柾(マサキ)
路地の角を曲がってバス通りにでた。緩やかな坂道を下って行くと、手入のされた生垣に小さな実が沢山ついているのが見えた。
その、薄い赤茶色をした木の実は柾(マサキ)の実だった。群りついた実の中には、弾けて中からオレンジ色の種が覗いているものもある。
空は青く晴れ上がり、今朝も随分に冷え込んだようだ。朝の陽を浴びながら坂道を下りて行けば、家並みの向こう遥か先に、丹沢山塊が霞んでみえた。
「 柾の実籬(まがき)のうちも砂白く 」 富安風生