昔より馴染みの忘れてはならぬ植物-序

「大気はいうまでもなく、人間は太陽、水、土、火、それに植物が無くては生きて行けない。暦の七曜とは旨く考えたもんだ。日、月、火、水、木、金、土と一週間一回りの繰り返し即ち日は太陽で光と温度。月はすべての引力の施し。火は日常の熱量。水は夫々の生命を繋ぐ源。木は植物を表し金は金属と金片お金。土は大地。と庶民に忘れることの無きように並べたものだ。感服の至り。」

「太陽が有って大気、水、土は自然が作り出し備わるもので、自然界には生物が湧き出る。軈(やが)て進化を重ねつつ、生物は動と静に分かれて来たった。動は動物、静は植物として、生きるが為には食を求める。動は静を食す。時には動をも喰う。時の流れは弱肉強食となる中で人間は両方を食する欲深き生きものとしてき火を扱う高等生物に進化した。」

「原始人や動物たちは火は無くとも生き来たったが、我々人間は文化が進むにつれ、火は日常の生活に伴うものとなった。而し科学の産んだ「火」は自然をも破滅する恐ろしい「火」であることを決して忘れてはならない。是れ文明の世の流れの徒らなるものかと思わざるを得ない。単なる火でも疎かや不注意,不始末によって火事が起こる。すべての資源を破滅状態にする事も屡(しばしば)である。我々が植物を護るが上には、入山する時など火を弄んだり煙草の火や火の元の所持は断じて禁じ守るべきが肝要である。」つづく。(注:「火」とは科学的なすべてを含めた化学の火のこと)

「人間は進化の道を辿ってきたことによって、文化的生活状況を誘い、火と共に植物は現代の我々には欠かすことのできないものとなった。昔ながら植物との誼(よし)みと繋がりをもつ今日、昔を偲んで山菜は別表にも印し、植物のわずか一部ではありますが、昔より馴染み深い生活に関した植物に就いて書き綴りました。」

「平素、身近にあるものは稍(やや)もすると遂い忘れ勝になります。我々の日常を齎(もたら)してくれた植物の大切さを忘れぬ為と、欲がからむと根絶しにして仕舞う恐ろしさを頭の中に刻み込んで置き、此処に祖先より用い来たった植物の尊さを顧みる事と致しましょう。」

平成211月書き替え 喜多方市 山都 宮古 関口日出雄





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