西秩父の林道


2006.3.27


埼玉県の秩父地方の林道というと中津川林道や上野大滝林道など奥秩父の路線が有名ですが、皆野町や旧吉田町(秩父市と合併)も古くから地場産業として林業が盛んな地域であり、広大な県有林の中を縦横無尽に林道が走っています。
民有林道である為、道路の規格は大規模林道やスーパー林道に遠く及びませんが、主要路線はほとんど舗装されているようです。
その中でも今回は未舗装が残っている奈良尾林道・城峰奈良尾林道を走破してみたいと思っていましたが・・・





林道奈良尾線



皆野町の上日野沢から奈良尾峠を越えて神川町へ抜ける路線です。途中で城峰奈良尾線と合流するはずです。
自宅から日帰りできる距離なのに地理感がないので位置とか地名とかが良く判りません。


県道284号線、皆野町上日野沢にある「秩父華厳の滝」
を過ぎてすぐの東屋を右折して林道の入口です。




「秩父華厳の滝」。本家とのスケールの差はお許し下さい。
林道は滝の上を通っていきます(橋が見えます)。
画面右上(林道沿い)に大仏様があり、林道から裏見滝が見れるそうです。ただし、駐車スペースがありませんでした。
この橋を渡り、林道はぐんぐん高度を上げていきます。
群馬県内の林道と違うのは、沿線に竹が目立つとう点。
降雪地の山岳林道では竹はあまり見かけません。
後述しますが、かなりの山間部まで人間の生活空間となっている地域性と降雪が少ないというのが影響しているのでしょうか。



県道と分かれてしばらく舗装が続きます。随分と高く上がりました。
眼下に奈良尾集落が見えます。
秩父盆地は群馬の桐生と並ぶ東日本の織物の産地。
この集落の農家も北関東特有の養蚕農家造。
皆野町の中心から15km程山間に入っていますが、まだ民家があります。秩父地方は日当たりの良い南斜面に集落がありますね。
川が流れていて寒い谷底より斜面の方が日照時間も長く暖かいのだそうです。秩父出身の人が教えてくれました。
右側斜面の上の方はなんと茶畑。
群馬県の北部や長野県などの降雪地では雪による孤立を避けるために山の斜面ではなく谷底に集落があるというのを聞いたことがあるし。地域による生活の知恵ですね。
余談ですが、284号線の林道入口の1km手前を右折し約2km登った場所にある藤原という集落は一見の価値ありそうです。
真っ直ぐに立っているのも大変な急斜面に階段状に点在する農家。
下から見上げる大型の養蚕農家は圧巻。都心から100km圏で秋山郷や遠山郷並の秘境チックな雰囲気が。
ただ、クルマを廻すスペースがありません(集落内に人家の庭以外に平らな場所がないのです)ので注意を。



入口から2.2kmで未舗装になりました。
狭いですね。
ま、県有林内の林道はこの程度でしょう。
ガードレールは新しそうです。この先も舗装化が近いのかもしれません。
未舗装になって約1kmの地点です。
途中分岐があって分かれていく道がありましたが、そちらは通行止だったのでこちらの道を進んできました。
が、何か地図と方向が違うような気が・・・
もちろんナビの地図には出ていません。
ツーリングマップルと10万分の1のマップル、両方ともさっき分かれた方向に林道が進んでいるように見えます。ん? なぜ?
奈良尾線て表示がこちらに出ていたような・・・
道路の両側に枝の張り出しが目立ってきました。写真では判りにくいですがかなり張り出しています。灌木状態なので、ギギィ〜って音がダイレクトに車内に入ってきます。さらに200m程進んだ地点でほとんど藪状態。広場まで戻ってUターンしました。
歩いて偵察してみましたが先に進むにつれて状況は悪化するばかりでした。



