五月号 「男の強がり」
チャイムが鳴り男がドアを開けると元妻が立っている。
女 「 ?」
男 「ホー君か!相変わらず ね」
女 「お互い様でしょう」
男 「それにしてもよくここが分かったな! のに!
アッ分かった!
アイツ 黒井だろ? アイツに聞いたんだな?」
女 「
」
男 「新大久保駅でバッタリ会ったんだよ。始め判らなく て
かと思った」
女 「昔から
し」
男 「イラクから帰ったばかりだって?」
女 「うん!よく拉致されなかったわよね?」
男 「銀座で写真展してるから観に来いってしつこくってサ。こちとら忙しくてそれどころじゃないッツーの。
だけど帰って新聞見たら、結構 話題になってるんだね。アイツが俺の助手してた頃 は
頼りなかったけど。 出世したもんだ」
女 「ところで貴方今どうしてるの?」
男 「主に週刊誌に芸能スクープを売り込んでる。 夜がけ朝がけ仕事で の何のって!」
女 「貴方 変ってないわね。 ところでこれにハンコ押して!」 〜かばんから書類を出す〜
男 「マンションの名義変更か! 二人の名義だったっけ?」
女 「忘れたの?結局ローン払ったの私だからね!」
男 「分かったよ!離婚した以上はお前のもの!・・・・あれ!黒井もとこ ・・・お前の旧姓 黒井だったっけ?」
女 「再婚したのよ!彼 言わなかったの?」
男 「エッ!アイツと? い、いつからなんだ?お前達!」
女 「言える立場なの?突然 蒸発して一方的に離婚届送って来たくせに」
男 「そうだな! あー、ハンコね?どこに置いたかな。そうだ!ミヨが持ってんだ。一緒に住んでるんだけど。
後で送ってもいいかな? 悪いけど物凄いやきもち焼きなんで。 今日のところ帰ってくれないかな?」
女 「逃げないでよ!じゃ!」
〜女 出てゆく。〜 FIN