グラジオラス
一頻り歩いて、疲れ始めた足腰を休めようと木陰に入った。
川面から微風が吹き上げてくる。川岸の花壇は夏草の生長に手入が追いつかぬ様で、植栽された草花と雑草が混生している。
夏草の中に、眼にも鮮やかな深紅のグラジオラスが一株咲いていた。
「 グラジオラス一方咲きの哀れさよ 」 村山古郷