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最初、ネパールトレッキングの誘いを受けた時は日程や金銭的にちょっと無理かな!と感じたものだ。
それが参加できるようになったのは上司の理解や同僚の支援に家族の後押しがあったからだ。
この場を借りてお礼を申し上げます。

今回、トレッキング旅行中に見聞きし感じた事を気ままに書いたので時間と興味の有る方はゆっくり御覧下さい(^_^;)
(※お断り:本章はyamaskの主観と手帳の記録等を元に記述したものです)

■出国 画像のマチャプチャレは現地語で「魚の尻尾」の意
関空を深夜発ってネパールへ到着するまでは、機内やバンコク空港で旅行気分よろしくワイワイと賑やかだったが、カトマンズ空港では銃を持った兵士が警備する中、係官にバッグの中身全てを調べられ政情不安なネパール情勢に緊張感が走った。
また手荷物受取り所では現地人が断りもなく勝手に荷物を運び後でチップを要求してくるので閉口する。
聞くとネパールは公務員でも給料が安くチップ等の収入がなければ生活が苦しいそうだ。
そんな訳だから仕事にも付けない現地人は外国人の集まる場所にたむろしチップで生計を立てている人が多いと聞く。
なんとか国際線ターミナルから出て現地スタッフの運転する専用車で国内線乗場へ移動しポカラ行きの国内線へ乗り換えて初日の宿「シャングリラ ヴィレッジ リゾート」に到着した。
シャングリラ ヴィレッジ リゾートは入口に警備員が常駐し周囲は高い塀で囲われているが、一歩外に出るとバラック建ての住宅が多く点在し野牛が闊歩している。
ホテルに入ると、全員がティカ(おでこに付ける紅で幸せを呼ぶ)を付けてもらい各々の部屋に落ち着く。
夕食まで時間があったので、ポカラ市内のペワ湖周辺へ散策に出かけ買い物やインターネットで楽しみ、暗くなり迎えの車が来たのでホテルへ帰り夕食を済ませた後ホテルの部屋で焼酎を飲みながら眠りについた。

■トレッキング初日(曇時々雨) 画像は現地に咲くオニシバリの花
ホテルで朝食を済ませた後、専用車でトレッキング開始地点のナヤプルへ向うが途中の検問所では、銃を構えた兵士がいたり車が止まると子供達が寄ってきて『スィート!』『ペン!』と手を出してねだる。
ちなみに『スィート』は甘い物の意でチョコやキャンディを『ペン』は鉛筆やボールペンで、この状況はトレッキング中の山奥でも多く目にし写真を撮った少女からは金銭を要求された。
一方で旅行者が安易にチョコ等与えるため子供が虫歯になり、治療費が払えないので歯を抜くケースも増えているそうだ。
話はそれたが戦後直ぐの日本を思い出すような雰囲気の中を走りやがて標高2000m近い峠道を越えてナヤプルへ到着した。
ここで我々の生活用品や手荷物を運ぶシェルパ達を紹介され我々は身の回り品だけを背負ってトレッキングを開始する。
最初はモディコーラ川沿いに歩きシャウレバザールからは、山の斜面に建つ集落を縫うよう作られた階段状の石畳道を進んでいくが、山の天辺付近まで作られた段々畑は人力だけが用を成すようで村人の苦労がしのばれる。
そんな感傷に浸りながら登りつづけグルン族の村である今夜の宿営地ガンドルンへ到着。 
夕食まで時間があったので露天商の女性と民芸品を前に楽しいディスカウント合戦を繰り広げるが、首を縦に振らない場面でもチョコやキャンディを見せると横に振っていた首を縦にした。
日本風に味付けのされた美味しい夕食後、テントへ入り食事中に飲み足りなかったアルコールを傾けながら夜が更けていった・・・zzz

■トレッキング2日目(曇・雷氷) 画像はシャクナゲの花
早朝、僅かな時間だが雲の切れ間に「魚の尻尾」の形をした白銀のマチャプチャレが姿を現し歓声が上がる。
朝食を済ませ身支度を整えて行動開始ゆるい登りが続いた後、タダパニ集落手前でルート崩壊のため迂回した山中にヤマヒルがいた事から一騒動が持ちあがる。
なんとメンバーの2人がヤマヒルを見ただけで足がすくみ一歩も前へ進まないのだ。 内一人は完全にパニック状態で落ちたら大怪我必死という状況にガイドが体を支え安全な場所へ移動させ、足に付いたヤマヒルを取ってもらってもまだ興奮が覚めない様子。もう一人も半べそ状態で後に酒の席等で何度冷やかされたことか…(^_^;)
冷静に考えればヤマヒルの多い場所は素早く移動したほうが良いのに、すくんで立ち止まったのでより多くのヒルに取り付かれ後の昼食場所でも一騒動があったがその話は止めよう…フウ〜とにかく疲れた!(^_^;)
遅れたがタダパニ辺りから明日のゴラパニそしてウレリ集落付近まで樹齢1000年を超えるシャクナゲの森が続き目を楽しませてくれる。
タダパニで昼食を済ませた後一度下り、デオラリ峠を目指すが途中でキャンディサイズのアラレと雷鳴に見まわれ峠の茶店へ避難する。小康状態になったのを見計らい雨具を着け歩き出しやがて峠を越え眼下にゴラパニ集落やプーンヒルを望む場所まで来ると北方にマチャプチャレやアンナプルナの勇姿が見てとれて、一時たたずんだ後シャクナゲの森を抜けて今宵の宿営地ゴラパニへ到着。 明日は日の出前登山予定のためアルコールは程ほどにして早々とシュラフへもぐり込む。

