女 「吉田さん？遅くなっちゃってごめんなさい！」

僕もたった今来たところです！」

女 「

仕事が忙しくてなかなかでられなくて」

バイトのウェイトレスが来てコップを置く。

バイト 「ご注文はお決まりですか？」
女 「えーと！コーヒーでいいわ！」

バイト「

はい！コーヒーですね？

」

女 「それで話って何ですか？」

吉田 「武本のことなんだけど」

女 「

えっ？武本さんってどの人でしたかしら？」

吉田 「

僕の右に座ってた浅黒い奴です！アイツ

女 「

・・・・・・・」

吉田 「

すみません！話が唐突過ぎました？」

君と付き合いたいみたいで、君の気持ちを聞こう思って」

女 「

武本さん・・・でしたっけ？彼にたのまれたんですか？
結構　仕切って合コン慣れしてるって感じだったけど。

吉田 「

いや！そういう訳じゃないけど」

女 「

彼、話は面白いけど少し浮いてない？
どうして自分で電話して来ないんですか？」

吉田 「君を紹介した友達に悪いって言うか一応気配りしている訳」

女 「

彼　全然タイプじゃないですから！

それより吉田さんのお仕事ＩＴベンチャーだって言ってたでしょう？世の中せまいわね！
ＩＴベンチャー企業アクセス・エイトを立ち上げたの兄なの。
聞いたらコモンエンタープライズの吉田さんならよーく知ってるって言うじゃない！？
吉田さんの会社コモンエンタープライズすよね？アクセス・エイトは六本木ヒルズの・・・・」」

吉田 「

・・・・・・・・・・・」

女 「

・・・・・」

吉田 「

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バイトがコーヒーを持ってくる。

バイト 「お待たせしました」

吉田 「

悪い事は出来ないね！合コン用にちょっとアレンジした訳！本当はフリーターしながらバンドやってる！」

女 「武本さんも？」

吉田 「うん、バンド仲間！そっちが大手銀行って言うからバランスとろうってことで」

女 「大手銀行でもただの派遣」

吉田 「あっ！そろそろスタジオに行く時間だ」

女 「見に行ってもいいかしら？」

吉田 「　

女 「ひよっとしてバンドも嘘？」

吉田 「マジで嘘と思う？」

女 「

吉田 「うん！嘘！」

女 「

私約束があるから、これで」

女　勘定書を取って立ちあがる。

吉田 「あー、それは置いておいてよ。こちらが呼び出したんだから」

女 「

あら悪いわね！じゃご馳走様！」

・・・・・参ったな！」

出て行く女を見ながらバイトが近づく。

バイト　「お兄ちゃんのドジ！ちょっと脈があったのに！どうしてバンドのこと嘘にしちゃったの？」

吉田　「やっぱり合コンは軽い嘘で通した方がいい」

バイト「変だよそれ！何の為の合コン？」

吉田　「仮面かぶってその刹那を愉しむんだ！ガキには分からないよ！」

バイト「だから彼女が出来ないんだよ！」　　　

吉田の携帯が鳴る。

吉田　「おう！武本からだ！もしもし？うん会ったよ！だけど彼女はヤバイよ！
　　　　　兄貴がアクセス・エイト、つまり悪を制す「栄統会」の幹部とか言ってた。
　　　　　えっ！合コン？一人足りないんだな？分った！　誰か連れて行くよ！」

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ハッハッハ！

ＴＯＰ

三十秒のシナリオ　　「合コン」

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