潮の香りのするところへ(2019.9.7)
下の写真は、熊本市内を流れる一級河川「白川」の堤防道路である。
【 道幅5mくらいの堤防道路。向かい風で草が手前になびいている 】
左岸の写真であり、右手に白川が流れている
左手には、川面と同じ高さくらいの高さである田んぼや、住宅が広がる。
この道路を、ずっと先へ進んで行くと有明海へとつながっている。
毎日の夕方、ウォーキングするコースに変化をつけたくて、
その日は、ママチャリに乗ってこの堤防道路をサイクリングする事にした。
ウォーキングばかりでなく、サイクリングもいい運動になるだろう。
さて、どこへ向うか。
海に向って、潮の香りのするところへ。
自宅から出て、堤防道路に乗り入れたところですごく風が強いのである。
しかもアゲインスト(向かい風)であり、ペダルをこいでもなかなかスピードが出ない。
向かい風かぁ、、、おいらの人生と同じだなぁ、、
追い風が吹いたことがない、、、、
しかし待てよ、帰り道は追い風になるから、楽だぞ、、、、
そんな事を思いながら、ゆっくりとペダルをこぐこと1時間半、
やっと有明海に出る。
【 白川が、有明海に出るあたり、、、(この写真は同じところで、3年前に撮ったもの) 】
【 干潮の有明海と、マイ ママチャリ(これも同じ場所での3年前の写真) 】
潮の香りがした。
写真の左端に見える堤防が、白川の最下流の堤防となる。
そこまで走って、高さ2mはある堤防によじ登り、
腰掛けてしばらく海風に吹かれた。
左億に見える山は、島原半島方面である。
潮の香りのする海風に、しばらくの間吹かれていた。
5mはある堤防に腰掛けているので、潮風は正面と下から吹いてくる。
髪が長ければ、シャンプーの宣伝のように黒髪が潮風になびき、
まるで風に立つライオンの気持ちにもなれるのだろうが、
ピッカピッカのはげ頭だから、風情も何もない。
360度、辺りを見渡してもその視界に、人っ子一人写らない。
ここ有明の海は、遠浅で海の色は茶色く濁ってはいるが、
それでも潮の香りのする海はいい。
20分ほど潮の香りにうたれて、
さあ、そろそろ帰ろう!
来た道を引き返す事にした。
自転車をこぎだす事、10分。
とたんに上空の雲行きがあやしくなった。
近くにビルとか遮るものがないと、海の上と同じで、
雨のカーテンが、遠くから迫ってくるのがよく分かる。
天気予報を見ていたので、雨合羽は持って来ていた。
ポツリと雨が降り出したところで、合羽を着た。
しばらくすると、ゲリラ豪雨のような雨になった。
と同時に、帰路は追い風で、スイスイッと帰れる予定が、
ものすごい向かい風である。
やれやれ、オイラの人生と一緒だぁ、、、いつもいつも向かい風、、、、
そう思いながら、ゆっくりゆっくりペダルを踏みつつ、
家まで帰って行った。
ゴロゴロ、ピカーッと、雷の鳴る中を。
しかしながら、久し振りに潮の香りを吸えたせいか
不思議と気持ちは晴れやかだった。