■トレッキング3日目(晴れ)
早朝4時に起床し好展望の丘、プーン・ヒルへ登ると山頂には展望台も設置され、そこで夜明けを待っていると後から次々と登山者が現われ各国の言葉が入り混じり賑やかになる。
やがてダウラギリ峰やアンナプルナ峰に朝日が当たり白銀に輝くと一斉に歓声が上がりシャッター音がひきもきらない。
白銀に輝く神々の峰を充分に堪能した後下山し朝食を済ませ、ゴラパニからうんざりするほどの石段を下りウレリで昼食そして下りきってから吊橋を渡って再度登り返しようやくヒレ集落のテント場へ到着する。
ここに初日ガンドルンでディスカウント合戦を繰り広げた露天商の女性が待ち構えていたから、またまた面白い商談が始まった。
『ワタシトアナタ、トモダチネ〜ミルダケOKヨ! ビジネスネ〜ヤスイヨ!!』…で結局要らない物まで買ってしまった(^_^;) 

今宵がトレッキング最後の夜ということで夕食にはネパール人のコックに現地食を用意してもらう。
ご飯に鶏肉や野菜を乗せ豆の汁をかけた物を右手で程良い固さに練り上げ口に運んで食べるそうだが、さすがに素手で食べる者はなく全員スプーンで口に運んでいた。
タイ航空の機内食もスパイシーな味付けだったが、ネパール料理も香辛料の味付けが濃く腹の調子を崩した者もいたようだ。
やがてネパール食も終わる頃に焼きたての大きなケーキも出されが満腹の後では半分以上が残ってしまった。
そして一息ついた頃テント広場に現地スタッフやシェルパそして我々も混ざり現地のお酒を酌み交わしながら、唄や踊りを披露して楽しい夜が更けていった・・・ZZZ

■トレッキング4日目(晴れ)
昨夜のほろ酔い加減を残しつつ朝食後は又延々と続く石段を下りトレッキング初日のナヤプルへ到着する。
待機していたバスに乗りこみ峠を越える途中、車内のラジオから流れる陽気なチベット民謡に手拍子で調子を合わせ歌いながら楽しくポカラ空港へ向かう。
そして着いた空港の手前でトレッキング中、我々の世話をして頂いたスタッフやシェルパ達と手を取り合って別れを惜しみながら、ターミナルへ入ると予定時刻より早めに出る飛行機に早々に乗りこみカトマンズへ到着する。

■カトマンズ観光
カトマンズ空港から専用車でラディソンホテルへチェックインし荷物を置いた後早速カトマンズ市内観光へ出かける。
人と車と牛が入り混じる市街地は一部を除いて信号機も無くまた交通法規もないので、クラクションをけたたましく鳴らしながら車が進んでいく。
脇道からの割り込みや無理な追越し等見ている方が冷やりとする場面を度々目にするが現地の人は上手くすり抜けている。
慣れない喧騒感に疲れを感じレストランへ入って現地のビールで元気を取り戻した後、再度市内へ繰りだし生神様で「クマリ」と呼ばれ崇拝され国王でさえ出向いてくる「クマリ」の幼顔を拝見する。 
その後ダルバールスクウェアやアサン、クメルの土産店や市場を周り各自お目当ての品物を買い込んだ後、市内の日本食レストランで、すき焼きや天婦羅料理にビールを飲みながらトレッキング行程をふり返り話がはずんだ。

■マウンテン・フライト
エヴェレスト等のピークを眼前に望めるマウンテン・フライへ出発するため朝食前にカトマンズ空港へ向い小型機に乗りこんだが一向に飛び立たない。 
機窓から眺めると暗雲に稲光が見え程なく天候不良で中止するむねのアナウンスがあり、一同がっかりしながらホテルへ帰り朝食を済ませるが時間が余ったので近所へ出かけ現地の音楽CDを買い込んで帰国の準備をする。

■帰国
カトマンズから13:55発バンコク行きの飛行機に乗りこみ夕方バンコク空港へ到着、関空行きの飛行機は午前零時頃発なのでタイ式マッサージを受ける者、買い物や軽食をとる者等々空港内を散策しながら帰国の時を待つ。
眠気を感じる頃に23:59分発関空行きのタイ航空便へ乗り込みテイクオフは00:30分であった。
軽食や飲み物のサービスの後、照明が落され仮眠時間になるが狭いイスでは熟睡できるはずもなく、うとうとしていると再び照明が明るくなり朝食が出されそれが終わる頃には日本列島の上空を飛んでいた。
東の空が明るくなり九州上空を過ぎて高度を下げた飛行機は1週間ぶりの関空へ到着。その後伊丹空港へバスで移動し宮崎行きの飛行機で夕方宮崎へ帰り着いた。

【その他】タイの通貨:バーツ  ネパールは人口2400万人の多民族国家で通貨はルピー
短い間だったがネパールは、ばらっく作り様の建物が多く建ち並ぶ中に目を引く立派な建物があったり、市内を観光すると物売りがしつこく付きまとうことも度々で聞くと貧富が激しく学校に行けない子供も多いそうだ。
またネパールは下水設備の整備が悪く都市部の河川は悪臭を放っている。ホテルの部屋に一応水道はあるが水質が悪く飲めないのでペットボトル入りのウォーターが置かれている。

【時差について】日本⇔ネパール(3時間15分)
日本⇔タイ(2時間)  タイ⇔ネパール(1時間15分)
タイのバンコク空港では自由行動のため出発時間に遅れないように時計の時差修正を実施

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