パンジー
川沿いの道は春の陽射しを浴びている。梅の花のしんがりを務める豊後梅(ぶんごうめ)もそろそろ花びらを散らし始めていた。
川の分岐にある民家では、おかめ桜の色濃い花が咲いている。ふと、足もとの花壇を見れば黄色のパンジーが植えられていた。
晴天の平日。この時間に、この遊歩道をとぼとぼ歩いているのは私だけなのだ。
「 パンジーの群れて一つの強き黄に 」 吉村 玲子