半夏生咲く頃
(クローバーの花を編んで作ったコサージュに出会う)


  今年はいつもの年と比べ、一週間ほど梅雨入りが遅かったような気がする。
    その上、梅雨入り宣言があった後も、梅雨の中休みで晴天の日が続きそうである。

六月半ばの休日、ぶらりといつもの川沿いを遡っていた。
毎週のように休みとなると歩く道ではあるが、歩くたびに新しい発見をする。

  三十分ほど歩いただろうか。環状線越しに、こんもりとした森が見えてきた。
  道路わきの水田では、苗の植えつけで忙しいそうに働いている人達が見える。

ハグロトンボ

半夏生
  川沿いの道を歩いていたが、イヌコリヤナギが生茂る所で、川辺に下りる
  小道に入った。木製の小橋を渡り踏跡に被さる夏草を分け入り川岸に出た。

  人の気配に驚いたのか、黒い奴が目の前をよぎった。
 羽黒蜻蛉(ハグロトンボ)である。久しぶりの対面となる。


  上の道に戻ると、そこにはここ一週間ほどで、随分と白さの増した半夏生
 (ハンゲショウ)が私を待っていてくれた。本当の夏も近くなってきた様だ。

クローバーのコサージュ
   水辺の広場に向う途中で、ほんとうに懐かしいものに出会った。

   それはケヤキの下枝に掛けられていた。何十年ぶりの出会いに
なるのだろうか。クローバーの花を編んで作った髪飾りである。

     クローバー(白詰草)の花を編んで作ったヘヤー・コサージュは
      つん が幼い頃見た記憶があるが、いったい誰がこんな処に ・・・。


「 髪飾りつける子もなし半夏生 」    津雲



   つんの
とぼとぼ