折々の花

石楠花(シャクナゲ)


 春の嵐で桜の花も散ってしまった或る日のこと。昼前には雲の切れ間から薄日が射込むようになってきた。
 4週ほど、週末に通院して歯の治療をしていたが芳しくなかった。自前の歯だけで過せる歳では無くなってきたと云うことか。

 歯科医に行こうと坂道を下り角を曲がった先に、こんもりとした緑の塊が観える。手入の行き届いた植栽。その家の片隅。

 石南花の深紅が眼に沁みた                  

「 ほぐれんとして 石南花の 大蕾 」     岡田日郎



    折々の花