一都四県・十四ケ所

又々の 引越


また、また引越をすることになった。
実は引越は、昨年末から考えていたことなのである。

  しかし、長期の出張や職場の人事異動などにより
延び延びに為ったうえ、体調不良が原因で
秋も終わりのこの季節になってしまったのである。



メモ用紙に今まで住んだ所を書き出してみた。
正確な町名まで思い出せない所も幾つかあった。

しかし、メモには首都圏を中心として、一都四県・十四ケ所に
わたって居住したことが書き出せた。
会社勤めのサラリーマン生活を始めてからでも、
今回の転居で十一ケ所目の土地に住むことになるのである。

まぁ〜、随分遥々と流離ってしまったものである。

この歳になってからの引越というのは結構大変なのである。
肉体的にも精神的にも、いろいろ負荷が大きいのである。

若い頃のように週末に荷を纏め、翌週から
他県にふらりと、移り暮らす様な生活。
それは、もうとても出来ないのである。

しかし、ここ何回かの引越を考えてみると、
生活の手段としての引越が多くなって来たようで
あまり気持ち良いもので無かった。

今回の転居は果たして ・・・ 。



  ところで、引越と云うと思い浮ぶ人物に浮世絵師の葛飾北斎がいる。
北斎の他、画狂人など生涯にわたって三十ほども画号を変えると共に
九十回以上にも亘り、転居に転居を重ねる一生だったようだ。

 画風も次々と変えながら、それぞれの世界で一流のものを生み出した。
才能あふれる、あの様な生き方は凡人の私 には夢のまた夢なのである。

そして、今の自分にとって 画狂人 の如く、
一心不乱に打込める、何かがあるのだろうか ・・。



    つ ん
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