雌日芝(メヒシバ)
真夏の或る日のこと。早朝に近くの河川敷を歩いてみた。ムッとするような湿気と青草の香りの中で、たちまち全身から汗が吹き出してくる。 額の汗を拭った掌で、草原を掻き分ければ突然の乱入者に驚いたトンボ達が飛び出してきた。 川の上流部にあたるこの辺では、渇水で水量が少ないようだ。水辺近くまで雌日芝などの見なれた雑草達が覆っている。 それにしても朝露に濡れた下草で、ズボンの裾まで濡れてしまった。 |
「 ぬれたわみたる夏草の めひじはの穂の ほのかにそよく 」 三ヶ島葭子