唐辛子(トウガラシ)
川原の隅に小さな畑がある。その畑の一畝に唐辛子が植えてある。
秋日和となった、ある日の午後。その畑を覗いてみると白い小花と共に赤く熟した唐辛子が観えた。テカリと光った真紅の実を観ていたら、不意に口中がヒリリと反応した。
「 草の香に南蛮熟るる厄日明け 」 飯田蛇笏