梅擬(ウメモドキ)
鮮やかな紅色の果実が小枝に沢山ついているのに気づいた。それは、私が扇橋を渡って上郷の六反町公園の方へ歩いて行く時だった。
右手の藪の中に小さな赤い実が観えた。その潅木は梅もどきの木だった。まだ、緑の葉が随分付いているが、月末辺りから葉も落ち始め、小鳥達も実をついばみに来るだろう。
赤い木の実は越年し、冬日の散歩道で、私の眼を愉しませてくれることだろう。
「 残る葉も 残らず散れや 梅もどき 」 野沢凡兆