谷戸暮し(季節を感じながら)
今年は梅雨明けが遅れているようで、七月末近くの今日になってもまだ梅雨明け宣言が出されていない。
ところで、先日久しぶりに梅雨の合間の晴天となった日、会社から横浜みなとみらいのランドマークタワーが良く見えた。 その日は五時過ぎ、まだ明るい時間帯に退社することができ、1月ぶりに早い時間に帰宅することができた。
帰宅時、谷戸の坂道を登りつめた処で、額の汗を拭いながらある幸福感に浸っていた。
先の木立からヒグラシの「カナカナ・・・カナカナ・・・」と云う鳴き声。道脇の薮からは「ケキョ・ホーホケキョ」とウグイスが、更に何処かから「トキョ・キュカキョク」とホトトギスの声も聞こえてくる。
七月下旬の、この時期 つんの住むこの辺りでは明け方と日没前の黄昏時に、鶯(ウグイス)、不如帰(ホトトギス)、蜩(ヒグラシ)を同時に聞くことも珍しくないのである。
大都会の片隅で在りながら、鳥やセミたちが奏でる夏のソナタを聞き、季節を感じながら生活ができるなんて・・・と、少し得した気分になったのである。