折々の花

榛の木(ハンノキ)=赤楊


 振り返り見上げた枝先にくすんだ雄花の花穂が、まだ下がっていた。

 ここは、家から川沿いに歩いて20分ほどの川岸に在る広場の一隅。

 掌を日にかざし中空の榛の木をよく観れば、枝分かれした他の枝先には、松笠状の小さな実も、褐色のまま秋から残っていた。

 まだ、随分に寒い時期からあった雄花の花穂。今日よく観れば、うぐいす色をしていた。

 あぁ・・・ それにしても、今日は暖かい。 春がやってきたんだ ・・・。
     

「 はんの木の  それでも花の  つもりかな 」    小林一茶



    折々の花