水引草(ミズヒキソウ)
一雨降る度に秋が近づいて来るのを、感ずることが出来た1週間だった。
夏の間しばらく出会う機会のなかった翡翠(かわせみ)も、川岸で度々見かけるようになってきた。
崖沿いの小道をぬけ、山地の矮小な畑の傍らに、ひっそりと目立たぬ花を咲かせている、この草に気づいたのも、秋を感じた朝のことだった。
「 日の中の水引草は透けりけり 」 室生犀星