折々の花

犬のふぐり


 朝方は冷え込み、家を出るときは手袋を付けていた。
 しかし、日も高くなり風も無く穏やかな陽射を浴びた畑の傍らには、青き小さな瞳が輝いていた。

「 いぬふぐり星のまたたくごとくなり 」    高浜虚子



    折々の花