多重債務者問題のこと

     どんな救済措置があるのでしょうか

多重債務者とはちょっと分かりにくい言葉ですが、あちらこちらからお金を借りて困っている人を言います。お金の返済に困っている人は実際少なくありません。しかしその困り方も色々なら、解決の仕方もいろいろです。

法的な措置としては、特定調停手続、民事再生手続、破産などが用意されていますし、裁判所手続を経なくても和解なども当然に考えられます。それらどのの手続を選ぶかはその人の実情によります。

例をあげます。

ある人が自己破産の申立をしたいとして相談に見えられました。話を聞くと借り入れ金額は300万円ほど。本人の収入は年金だけ。パートの収入を含めてやっと暮らしている。とても毎月約10万円の返済ができる状態ではありません。

そこで詳しく借入の状況を聞き、貸した先(つまりこの人の場合いわゆるサラ金会社5社ほどだったのですが)に取引状況の履歴を問い合わせ、その回答を見たところ、4社ほどが過払いの状態であることがわかりました。

サラ金会社との契約は29.2パーセントの利息。これを利息制限法の規定(借入額1社につき100万円以下でしたから18パーセント)にひき直して計算した結果は過払いだったというわけです。勿論、破産する必要はありませんでした。

債務者保護行政あるいは法制の進んだ今では、このような解決にいたる場合もあるのです。

もうひとつの事例。

ある女性は090金融に手を出しました。2年間、払い続け借り続けて、結局は16社(会社かどうか分かりませんが)から借り入れ。本人のメモによって計算したところ借り入れ総額は40万円弱でした。これに対して家族が脅かされて返済してきたお金の総額は、なんと700万円余。私の事務所に来たのは情報料として更に30万円を請求され、払わねば家に乗り込むと脅かされ、困ったあげくでした。

早速、090-xxxx-xxxに私が電話しました。相手は例によって怒鳴り散らすだけ。そのうち5本ある事務所の電話が一斉に鳴り出しました。「てめえの事務所をめちゃめちゃにしてやる」といった言葉を実行しているつもりなのでしょう。こちらは適当にあしらっていましたが、今度は事務所近くの花屋さんが飛び込んできました。「消防署からの連絡。三岡事務所で大変なことが起きているらしい。電話しても出ないから見てきてほしい」全くの偽電話です。しかし花屋さんは実情は知りませんか親切に来てくれたのでした。

このような大騒動。どうなったか結果をお知りになりたいでしょう。

騒ぎは3日間で終わりました。その後、当事務所ではその人の破産手続きを進めることとしました。

知っていただきたいのは、このような場合、遠慮なく相談していただきたい。ということです。司法書士事務所は彼らと相対します。心配は要りません。

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