〜 男 隣の部屋のドアを開ける。〜
男 「ミーちゃん! もう入ってもいい よ。驚いた だろ? いきなり元気すぎるおばちゃんが入って来て。
俺って マイペースだ から 離婚も 唐突だ った訳サ。
あっ、薩摩いもが ふけてる よ。 一緒に 食おう!
お前 捨てられて 転々としてた んだろう? ここにずっといてもいいよ。 大家さん いつも留守だ し 大丈夫だよ。 でも ミーちゃん 飼ってること 誰も知らない から ピンポーン ってなっても 鳴いちゃあ 駄目だよ。
ちょっと気になるのは隣の 彼よ ! 勘だけはいい んだから。
外国人労働者 やホームレス を集めて危ない商売やってるらしいんで、気を許すわけには ゆかない。 でも 何がよくて やくざ な商売 してんだろう? この俺が言うのもおかしいが。
彼人相が悪いけど日本人離れしてる 体型だし他に仕事ありそうだけどサ。
ところで、 お前 立派な ひげがある わりには 鼠とるの 失敗ばかりして るな。 ちょっと ぶきっちょ なんだね。
彼も 同じなんだろうナ!兄貴分みたいなのに いつも 怒鳴られてばかりで。昔を思うと恥ずかしいよ。 俺、怒鳴ってばかりいたから。
別れたワイフに強がり言ったけど、もっと儲かる仕事ないかな?今の仕事面白い訳でもないし、ただ忙しい だけだから
これじゃ、生きてる意味
ないよナー」
作/山里 ゆい
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