、行進するように手足を前後に振ります。
するとフィンがしなって大きな下への圧力が生じ、浮力が得られます。
慣れてきたら、腕を振らずに足だけで立ち泳ぎが出来れば完成です。

シュノーケルクリアに失敗したとき、マスクに水が入ったとき、水を飲んでむせたときなど、まずいことが発生した場合は、立ち泳ぎをしながら回復を行います。

    圧力

■シュノーケル付けはずし練習
パニック対策練習です。

まず、ジャックナイフで水中に1、2m潜ります。
水底でシュノーケルを口からいったん外し、再び装着します。
水面に浮上し、シュノーケルクリアを行います。

たとえば、水中でシュノーケルが外れても、再び装着できれば問題ありませんね。また、様々な作業を行う余裕を持つことがパニック回避に有効です。

なお、シュノーケルを水中で装着する際は、
口元が動くときに、マスクに水が入りやすくなりますので、
右手でシュノーケルを持ち、左手でマスクのレンズ下側を顔に押し付けるように軽く抑えながら、シュノーケルを加えると良いようです。

また、呼吸をしっかり止めておかないと、口をあけたときに水を飲んでパニックになりますので気を付けましょう。

■シュノーケルに水が入ってしまうとき

水面をバタ足で進んでいるときになぜかシュノーケルに水が入ってくることがあり、プールで溺れるかと思いました。

この原因は右の絵の下側のように目線を足元のほうに向けすぎて、シュノーケルを水中に沈めてしまっていたのでした。
正しい姿勢は上の絵です。
シュノーケルの先端って、思っているより頭の真上なんです。



■休憩の仕方
からだのどこかにトラブルが発生したり、疲れて動けなくなったら、まずは休憩しましょう。
休憩のスタイルは「シュノーケルに水が入ってしまうとき」の上の絵の状態です。
シュノーケリングではこの状態が休憩です。
立ち泳ぎは、疲れるので長時間は避けましょう。

■足がつった!!
フィンを一生懸命動かしていると、足の裏(土踏まず)がつってしまうことは良くあることです。
こんなときは、フィンの先端をつかんで手前に引っ張ります。
この時、呼吸が出来るように、シュノーケルの位置や体の姿勢を十分に考えて行ってください。

■疲れたときのバタ足テクニック

シュノーケリングのコツでも紹介しましたが、疲れたときに有効なバタ足のテクニックです。呼吸が出来て、このバタ足ができれば必ず帰ってこれます。
通常のバタ足は、脚の付け根からゆっくり大きく動かします。
しかし、疲れたときは、あえて膝から足を大きく曲げて、水面から出し、水面をバチンバチンと叩くように振り下ろします。




■できれば避けてほしいこと(ハイパーベンチレーション)

スキンダイブ解説でも説明しましたが、
潜る前に、大きく強い呼吸を行うと、苦しくなりにくいと言われています。
しかし、苦しさが感じにくくなるだけですので、気がつかずに限界を超えて酸欠になり、水中で意識を失ってしまう(ブラックアウト)ことがあるので、基本的にはこのテクニックは使わないようにしましょう。

■バディシステム

ダイビングでは当たり前だと思いますが、シュノーケリングにおいても単独で行動せず、相方といっしょに行動することが基本です。
単独行動が、シュノーケリングで亡くなる場合の代表パターンではないでしょうか。
特に望ましくは、一人が潜ったときはもう一人が水面にいる状態を交互にチェンジして行うのが良いといわれています。

そこまで厳密で無くても、複数の人間で行動することで、救助の依頼やパニックの回避、危険な状況の発見など、多くのリスクを回避できる可能性が高まります。



■まとめ
シュノーケリングというレジャーは、通常、シュノーケルで呼吸が出来るのでとても安全に思えますが、何らかのトラブルやミスが発生した場合、予想外の状況が発生することがあります。
そんなトラブルも、事前の防止策や、あらかじめリカバリー法を含めて体験しておけば、パニックになるのを防げる可能性が高くなるでしょう。
せっかくの旅行ですから、のんびり、楽しく、且つ安全に楽しみたいものです。


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