公衆電話から 出たら 警察手帳を見せられ ぶっ倒れ た。
一瞬 誰かに一杯ひっ かけられたと 思ったが現実だった。
今頃 女房は 鍵 あけて 待ってる筈。 オレの為に風呂沸かして いつもの店から 飯とって。 ワインで乾杯したかった。
毎晩 接待で 酔っ払い 一寸 厚かましい けど、 この仕事はオレの天職って
気がしてたんだ。 ついこの間 ストーカー 容疑で 組の若いもんが あげられたから 何とかしろと言われ管理人 を目撃者にしたてて 上手く 警察 に起訴を取り下げさせた この
オレが タバコ代 を握らせようとしただけで 鼻血 が出るまで 殴られようとは。
女房のヤツ一銭 の 保釈金も出さないだろううな。亭主 がどうなろうと気にする 女じゃない。
大馬鹿野郎 ! この森 健作 世間の冷たい かぜ など気にしない。 だけどカラオケ
喫茶で 選挙運動 資金を渡したのはまずかった。 捕まったのが自分の誕生日 とは何の因果か。
スリーサイズ 同じのずん胴 婦人警官の香水 が鼻につく。
あーあテレビに顔がでるのは嫌だな。 オレの人生 壊れっぱなし。
そうそう 留置場って エアコン ついてるのかね。オレ 寝苦しいのが苦手なんだ。
作/山里 ゆい
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