言い出しっぺ(2003.4.5)

職場には、担当というものがあり、ほとんどの人はその担当を超えて仕事をしようとしない。
いわゆる、自分の担当業務のみをこなし、それ以外の事には全く手を出そうとしない。
定年に近くなればなるほど、その傾向が強くなるようだ。

その担当業務を、誰にも後ろ指をさされないように、プロ的に遂行できる社員は稀である。
特に今日のように、インターネットだ、パソコンだ、IT革命だ、ブロードバンドだのと、
目まぐるしく、その方面の技術が進歩している時代ではなおさらの事である。
その方面の基本的スキルを持たない高年齢社員の場合、
誰にも後ろ指をさされないように日々の業務を遂行するということは、極めて難しいだろう。

「これこれの問題において、この案件は、いつまでに、こうしないと大変なことになりますよ」
と、当該担当に忠告しても、それを遂行する能力のある社員がいない場合どうなるだろう。
これだけ忠告して言ってやってるのに、何故やらないのか!
あんたんとこが、ちゃんとしないから他の関連部署、みんなが困るんだよ!・・・・・・・・



という具合に、後はもう、個人攻撃にしかならない。
極論だが、個人攻撃が度を過ぎて、当該担当者が自殺でもしようものなら、忠告し、注意した者は殺人者になってしまう。
実際に、そういう事例を聞いたことがある。

ではどうするか。
結論的に言うと、言い出しっぺがやるしかないのである。
何故なら、言い出しっぺは、今すぐにでもその案件を処理しなければ、大変なことになるという危機感を持っているし、
口に出して言うくらいだから、一般的に責任感も持ち合わせている。
さらに言うと、その案件を処理する能力も持ち合わせている場合が多い。

かくして、ただでさえ忙しい社員が言い出しっぺというだけで、他担当の業務まで遂行せざるを得なくなるのである。

まさに、忙しい社員のところにどんどん仕事が飛び込んできて、
能力のない暇な社員のところには、仕事がこないで暇のまんまという事態となる。
働き蜂のように多忙な社員も、ナマケモノのように何もしない社員も給料はほぼ同じである。
私の先輩で、いつも忙しいNさんは、はぶてて1週間仕事を休んだ。

このようなことが起こるのは、いったい誰の責任なのか!
私は叫びたい。
「責任者、出てこい!」
?????ん・・・また悪い癖が出てしまった。


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