トマト
山の畑にあるトマトが夏の陽射しを浴び輝いてみえる。ミニトマトだろうか、幾分小振りながらはち切れんばかりに熟し、たわわに生っている。
尾根を渡る風が時折り吹いてくるものの、額の汗が頬を伝いあごから滴り落ちた。木陰を求めて蝉時雨のなか歩を進めた。
「 太陽を孕みしトマトかくも熟れ 」 篠原鳳作