路面は荒れているという印象は薄かったですが、低木の枝がもの凄いです。この時期クルマの通行はあまりないようです。
2輪車なら問題なく通行できそうです。
この藪については、夏季は刈るんでしょうか。このまま葉が覆い繁ると作業車の通行も間々ならなくなってしまいそうです。
一応クロカン車に乗っている時もそうでしたが、ドアノブ付近の高さまで藪が両側から張り出してきたら引き返すようにしています。
路面はしっかりしていても、クルマが進入していないって証拠ですから。
SUVの場合はもっと早めに引き返した方が良いかもしれません。リスク回避、フィールドでは常に頭に入れておかないと。








林道城峰奈良尾線



林道奈良尾線の入口から県道284号線をさらに上流に進み、「日野沢山の家」(廃校になった小学校を転用した合宿施設)を過ぎて500m程が林道城峰1号線の入口。この林道(舗装路線)を2.6km登った地点が林道城峰奈良尾線の入口。



城峰1号線の入口。皆野町と神川町に跨る城峰山へ1直線に登っていきます。



城峰1号線を約2.6km登ったとこにある城峰奈良尾線の入口です。かなり立派な導入部。当然未舗装です。先ほどの奈良尾林道の状態と違うような地図に釈然としないまま進入です。



城峰奈良尾線入口から約1.2km。
秩父のシンボル武甲山が真正面に見えます。
林道はこのあたりまでは幅員も広く、広場も数箇所ありました。
路面は良く締まっており、大きな石もありません。



左の写真から約200m程。
路面は安定していますが、藪の登場です。さっきと感じが似ています。ただ違うのは谷側が右手ということ。
カーブの先まで歩いてみましたが、状況は悪化してました。
引き返しましょう。相変わらず完走率が低いです。
クルマが軽クロカン車なら? もちろん突入です。



帰宅途中冷静に考えてみたのですが、1回目にUターンした地点と2回目にUターンした地点の直線距離はカーナビの画面上では約500mでした。ということは・・・もしかして繋がっていた?
奈良尾線と城峰奈良尾線が続いているのは知ってましたが、1回目のUターンをしないでギシギシとボディを擦りながら走ってくれば2回目のUターン地点に来られたのではないかというのが私の推測。
でも何百mもこんな状態が続くのはイヤ。 引き返して正解でした。 被害は最小限・・・でもないか。
やはり、ガーミン&カシミール3Dを手に入れたいです。あと前線偵察用のMTBも。
クルマを降りて歩いて偵察しているんですけどMTBの方が断然機動力ありますね。でも車内に積めない。
ああ、スペースギアが懐かしいな。前輪付けたままMTBをポンと積んで林道ツーリングできましたからね。

以下、後日談です。
近所の書店で「県別マップル 埼玉版」1/60,000を見ると・・・やはり上の2本のレポートは繋がっていました。距離にして約700mですね。
上空を通る送電線の位置から見ても非常に近いところまで来ていたことになります。この距離では歩いて走破できましたね。
このマップルは高価なので購入しませんでした(笑)

かわりに安価で頼りがいのある
← を購入しました。
下半分を蛇行しながら走る黒い線が前述の林道。

実際には黒い線が城峰奈良尾線で、奈良尾線は右側を縦に走る白い道というのが私の見解。
分岐で分かれていった方が奈良尾線=通行止 だったということ。
そうすれば、全ての謎が解けるのです。
まあ、もっと走破性の高いクルマに乗っていればそもそも謎にはならない訳ですが。

こら! 「ツーリングマップル」表示違うぞ〜
(上部をほぼ水平に走っている道を城峰奈良尾線と表示)
←ちなみに1/25,000 です。1/50,000 には記載されてません。 


2本とも完走できず。本当は2本の林道を走破した後は城峰山頂付近のトレッキングコースを歩いてみるつもりでいました。
なんか釈然としません。本日の未舗装路走行はピストン往復で4km足らず。物足りません。
ということで、秩父市(旧吉田町)にあり比較的走り易いと聴いている林道明ヶ平沢戸線に行ってみたいと思います。
ここからは少し離れているので、林道上武秩父線(舗装路)を使い城峰山から降りることにします。



