繁縷(ハコベ)
早春とはいえ、ここ数日の寒暖の激しさは何だろうか。とうに古希を過ぎちゃったオジサンの体は、なかなかこの陽気の変化に追いついていけない状態にある。
朝は冬を思わせる寒気で、厚手のコートを羽織っていた。昼前に今まで放置していた確定申告のため税務署へ行く。かえり道の道すがら、眼にしたハコベに陽が射していた。
空ろな心に、なにげに安住敦の一句が浮んだ。
「 栄達に遠しはこべら道に咲き 」 安住 敦