折々の花

葛(クズ)



 瀬上池という小さな池があり、山の袂から湧き出した湧き水が、一筋の小川となって注ぎ込んでいる。

 池の上休息所と名付けられた場所から、小さな湿地状の原をぬけ、尾根への登りに掛かろうとした時、この蔓草に気がついた。


  「 葛の花踏みしだかれて色新しき この山道を行きし人あり 」     釈迢空



    折々の花