城峰奈良尾線から出て城峰1号線を城峰山頂付近まで途中、ログ組みの簡易展望台がありました。とてもスリルあり。
武甲山、正丸峠付近の山々、霞んでいなければ雲取山とかも見れるのかもしてません。
城峰山頂を超えて反対側(神川町側)へ。
下の神流湖(下久保ダム)の対岸は群馬県。
御荷鉾山(西御荷鉾山、東御荷鉾山)が真正面に。
2つの山の付け根あたりついている薄い線がかの有名な御荷鉾林道。




林道明ヶ平沢戸線


主要地方道71号線、秩父市上吉田と吉田石間を結ぶ県道363号線秩父市沢戸を結ぶ約6kmの路線でほぼ全線未舗装。管轄は城峰奈良尾線なども含めてこのあたりの林道を管理する秩父農林振興センター。秩父盆地を見下ろして走る視界がオープンな気持ちが良い林道です。
こちらも道路地図には記載されていない林道です。



主要地方道71号線沿いの明ヶ平という集落に入口があります。
合角ダムの下の塚越という信号から71号線を約1km北上し右折です。入口には表示はなく林道に入って800m程の所にこの表示があります。
71号線を土坂峠の下まで進んでしまうと行き過ぎです。
そのあたりにも林道入口がありますが、これは「矢丸沢線」という路線。舗装路ですが1kmほどで舗装は途切れ行き止まりというか、2輪車でも通行不能な荒道に。



入口から1kmほどで未舗装になります。
路肩の灌木は刈られているようです。
きつい登りですがなかなか走り易いです。
入口から200m位上昇するでしょうか、右側眼下には秩父盆地が広がります。路面はすこし荒れていますね。
溝は以外と深いです。
私はこのくらいの路面のほうが熱くなるのですが、クルマのほうがね〜

この縦溝は500m以上続いています。
だんだん幅員が広がるので跨いで走らなくても大丈夫です。
ついアクセルを・・・(といっても30km/hですけど)
写真の停車位置付近に比較的大きなギャップがあり、Fバンパーをヒット。
このクルマのアプローチアングルの低さはもう致命的です。



入口から3.2km。峠の頂上付近、桜沢トンネルとあります。
トンネルの中だけ舗装済。
トンネル断面も御荷鉾林道などと比べると小さいですね。
もっともあちらは林道界の「新幹線」、こちらは「ローカル線」ですから。
実際、そのくらい整備(というよりむしろ工事規格)の差があります。

トンネルを抜けて下りになります。
前半部分ほど荒れていません。締まっていて走り易い路面です。
右側の視界はオープンです。
ごらんのように全線通してガードレールが設置されています。
こういうところが群馬県内の林道と違う点。


車窓から皆野方面を見る。
右側の山が先ほどの2本の林道が走る城峰山です。


入口から5.8kmで未舗装は終わり、ちょうど6.0kmで県道363号線に合流です。
363号線側はこのように林道の表示が出ています。
全長6km中、未舗装は4.8kmでした。


帰る途中で。
林道奈良尾線の奈良尾峠(林道上武秩父線)側です。
こちら側からも通行止めでした。



今回も完走率の低いレポートになってしまいました。
今回程度の路面であれば、SUVでも案外走れてしまうのかもしれません。
でも、クロカン4WDを運転したことのある人なら判って頂けると思いますが、走破性・機動力においてクロカン車とSUVの間にはとても大きな差があるのが事実、どうしても臆病になってしまいます。
ボディー形状は似ていても両者は全く別モノ。ラリーカーとファミリーセダン並の差がありますものね。

西秩父の林道、案外お薦めかもしれません。
こう言っては失礼ですが、小さな盆地という箱庭のような地形上、山麓や稜線を走る林道からは眼下の街が手に取るように見ることが出来ます。
また、降雪が少ないという気象上、人々の生活圏は山麓にまで及び、林道&山里という積雪地や高山では考えられないシュチュエーションを味わうことが出来ます。特に皆野町の日野沢地区の集落は風情がありました。
秩父市街地へは仕事で何度も来たことがありますが、周辺地区にこんな良い場所があったとは知りませんでした。




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