筒渕美允(つつぶち よしみつ)・銅板カメラの世界・ミニチュア・カメラ徒然考


オスカー・バルナックとライカ

オスカー・バルナック  バルナックは1879年にドイツのベルリン郊外の小さな村で誕生。マスターのもとで技術を体得し、1911年にライツ社に就職した。

 登山写真愛好家であった彼は、小型カメラの必要性を痛感。 1913年(大正2年)に映画用35oフィルムを利用したウル・ライカを試作したといわれる。

大戦後のライツ社は経営不振の打開策に、ライツ社のライツ2世の決断により改良機のライカを商品化した。  

 それから1954年にM型ライカが発売されるまでの30年間、世に出たバルナックの思想が貫かれたライカを特にバルナック型カメラと称して、世界のカメラ愛好家に親しまれている。

ウル・ライカ

ウル・ライカ バルナックが試作したウル・ライカは、2台であったといわれている。1台はライツ社の社長ライツ1世に贈られ、これがライツ社に現存している。貴重な世界的遺産カメラとなっている。もう1台はバルナックが使用していたが現存しない。

  バルナック自身が撮影したウェツラー市内を流れる川が氾濫し、市街が洪水になった時の写真が現存するのも嬉しいことだ。  

【参考文献】
 中村信一著:新バルナック型ライカのすべて
   朝日ソノラマ(1998)
 中川一夫著:ミラーイメージ・特集ライカ研究
   ペンタックス・ギャラリー(1976)

銅板ミニチュア・カメラと私

リッチ・レイ35

 私は北海道の北部の美深町でブリキ屋を経営していた父親の三男として生まれた。子供のころのブリキ屋は、トタン屋根葺き、鉄板ストーブの製造や、農業器具、洗い桶、ジョウロ、バケツ、湯たんぽ等々の日用品を製造販売していた。地元の高校を出るまで、よく父親のハンダ付けの手伝いもした。中学1年の時に小遣いを貯めて待望のリッチ・レイ35(ボルタ版)を買って、町内を写し歩く写真好きの少年だった。
今から10年前のこと。古くなったカメラや使用中の愛機を本棚のインテリアにしてみた。眺めていると、各機の隣のスペースに同型の手作りミニチュア・カメラを並べてみたら面白いのでないかと考えた。

リッチ・レイで撮影美深橋

 さっそく試行錯誤で作製したミニチュア・カメラ第一作はキャノンP型だった。サイズは原寸の2分の1にした。このサイズにしたのは寸法がとりやすく、展示のスペースがとらないからだ。最初から銅板を使用したのは、金属のなかでも色が美しく、加工しやすく、手ごろな価格の理想的な材料として決めていたからだ。最初はアクセサリーの小物のハンダ付けに悪戦苦闘の連続だった。最後に苦労のハンダ付け跡を隠すために銅色のスプレーで全塗装せざるを得なかった。

 その後、機能と形態の美しい昔からのあこがれの名機ライカの作製が主流となった。本物のライカは所有していないので、ライカの専門誌の図版を参照にした。年代順にウル・ライカから作り始めた。10年前と比べると製作技術の腕は上がったようだが、ますますバルナック型カメラのスタイルの魅力に取り付かれ、当分バルナック型を通過できそうもない。
とにかく半端な本物ライカ収集に走るより、手作りならば念願のミニチュア・ライカツリーを完成させることも可能だ。

銅板ミニチュアカメラの製作法

  1. カメラ雑誌の写真図版を参照にして、おおよそ2分の1の展開図面を画用紙に描いて、組み立ててみる。
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  2. 0.4mm厚の銅板に展開図面どおりに罫引きし、金切りハサミで正確に切り取る。本体の折り曲げには、丸棒やブリキ専門のツカミ等の器具を使用することもあるが、100円ショップで見つけた小道具で充分間に合うことが多い。
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  3. 何回も使用する部品の展開図は、銅板で型板を作っておくと効率的である。
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  4. ハンダは、融点の違う板金用(227℃)とステンレス用(184℃)の種類を順番に使い分ける。先に付けたハンダが、次の部品の熱で溶けて落ちてしまうのを避けたいからだ。
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  5. 本体を作った後に、軍幹部をのせて塞ぐが、その前に本体の中に適当な重さの釣り用の鉛を入れて固定して重量感を持たせることが必要となる。
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  6. ハンダ付けに使用するフラックスは強酸性なので、換気には十分に気をつける。ハンダ付け後のフラックスは、濡れた布でよ拭き取る。近くに水場があると便利だ。
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  7. ハンダ付けが終了すると、余分についたハンダを極力取り除く。ヤスリを使用するが、ミニ電動クラインダーがあると効率的だ。
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  8. 材料は銅板の他に、ステンレス板、真鍮板、ステンレス座金、銅パイプ等利用するとアクセントになる。
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  9. 銅板はそのままだと指紋が付いたり変色するので、金属研磨剤でよく磨いた後、金属下地塗料とクリアラッカーで塗装すると完成。
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  10. 出来上がったら、家族、友人に見てもらうことが大切だ。きっとほめ言葉が得られ、次の製作意欲につながること間違いない。
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