玉簾(タマスダレ)

 ここ数日で夏の空気が秋へとガラリと入れ替わったような陽気となった。路地に吹き込み、頬をなでて吹き去る風が秋の到来を知らせてくれた。

 小道の脇に連なる、白き涼やかな玉簾の花。この花、ヒガンバナ科の植物の一つだそうだ。その白い連なりの上、不意に秋風が吹き渡って行く。

 シャツの襟元に秋を感じる朝となった。
 

  「 玉簾露地を奥まで訪うて 」       高田正子



    折々の花