水仙(スイセン)
年も改まり、既に月半ばに差し掛かろうとしていた。この冬も未だ雪を観ていない。或る日、道路脇に新春を告げる花が咲いているのに気がついた。そして、この地に暮らしはじめて十数年めの冬を過す私がここにいる。
「 水仙に春待つ心定まりぬ 」 高浜虚子