牛頭天王






最勝院護摩堂本尊牛頭天王




牛頭天王の厨子の底に寄進者名と年号の記載が残されている




 牛頭天王は旧大円寺本堂の本尊であり、現在は最勝院がその本堂を
そのまま引き継ぎ、護摩堂と名称を変え、現世利益の祈願道場として
信仰を集めている。當院の牛頭天王尊は古くより疫病除けの御利益が
あると近郷近在の人々に信仰を受けてきた。
 牛頭天王尊はもともと天竺(印度)の祇園精舎の守護神とされ、疫
病除けの神とされてきた。それは、天竺の牛頭山の栴檀が熱病を除く
とされるところより由来するという。
 ここ津軽では、春先に農家の女性達がその年一年の無病息災、家内
安全、五穀豊穣を祈念して弘前近郷の神社仏閣を参詣する七ヵ所参り
(七ヵ村懸け)という民間信仰が古くからある。当院の牛頭天王もい
まだにその信仰を受け続け、春先ともなるとたくさんの信者が訪れ
る。昔は全て徒歩での参詣であり、その最終地の温泉にて旅の汗と埃
を洗い流し、皆で交歓するという密やかな楽しみでもあった。近年は
交通事情の発達により、バスにて参詣をする姿が当たり前となった。



旧暦六月十三日はダエジの宵宮(例大祭



約二百軒の露店が軒を連ねる例大祭

 旧暦六月十三日は、この牛頭天王の例大祭(御縁日)である。この
日は、夕方から露店が立ち並び、老若男女がドッと繰り出す。近年、
津軽地方では、多くの神社仏閣が参詣者の便宜を図り、新暦の縁日を
採択したり、ともすると日曜や祭日に合わせて、縁日の大祭等を行っ
ている事が多いが、当院の場合は、かたくなに旧暦(太陰暦)を守っ
て、密厳舎本尊牛頭天王尊の本来のご縁日を大切にしている。



人出は津軽地方縁日では随一



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