「美容室」4月号

  鏡の前で美容師が中年の女性のヘヤーを仕上げている。

美容師 「本当にこんな感じでいいんですか?」

女  「地味でいいじゃない?」
美容師 「ガラッと感じ 変っちゃいましたね!」
女  「 
     感じにしたかったの!」
美容師  「何か
           でも?」

女  「いえ、これから駅前   の  
     に行くのよ」

美容師 「あそこ水曜日
       なんですよね」

女 「違うのよ! パートの面接なの。自給800円で従業員を募集してたの。  友達が 食べ物屋に 
     じゃマズイって言うのよ」

美容師 「         ですよね」

女  「見たことある? あの旦那。 ボーとしてるけど苦みばしったいい男よね」

美容師 「そうですか?」

女 「友達から聞いたんだけど 奥さんで派手で
          ばっか
  してるんですって」
〜 美容師 女のケープを はずしながら〜

美容師 「そうですか?私は一度も見たことないですよ」
女 「顔 真っ黒でピンクの口紅して山姥みたいだってよ」 
美容師  「ハッハッハ じゃ、面接 頑張ってください。有難うございました!」 
 〜女 出てゆく。〜

美容師  「お待たせいたしました。次にお待ちの轟様、とどろき様!」

〜 客 立ち上がる。〜

美容師 「轟様でいらっしゃいますね?」

客  「いえ!山姥です!」   
    FIN        
  それから一週間後