三十秒のシナリオ   2月号

       「診療所」

     患者が精気のない表情で診察室に入って来る。

患者    「・・・・・・・・先生、俺もう限界!!      の具合が悪くて」

医者   「今時       だってば」

     医者、立ち上がり看護婦を呼ぶ。

医者   「おーい、     持って来てくれ!」

看護婦  「今、手が離せないんです。 ウォー!どうしよう!」
の声

医者   「どうした?」

看護婦  「暴れるんです」
 の声

医者   「頭ゴーンと一発なぐって腹にグサッツとメス入れたら大人しくなるって」

看護婦  「ウッツ!駄目!血が噴出した!」
 の声

医者   「お前、何年 看護婦 やってんだ!」

患者   「あのー」

    医者       をとりながら、

医者   「あっ、そうそう・・・・・   の券もらったんだけど、行く?」

患者   「先生! それどころじゃないよ! 切羽詰まってんの」

医者   「あんたの場合    さえやめれば治る。入院って手もあるよ。
       どうしても切りたかったら俺が切ってやる」

患者   「い、いや、もう結構! また出直して来るから」

    患者そそくさと出てゆく。  医者、奥に向かって、

医者   「おーい、出来たか? 鯵のたたき。 腹ぺこだよ!・・・・・アッしょうがあったかな?」

    看護婦、エプロン姿で顔を出す。

看護婦  「もー、しょうがないわね! 先生、釣りばっかして、患者さんいなくなりますよ!」

医者   「まずいな! 鯵のたたきはしょうが醤油じゃなきゃあ」 fin
  医者のつぶやき